
改良版のうち、ベーシックな「Z」は239万8,000円で、装備が充実した「Zプラス」は今夏発売予定。これに先立ち特別仕様車が発売された。早速試乗レビューをお届けしよう。
ずっと愛用したくなるポイントは「質感の高さ」にあり!

- テスター 記者・櫻井(左)、編集・早坂(右)
2WDのみだがロードクリアランスは余裕あり

早坂
クルマもガソリンも値上がりが著しい昨今、200万円台で手に入るWR-Vのコスパの良さには惹かれますねー。
うん。昨年、インド生産の車両を輸入する形で販売が始まって以来、人気は高まる一方だ。お買い得感だけじゃなく、積載能力と走破性というソト遊びでは欠かせない要件を満たしていることも大きいね。

櫻井

早坂
そして早くも改良型が登場。一番のニュースは内装で、前面のダッシュボード部分や後席ドア内側の素材が、柔らかなタッチのパッドになりました。
従来型は樹脂製で価格相応の仕上がりだったけど、これで一気に高級感が増した。改良型の魅力を強調した特別仕様車「ブラックスタイル」では、パネル部分が光沢のあるピアノブラック塗装仕上げだ。

櫻井

早坂
機能に直結しない改良とはいえ、乗るたびに目にする部分の見栄えがいいのは気持ちがいいっす。
ほど良く高級感がある道具って、みんな雑に扱わないでしょ? 車内をきれいに保つ意識が強くなるし、それはずっと乗り続けたいという愛着につながり、コスパはさらに良くなる。

櫻井

早坂
後席をたためば車中泊もできるし、取材中、WR-Vがある生活を想像してしまいました。でもそこで気づいたのですが、4WDの設定がないんですよね……。
そう。生産国であるインドでも前輪駆動のみ。あちらでは道路事情が悪い地域も多く、時季によっては深い水たまりの中を走ることも。それでもWR-Vが受け入れられているのは、横滑り防止装置などが付いていることと、余裕のある最低地上高にあるらしい。

櫻井

早坂
確かに、WR-Vの最低地上高はホンダのSUV中、一番高いです。
滑りやすい道での走破性能は、高い順に4WD、前輪駆動、後輪駆動。さらに最低地上高に余裕があれば障害物回避性能も高まる。

櫻井

早坂
降雪地域に住む人や毎年のように雪山へ行く人は4WDが安心ですが、道が整備されたキャンプ場までの往復なら、WR-Vでも十分に活躍してくれるということですね!
WR-Vがお手頃価格なのは、複雑な4WD機構を省いたことも理由。ソト遊びのスタイルに合致するなら絶対買いでしょ。

櫻井
"積めて走れる"SUVの基本に則したデザイン



クーペスタイルのヴェゼルとは異なり、SUVらしい箱型のプロポーションがWR-Vの特徴。ノーズ部分が高く切り立ったデザインは、見栄えだけでなく車両感覚のつかみやすさにもつながっている。
車中泊だってこなせるのだ!

荷室と折りたたんだ後席との段差を埋めるラゲッジボード(オプション)を使えば、フラットな車中泊空間に。天井の高さもまずまず。

後席の足元を広くとっているため、荷室の奥行きはあまり長くないが、高さがあるので積載性は良好(ラゲッジボードなしの状態)。

ラゲッジボードを取り付けると、床下に収納空間ができて便利。

ルーフレールは加飾用。

中型SUVに匹敵する広さ!
見える場所や触れる場所の質感が向上

操作盤はスイッチ類をシンプルに配置した設計。黒く光る部分がピアノブラック塗装のパネルで、下がソフトパッド。

ブラックの加飾が施され、上質な見栄えに。
レギュラーガソリン仕様で経済性も◎

パワートレーンに変更はなく、1.5ℓのガソリンエンジンとCVTの組み合わせ。山道や高速道路での加速で、アクセルペダルを多
標準モデルもいっそう魅力的に

夏ごろ発売の「Zプラス」(価格未定)に、新設定されたのが合皮のブラウン内装。上質で手入れがしやすく、室内が明るい印象になって気分もアガる。これは期待大!

ホンダ/WR-V Zプラス ブラックスタイル(特別仕様車)
¥2,580,600
問い合わせ先:本田技研 TEL:0120-112010 https://www.honda.co.jp
SPECIFICATIONS
【ボディー寸法】
全長 4,325㎜
全幅 1,790㎜
全高 1,650㎜
最低地上高 195㎜
最小回転半径 5.2m
ホイールベース 2,650㎜
タイヤサイズ 215/55R17
車両重量 1,230kg
【エンジン】
排気量・種類 1,496cc直列4気筒
最高出力 87kW(118PS)/6,600rpm
最大トルク 142N・m/4,300rpm
燃料種類 無鉛レギュラーガソリン
燃費(WLTCモード) 16.2km/ℓ
【トランスミッション】
CVT
※構成/櫻井 香 撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2025年5月号より)