
数々の傑作ストーブを生み出してきた国産ブランド「SOTO(ソト)」
設立:1992年
拠点:愛知県豊川市

新富士バーナー 開発部 係長 西島丈玄さん。2003年に入社、20年以上にわたり開発・設計を担当。ST-301以降のモデルを手がけ、ブランドが生み出すデザインの全てを監修している。
工具メーカーとして創業した新富士バーナーがアウトドア市場に進出したのは、ポケトーチ(ロウ付け用に開発)が「風にやたら強い」とキャンパーに人気を博したのがきっかけだった。
確かな技術と自社工場の強み、そして後発ブランドだからこその自由な発想で既成概念を覆す製品を次々世に送り出している。
美しいフォルムが特徴的な製品の数々。長年設計を担う西島丈玄さんは開発部門の統括、「無駄を削ぎ落とした機能美」をつねに心がけていると話す。
そして『創造的に、挑戦的に』がモットー。過去に発売日発表後に、南極(!)での使用のフィードバックを受けて発売を急遽延期し、改良に踏み切ったことも。信条を地でいくエピソードだ。
’09年発売のマイクロレギュレーターストーブは北米でも注目され現地雑誌の賞を受賞し、欧米での販売もスタート。’11年には予熱不要の液体燃料ストーブMUKAを発表。欧米の様々な賞に輝き「高い利便性に加えて音も静か」と話題をさらった。
国内に目を向けると、’08年に発売したレギュレーターストーブがひとつの転機となっている。
「日本の家庭でお馴染みのカセットボンベ(CB缶)を使った器具は通常、気温20〜25度Cでの使用が前提で寒さに弱いんです。そこで、小型のレギュレーター(つねに適量の燃料を供給する機構)を付けることで弱点を解消しました。5度Cくらいでも安定した火力が保てます」
このときのレギュレーターをさらに小型化したものが、マイクロレギュレーターだ。海外に打って出る足がかりとなった。
その後も続々とCB缶ストーブを発表しているのは「日本のキャンプをもっと身近なものにしたい」というテーマがあるから。近年は米国でもCB缶ストーブの人気が出ているという。さらなる発展に期待が高まる。
主要部品の製造から検査まで自社
SOTO製品は本社からすぐ近くの自社工場で作られている。工場の1階では部品製造、2階では組み立てや製品の検査。精密な製作過程を経て厳しい検査をパスして世界へ出荷する。
24時間オートメーションの機械もあるが部品の裁断や溶接では人が手を動かす。
ガス漏れの検査中。水中に本体を沈めて漏れている箇所がないかを確認している。
撮影/岡野朋之
(BE-PAL 2025年3月号より)
▼参考記事
バーナー選びのポイント
バーナー選びはここをチェック!
形状(直結型・分離型)
アウトドアでは定番のバーナーは大きく分けて軽量コンパクトな直結型と、安定感がある分離型の2種類。ニーズに合わせたバーナー選びができるよう、それぞれの特長を紹介しよう。
直結型の特長
軽量コンパクト

手に収まるサイズ感。
直結型のシングルバーナーはハイキングや登山で好まれている。その大きなポイントが、軽量でコンパクトなこと。荷物を背負って移動する際の負担が少なくなるが非常に大きなメリットだ。また、五徳を折りたためばコッヘルなどに、燃料缶と共に収納できるほどにコンパクトになる。
コンパクトなスペースでも使用可能

燃料缶の上に本体があるため省スペースになる。
燃料缶の上にバーナーヘッド(本体)が繋がるため、場所を取らないことが大きなメリット。テーブルの上に余裕がないときや登山で調理するスペースがあまり確保できないときは、直結型を持っていくのがおすすめだ。
サブバーナーとしても使える

小さくても十分な火力。
キャンプをしていると、メインの火器以外にも使うサブの火器が欲しくなる。直結型は先述の通り必要十分な火力を持つため、メインの火器で大人数用の調理をしながら、直結型のシングルバーナーでお湯を沸かすといった使い方ができる。軽量コンパクトで場所を取らないので、気軽に持ち出して好きな場所で使える点も、サブバーナーとして使われる所以。
分離型の特長
低重心で安定した調理が可能

炊飯もしやすい。
分離型の最大のメリットは、五徳が接地することによる安定感。スープを作ったり炊飯をしたりしていると、鍋が振動で中身がこぼれてしまうことも。こぼさないように手で抑えたりするなど、アウトドアでは工夫が必要だが、分離型は五徳も大型なモデルが多いので、重心をずらさなければ落下のリスクが低くなり、安心。
輻射熱の影響が少ない

燃料を送るホース。
調理をしていると、ガスから発生した熱が放射される「輻射熱」が発生する。これが燃料缶に当たると温度が上昇し、燃料缶が破裂するリスクが高る。分離型は燃料缶から本体が離れているため、輻射熱による影響をあまり気にすることなく調理に集中できる。網でパンやお餅を焼いたり、ちょっとした焼き肉を楽しむ場合などは、分離型を使うと安心だ。
複数人の調理に最適

大きめの鍋も対応可能。
分離型は大型の五徳と低重心により、複数人の調理に対応可能。複数人での登山で調理担当となった場合や、ガスバーナーを中心にキャンプをする場合などでは、分離型が大いに役立つ。大きめの鍋を使っても本体が変形することがなく、調理の幅が広がるというメリットも。
▼参考記事
燃料(CB缶・OD缶)
キャンプ用の燃焼器具で、最もオーソドックスなのがガスバーナー。大きく分けると「CB缶用」と「OD缶用」の2種類があり、この2つの違いについて解説したい。
そもそもCB缶・OD缶とは?

左がCB缶、右がOD缶
CB缶のCBは「Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)」の略。
家庭用のカセットコンロにも使われるガス缶で、キャンプ未経験者にもなじみのある形ではないだろうか。
一方、OD缶のODは「OutDoor(アウトドア)」の略。
名前のとおりアウトドア用に作られたガス缶で、屋外での使用に向いた性能を備えている。
2つのガス缶の具体的な違いについては、バーナーの比較と絡めて解説していこう。
CB缶とOD缶の違い

左がCB缶、右がOD缶。
2つのバーナーの違いについて、下の表にまとめた。メーカーの公式発表や、筆者が実際に利用する中で感じたことなどを元に評価をつけている。
CB缶 | OD缶 | |
耐寒性 | △ | ◯ |
ランニングコスト | ◯ | △ |
コンパクト性 | △ | ◯ |
燃料の入手し易さ | ◯ | △ |
1つずつ見ていこう。
耐寒性

OD缶用バーナーの方が寒さに強い。
耐寒性は言い換えると「どのくらい寒い場所で使えるか?」ということ。
こちらに関しては、アウトドアユースを前提としているOD缶の方が優秀。具体的にどのくらい違うかはどのメーカーのガスを使うかにもよる。CB缶とOD缶の実際の製品を比較したのが下の表だ。
製品名 | 缶のタイプ | 使用可能温度 |
イワタニ カセットガス |
CB缶 | 10度C〜 |
イワタニ カセットガスパワーゴールド |
CB缶 | 5度C〜 |
IWATANI PRIMUS ノーマルガス |
OD缶 | 5度C〜 |
IWATANI PRIMUS ハイパワーガス |
OD缶 | 0度C〜 |
使用温度を下回ると、ガス缶の中の燃料が液体から気化できず、火が弱くなったり着火できなくなる。つまり「ガス缶の耐寒性が高い」というのは「より低い温度でも気化できる燃料が充填されている」ということ。
春夏秋はさほど問題にならないが、晩秋〜冬にキャンプをするならおさえておくべきポイントだ。
また、通常より耐寒性を高めたCB缶を「パワーガス」などの名称で販売しているメーカーもある(上表の「イワタニカセットガスパワーゴールド」もその1つ)。ただ、パワーガスのCB缶であっても、オールシーズン対応のOD缶(上表でいうとIWATANI PRIMUS ハイパワーガス)の耐寒性には劣ることが多い。
ランニングコスト
OD缶の方がCB缶より価格は高い。理由の1つとして、耐寒性の高いガスの方が高価であること。
メーカーによっては、中身を耐寒性の低いガスにして価格をおさえた春夏秋用のOD缶も販売している(ノーマルガス、レギュラーガスなどの名称で販売)。
しかし、基本的にはノーマルガスのOD缶でもCB缶より価格は高い。
下表はOD缶とCB缶の価格を比較したもの。
商品名 | 種類 | 内容量 | 価格/1本 |
イワタニカセットガス | CB缶 | 250g | 440円 |
イワタニカセットガスパワーゴールド | CB缶 | 250g | 568円 |
IWATANI PRIMUS ノーマルガス | OD缶 | 230g | 550円 |
IWATANI PRIMUS ハイパワーガス | OD缶 | 225g | 715円 |
※メーカー小売希望価格を表記しているが、店頭価格ではCB缶とOD缶の価格差はさらに大きい傾向がある。
このように、基本的にCB缶とOD缶を比較するとCB缶の方が安価。よって、燃料のランニングコストはCB缶の方が優れている。
コンパクト性

折り畳んだバーナーとガス缶。上がOD缶用、下がCB缶用。
形状的に、縦長のCB缶よりOD缶の方がバックパックへの収納性は高い。また、OD缶は丸型の鍋などのクッカーにも収納(スタッキング)できるので、その意味でも携帯性に優れている。CB缶にはコンパクト性に長けたショートタイプもあるが、容量はその分少なくなる。
バーナー自体のコンパクトさも、OD缶用は登山などで持ち運びしやすいようコンパクトなものが多い。ただ、五徳が小さくなり、大きめのクッカーを置いたときの安定性に欠けるので注意が必要だ。
燃料の入手し易さ
CB缶はホームセンターやアウトドアショップはもちろん、コンビニで買える事もある。
対してOD缶はコンビニにはまずない。ホームセンターに置いている事もあるが、品揃えはそこまで期待できない。主な入手ルートはアウトドアショップ、あるいはネットになる。
ネットで何でも手に入る時代なので、通常のキャンプを楽しむ分には“入手のし易さ”はそこまで問題にならない。
しかし、以下のようなケースでは、キャンプ場に着いた後にガス缶を入手する必要がでてくる。
- ガス缶を忘れた・紛失した
- ガス缶の不具合で火が着かない
- 連泊でガスを大量に使う
- 飛行機を使う(ガス缶は預け入れも持ち込みもNG)
キャンプ場の周辺にコンビニやホームセンターがある事は多いので、CB缶は比較的手に入りやすい。
しかし、アウトドアショップがあるケースは決して多いとはいえないので、OD缶は入手困難だといえる。
▼参考記事
【CB缶・直結型】のシングルバーナー
ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 | |
---|---|---|---|---|
使用サイズ | 重量 | |||
SOTO (ソト) レギュレーターストーブST-310 | ![]() | 幅166×奥行142×高さ110mm | 330g | |
SOTO (ソト) Gストーブ ST-320 | ![]() | 幅153×奥行195×高さ77mm | 380g | |
SOTO (ソト) レギュレーターストーブ レンジST-340 | ![]() | 幅166×奥行142×高さ110mm | 360g | |
SOTO (ソト) トライトレイル ST-350 | ![]() | 幅138×奥行156×高さ111mm | 135g | |
SOTO(ソト) レギュレーターストーブST-310
新開発のマイクロレギュレーターを搭載し、連続使用によるドロップダウンの影響を受けにくいストーブ。生ガスの発生を抑え、外気温25℃~5℃の環境下でも常に一定の火力を発揮。外径130㎜の大きめなゴトクで安定した使用感が実感できる。
マイクロレギュレーターを搭載し、低温時や連続使用しても火力低下しにくいシングルバーナー。大型の4本脚兼五徳を備えていてソロはもちろん3〜4人用のクッカーにも対応する。
バーナーヘッドは中央が高くなったドーム型で全体に火口が備わっている。やわらかい炎が立ち上がり、クッカー全体に届く設計だ。CB缶を燃料とし、自動点火装置も付いているので誰もが恐れず扱える。使用サイズ幅166×奥行142×高さ110mm(本体のみ)、重量330g。

▲大型の遮熱板を備え、安全性にも配慮
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SOTO (ソト) Gストーブ ST-320
どっしりとした安定感、薄さがもたらす収納性、落としてもびくともしない耐久性、類まれな風への耐性、メスティンとも好相性!
使用時サイズ:幅153×奥行195×高さ77mm
収納時サイズ:幅142×奥行 78×高さ25mm
本体重量:380g
実際に使ってみた

展開するとガバッと大きく広がる。ボディが遮熱板にもなるので、テーブルや地面にダメージを与えない。
SOTO G-ストーブは収納時の厚さが2.5cmと、数あるガスバーナーの中でもとくに薄く折りたためるのが特徴で、使用するときにはまるで本のように開いて設置する。
私はキャンプやツーリングのときに必ず持っていくのだが、一緒に行った仲間から「そのバーナーいいな〜」と興味を持たれることが本当に多い。
実際にこれまで5年以上使用してきて、CB缶(カセットガス)を使用するガスバーナーの中では総合力において最強に近いと感じている。

歯のように噛み合っているのが五徳。現行品は五徳の色がシルバーからブラックに、本体のロゴが「G’s」から「SOTO」に変更されている。
そこで今回、G-ストーブのコンパクトなボディに秘められた魅力をご紹介することにした。
なお、私が使用しているG-ストーブはモデルチェンジ前のものであり、本体にプリントされているロゴやパーツの色などが違っている。
しかしちょっとした見た目の違いを除くと、サイズも構造もまったく同じものなので参考になるはず。
SOTO G-ストーブがほかのバーナーより優れているところ
まずはG-ストーブの良いところを5つご紹介。本当はもっとあるのだが、全部あげると非常に長くなってしまうので、とくにお伝えしたい4つに絞った。
実際に使用している人にしか気付けないものもあるので、すでにこのガスバーナーを知っているという方もチェックしてほしい。
ロー&ワイドで安定感抜群

しっかりふんばってくれるので、大きくて重いクッカーを乗せても安定。
五徳までの高さが約8cmとかなり低いうえに、本体を支える脚が大きく開くため、テーブルの上でどっしりと安定する。
五徳も大きめで、クッカーを少々雑に置いても大丈夫。上に乗せたものが転げ落ちたりすることはまずない。
さらに安定感をアップさせるために、ユニフレームの「バーナーパッドM」を合わせて使用するのもおすすめ。まるで専用品のようにちょうどよく乗っかる。

バーナーパッドを乗せることで、さらに安定感が向上。クッカーの焦げつきも防止してくれる。
こうすることで、大きなクッカーでも小さなシェラカップでも不安感なく火にかけることができる。
薄型のボディでメスティンにスタッキング可能

ガスバーナー本体が薄いので、メスティンの中はまだまだ余裕。普段はスプーンやフォーク、ナイフなどを一緒に入れている。
バッグの隙間にスッと入るコンパクトさがこのG-ストーブの大きな特徴の1つ。それによりなんとメスティンに収納することが可能だ。
メスティンを火にかけるときも、G-ストーブとメスティンとのサイズ感がちょうどいいので非常に良いバランスで置くことができる。

美しさすら感じるバランス。メスティンがガスバーナーの入れものとしても、クッカーとしても使えるので無駄がない。
メスティンを好んで使用している方にとっては、これらのメリットの大きさは相当なもののはず。
横からの風に強い

普通であれば炎の根元から風に煽られてしまうところ、G-ストーブなら五徳の高さまで炎が届く。
V字に開くボディそのものが風防として機能するため、ある程度の風ならウインドスクリーンがなくても大丈夫。
発熱量は2.1kw(1800kcal/h)とほかのガスバーナーと比べて少々ひかえめでありながら、効率よく熱を伝えてくれるのでスペック以上に加熱する能力は高く感じられる。
圧倒的に頑丈

金属の一枚板から削り出したようなボディは、その見た目の通り非常にタフ。
本体は厚みがあるアルミボディとなっているので、たとえ車にひかれても、ゾウが乗っても壊れないのではないかと思えるほど頑丈。
構造は独特でありながらシンプルで壊れそうな部分もなく、まさに質実剛健という言葉がピッタリ。ほかのガスバーナーとくらべても安心感が違う。
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SOTO(ソト) レギュレーターストーブ レンジST-340
ST-310より大きい直径66㎜の火口で大き目のクッカーでも加熱が可能。点火のアシスタントレバーを標準装備しているので、スムーズに点火操作ができる。朝晩などの低温時でもボンベの冷却に影響されることなく高出力を発揮してくれて、連続した調理にも強い。
ソロキャンプブームを牽引してきた名作ストーブ「ST-310」の火口をφ66mmに大口径化。出力も上がり、中型コッヘル(φ11~20cm)やフライパンでの調理が格段にしやすくなった。
サイズ:166×142×110mm(使用時・本体のみ)
重量:360g
出力:2,800kcal/h
点火レバーが押し下げ方式になり、より安全に操作できるようになった。
シリコングリップ(別売)を装着すると滑りにくく、火傷しにくくなる。
純正の専用テーブルもある。
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撮影/中村文隆
(BE-PAL 2024年4月号より)
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SOTO (ソト) トライトレイル ST-350
耐圧性が向上したCB缶「CB TOUGH」シリーズに対応した軽量シングルバーナー。高地や低温環境でも安定した火力を維持できる。
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【CB缶・分離型】のシングルバーナー
SOTO (ソト) レギュレーターストーブ FUSION ST-330
CB缶(カセットガス)を燃料としたガスストーブ。ガス圧を調整するマイクロレギュレーター搭載で、ボンベの内圧低下に影響されにくく、高所や低温下でも安定燃焼する。
マイクロレギュレーター機能を搭載した分離型バーナー。重心が低く4本の五徳を採用しているので、グラつきがなく安定して使うことができる。
輻射熱の影響がないため、大人数で使用するような大きめの鍋やクッカーもOK!バーナーヘッドの形状がすり鉢状になっており、さらに約300個の火口から火足の短い炎が、優れた耐風性能を実現。
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SOTO (ソト) トレックマスター ST-331
液出しだから安定した火力が得られる!
使用時サイズ:幅500×奥行140×高さ105mm(ホース含む)
収納時サイズ:幅90×奥行70×高さ105mm(ホース含む)
重量:約195g

「ガスストーブなのに液出しってどういうこと?」と、思う人も多いだろう。じつはガス缶に入っている燃料は液状で、一般的なガスストーブは液状の燃料を気化した状態で燃焼させている。対して、燃料缶内のガスを液状のまま抽出して燃焼させているのが”液出し”だ。
気化出しは、燃焼し続けると気化熱で燃料缶が冷やされ徐々に火力が落ちたり、燃焼が不安定になったりする。液出しなら、そうしたドロップダウンがなく安定した火力を得られるのだ。
つまり、器具自体の構造はガソリンストーブと同様で、燃料がCB缶になったというわけ。
OD缶ではなく、CB缶が使えるメリットも大きい。SOTOのOD缶パワーガストリプルミックス(105g)と、CB缶CB TOUGH(125g)を比べてみると、OD缶はgあたり6.5円、CB缶は3.52円!断然CB缶のほうがコスパに優れていることがわかる。
これまでは、高所登山といえば「ガソリンストーブ+液体燃料」の一択だったが、これからは「トレックマスター+CB缶」という新しい選択肢が加わる!
左:液出し 右:気化出し

気化ガスを燃焼させる一般的なガスバーナーは、燃焼し続けると気化熱によってCB缶が冷却されて火力が弱くなったりする。液出しはドロップダウンが起きにくく、外気温の影響も少なく安定した火力で燃焼する。