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ソト(SOTO)ってどんなブランド?

1990年に開発した、100円ライターを燃料にして使うポケットサイズのバーナー、「ポケトーチ」。工作用として開発されたツールだが、これがキャンパーの手によってアウトドアツールとして認識されるようになり、これをきっかけにSOTOブランドを立ち上げた。
その後、世界初の「マントルのないランタン」、燻製器「いぶし処」、ステンレス製ダッチオーブンなどを次々と発表。 そして、2008年にマイクロレギュレーターを搭載した、CB缶仕様の「レギュレーターストーブ」を発売。
じわじわと脚光を浴び、’09年には欧米でも販売が開始された。昨今は「防災」と「火育」に力を入れ、アウトドアイベントでは子供たちが安全に火を使うことができるワークショップなども開催。火を通して「どんなところでも生きられる力」を育んでいる。
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革新を続けるソトのものづくり
確かな技術と自社工場の強み、そして後発ブランドだからこその自由な発想で既成概念を覆す製品を次々世に送り出しているソト。
美しいフォルムが特徴的な製品の数々。長年設計を担う西島丈玄さんは開発部門の統括、「無駄を削ぎ落とした機能美」をつねに心がけていると話す。

09年発売のマイクロレギュレーターストーブは北米でも注目され現地雑誌の賞を受賞し、欧米での販売もスタート。’11年には予熱不要の液体燃料ストーブMUKAを発表。欧米の様々な賞に輝き「高い利便性に加えて音も静か」と話題をさらった。
国内に目を向けると、’08年に発売したレギュレーターストーブがひとつの転機となっている。
「日本の家庭でお馴染みのカセットボンベ(CB缶)を使った器具は通常、気温20~25度Cでの使用が前提で寒さに弱いんです。そこで、小型のレギュレーター(つねに適量の燃料を供給する機構)を付けることで弱点を解消しました。5度Cくらいでも安定した火力が保てます」
その後も続々とCB缶ストーブを発表しているのは「日本のキャンプをもっと身近なものにしたい」というテーマがあるから。近年は米国でもCB缶ストーブの人気が出ているという。さらなる発展に期待が高まる。
主要部品の製造から検査まで自社
SOTO製品は本社からすぐ近くの自社工場で作られている。工場の1階では部品製造、2階では組み立てや製品の検査。精密な製作過程を経て厳しい検査をパスして世界へ出荷する。

24時間オートメーションの機械もあるが、部品の裁断や溶接では人が手を動かす。

ガス漏れの検査中。水中に本体を沈めて漏れている箇所がないかを確認している。
撮影/岡野朋之
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不動の人気バーナー「レギュレーターストーブ ST-310」
SOTO(ソト) レギュレーターストーブ ST-310
新開発のマイクロレギュレーターを搭載し、連続使用によるドロップダウンの影響を受けにくいストーブ。生ガスの発生を抑え、外気温25℃~5℃の環境下でも常に一定の火力を発揮。外径130mmの大きめなゴトクで安定した使用感が実感できる。
●サイズ:幅166×奥行142×高さ110mm(本体)
●収納サイズ:幅140×奥行 70×高さ110mm(本体)
●重量:330g
●発熱量:2.9kW (2,500kcal/h)
バーナーヘッドは中央が高くなったドーム型で全体に火口が備わっている。やわらかい炎が立ち上がり、クッカー全体に届く設計だ。CB缶を燃料とし、自動点火装置も付いているので誰もが恐れず扱える。大型の4本脚兼ゴトクを備えていて、ソロはもちろん3~4人用のクッカーにも対応する。
大型の遮熱版を備え、安全性にも配慮。
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愛用者が「レギュレーターストーブ ST-310」の魅力をレビュー

キャンプ初心者が道具を揃えていく際、選び方が難しいギアの一つがバーナーなどの燃焼器具。SOTOのカセットガス式シングルバーナーは、本体の操作も簡単で使いやすく、燃料も扱いやすい人気の燃焼器具だ。
筆者が愛用している、不動の人気を誇る「レギュレーターストーブST-310」の使い方や魅力について、詳しく解説しよう。
火力が落ちにくい

ST-310は、マイクロレギュレーター機能(小型のガス圧力調整器)を搭載しているため、ドロップダウン現象を緩和して安定した火力を実現する。
ドロップダウン現象とは、外気温の低下によってガス缶内部のガスが気化できなくなり、火力が弱くなる現象のこと。朝晩の気温差が大きいキャンプでは、急に冷え込んだ場合に、バーナーによっては火力が弱まってしまうことがある。その点、ST-310はマイクロレギュレーター機能によりそのような事が少なく、安心して使うことができる。
また、マイクロレギュレーター機能が、連続使用によるガスボンベ内の圧力変化に対応。そのため、調理に必要な火力を長時間持続することができるのも魅力の一つだ。
軽量でコンパクト

本体が330gと軽量。さらに、コンパクトに折りたたむことができる。そのため携帯性にすぐれており、持ち運びにスペースを取らない。

CB缶を使用する
ST-310は家庭用ガス缶であるCB缶(カセットボンベ)を使用する。CB缶はコンビニやホームセンターで安価で手に入れることができるため、燃料費を抑えられる。また、燃料が切れた場合もすぐに入手することができるのも魅力だ。
操作方法
1.本体にガス缶を取り付ける

凹凸部分を合わせて押し込み、右に回す。

CB缶を取り付けた状態。
2.器具栓つまみを開く

「シュー」というガスの音が聞こえるまで、器具栓つまみを矢印の方向に回す。
3.点火スイッチを押す

点火スイッチ(赤丸部分)を押せば点火できる。
オプションアイテムも豊富

ST-310は火口部分に囲いがないため、風の影響を直接受けてしまうことがある。強火で使用している際には問題ないが、弱火のときに風が吹くと消えてしまうことも。
そんな場合は、ウインドスクリーンを使ってバーナー全体を囲うなどして、風を遮れば火を守れる。SOTOから発売されている専用のウインドスクリーンのほか、市販のものでも風を遮ることができる。

また、ST-310の点火スイッチは器具栓つまみの奥にあるため、点火時に本体が動かないように支える必要がある。別売りの点火アシストレバーを点火スイッチに装着すれば、片手で点火可能だ。
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火口が広くなった「レギュレーターストーブ Range ST-340」
SOTO(ソト) レギュレーターストーブ ST-340 Range
待望のレギュレーターストーブの後継機。火口が直径66mmに大型化し、火力もアップ! 直径110~190mmの調理器具と相性が良く、底面をムラなく加熱する。
●サイズ:幅166×奥行142×高さ110mm
●収納サイズ:幅140×奥行70×高さ110mm
●重量:360g(本体のみ)
●火力:3.3kW(2,800kcal/h)
中型調理器具に対応するレギュレーターストーブ。調理器具の底面を広範囲でカバーし、ムラなく均等に加熱できる。外気温25℃~5℃の環境下でも常に一定の火力を発揮してくれる。収納ポーチ付き。
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ST-310とST-340の違いをチェック
ST-310の兄弟分にあたるレギュレーターストーブ Range(レンジ) ST-340。CB缶を使用していることや五徳の形状などはほぼ変わらず、火口を大きく変更したのが大きい違いだ。

ST-310はコンパクトなヘッドに遮熱板をセットしたデザインだが、ST-340は遮熱板とほぼ同じくらいのヘッドが装着されており、現行と比べて拡大している。これがどのくらい違いがあるのか、メッシュプレートを温めて火に当たるところを見させてもらった。
ST-310は中央に熱が集中する一方で、ST-340は広範囲に熱が当たるようになっている。これにより、大きいクッカーやフライパンでも広い範囲を均一に温めることができるようになった。

ただし、小さいクッカーをT-340で使用すると炎が外へ漏れてしまい、想定外の場所も熱せられる可能性があるため、ST-340を使用する際はむしろ大きいサイズの調理道具で使用するのがいいそうだ。また、シェラカップを温めるのもST-340ではなくST-310で行なうといい。

また、ST-310を使用する際に難点とされていた点火スイッチのオプション(点火操作がしやすいレバー)が、ST-340では装着されている。愛用者にとっては嬉しいポイントだ。
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調理もしやすい分離型「レギュレーターストーブ FUSION ST-330」
SOTO(ソト) レギュレーターストーブ FUSION ST-330
ボンベとバーナーが別体の分離型。重心が低く4本のゴトクを採用しているので、グラつきがなく安定して使える。また、加熱するクッカーや鍋などから放射される輻射熱の影響がないため、大人数で使用するような大きめの鍋やクッカーものせることができる。
●サイズ:幅350×奥行き120×高さ90mm
●収納サイズ:幅150×奥行き75×高さ90mm
●重量:250g
●出力:2,200kcal/h
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アウトドアライターが「ST-330」をレビュー!

ストーブには一体型と分離型があるが、「レギュレーターストーブ FUSION ST-330」は分離型。重心が低く4本のゴトクを採用しているので、グラつきがなく安定して使うことができる。転倒防止にも役立つ仕様だ。また、輻射熱(※)の影響がないため、大人数で使用するような大きめの鍋やクッカーもOK。
※輻射熱とは、加熱するクッカーや鍋などから放射される熱のこと。一体型ストーブを使用する際に、大きめの鍋やクッカーを使用すると輻射熱でガス缶が温められ、ガス缶が爆発する危険がある。
風が吹く日も使える優れた耐風性能

バーナーヘッドの形状がすり鉢状になっており、さらに約300個の火口から火足の短い炎が、優れた耐風性能を実現している。キャンプやアウトドアシーンでストーブを使うときに、風が強くても使用できるのは心強い。
コンパクトに収納できるから持ち運びが楽ちん

一体型ストーブと比べると収納性はやや劣るが、それでも片手サイズで本体のみの重量は約250gほど。キャンプやアウトドアシーンに持ち運ぶのもコンパクトで楽ちんなのが魅力だ。
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「ST-310」「ST-330」の比較ポイントをチェック

はじめてのシングルバーナーといえば、真っ先におすすめしたいのがSOTO。中でもレギュレーターストーブ「ST-310」と「ST-330」は、キャンプ初心者から中上級者にまで、根強い人気がある。 どちらも満足度の高い仕様でありながら、良心的な価格の優秀バーナーだ。両アイテムの比較ポイントをチェックしよう。
重量
「ST-310」は330g、「ST-330」は250g(いずれも本体のみ)と、ST-330のほうが80g軽い。車で行くキャンプなら、気にするほどの差ではないだろう。登山など、荷物をザックで運搬する場合は、たった80gでも大きな違いになる。
サイズ

「ST-310」は幅166×奥行142×高さ110、「ST-330」は幅350×奥行120×高さ90(いずれも使用時・本体のみ)と、使用時の幅に違いがある。写真(上)のとおり、ST-310のほうがコンパクトに設置可能。逆に、収納サイズはST-330のほうが小さくまとまる。
使用時にどれくらい場所をとるのかは、大きなチェックポイント。いつもの装備を思い浮かべて、どこで使うのか、どこに収納するのかを考えてみよう。
なお、ST-310には収納袋がついているが、ST-330にはついていない。ST-330を収納する際には、別途、収納袋やケースを用意しよう。純正品の別売りポーチもある。
バーナーヘッド

ST-310に対し、ST-330のバーナーヘッドはすり鉢状をしており、炎口の数も多い。火足も短く、耐風性能に優れた構造となっているため、より風に強いのは、ST-330といえるだろう。
発熱量

ST-310とST-330は、どちらも「LPガス」のCB缶(SOTOパワーガスST-760、またはST-700)を燃料として使用する。経済的なCB缶を使うシングルバーナー、という点では同じだが、発熱量に少し違いがある。
「ST-310」の発熱量は2.9kW(2,500kcal/h)、「ST-330」の発熱量は2.6kW(2,200kcal/h)。実際の調理にどのくらい差があるのかといえば、私の体感ではほとんど分からない程度だ。
一体型or分離型

ST-310は、ゴトクとCB缶が一体型。ST-330は、ゴトク部分からCB缶が離れる分離型。ゴトク一体型はコンパクトにまとまるため、狭いテーブルでも使いやすい、というメリットがある。
しかし、バーナーと燃料が近い点には注意が必要。輻射熱(放射熱)を発生させる調理器具、たとえば鋳鉄製のダッチオーブンなどは、近くのCB缶を加熱してしまう可能性がある。爆発を引き起こす恐れもあるため、使用方法にはくれぐれも注意しよう。
目いっぱい調理をしたい方は、CB缶とゴトクの距離が遠い、分離型がおすすめだ。
▼参考記事
さらに軽量コンパクト化された「レギュレーターストーブ TriTrail ST-350」
SOTO(ソト) レギュレーター ストーブTriTrail
縁に立ち上がりのあるすり鉢状ヘッドを採用。風の影響を受けにくく、熱を効率良く鍋底に伝える円錐状の炎を発するのが特徴だ。ゴトクをチタン製にして4脚から3脚仕様にするなどの改良で、既存モデルより約195gも軽量化されている。

SOTO独自のレギュレーター機構を搭載したストーブとあわせて、頼もしい相棒が誕生した。それは、容器の耐圧強度を高めることで、アウトドア用ガス(OD缶)と同様に、プロパンの配合率を高めたカセットボンベ(CB缶)「CB TOUGH」だ。
高所や寒冷下でもキッチリ仕事してくれるストーブ&CB缶は、冬山でのティーブレイクや調理シーンで大いに歓迎されること間違いナシ。

新型のレギュレーターストーブとCB缶の組み合わせなら、雪を溶かしての湯沸かしも難なくこなせる。
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BE-PALスタッフが「ST-350」をレビュー!


従来モデルより約195g軽量化され、約42%コンパクトに。

OD缶と同等レベルのガス配合を実現したタフ缶も同時発売。「馴染みのあるCB缶仕様なのが初心者にはうれしい!」

4脚ゴトクをチタン製3脚に。ヘッド部は耐風性に優れたすり鉢状に変更。
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