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アウトドア用ガスバーナーの選び方
CB缶とOD缶の違いをチェック
キャンプ用の燃焼器具で、最もオーソドックスなのがガスバーナーだ。ガスバーナーは大きく分けると「CB缶用」と「OD缶用」の2種類がある。まずは「CB缶とOD缶の違い」「初心者が自分に合ったバーナーを選ぶポイント」についてわかりやすく解説。
CB缶のCBは「Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)」の略。家庭用のカセットコンロにも使われるガス缶で、キャンプ未経験者にもなじみのある形だと思う。
一方、OD缶のODは「OutDoor(アウトドア)」の略。名前のとおりアウトドア用に作られたガス缶で、屋外での使用に向いた性能を備えている。
2つのバーナーの違いについては以下のとおり。
CB缶 | OD缶 | |
耐寒性 | △ | ◯ |
ランニングコスト | ◯ | △ |
コンパクト性 | △ | ◯ |
燃料の入手し易さ | ◯ | △ |
結論から言うと、ほとんどの初心者キャンパーにはCB缶がおすすめ。ただし氷点下の環境で使用する場合は、OD缶が必須になる。そのため以下のような場合は、OD缶用バーナーの方が向いている。
- 氷点下キャンプでの使用
- 高山や冬山の登山時の使用
- ランニングコストよりとにかくコンパクト性を重要視する場合
コンパクト性は優れているに越した事はない。だが、バックパック1つの徒歩キャンプや登山用途で限界まで荷物をコンパクトにしたい人以外は問題にならない差だ。ランニングコストの安さは、キャンプに行く頻度が高い程メリットが大きくなる。
耐寒性で選択肢を絞れない人は、このコンパクト性とランニングコストを秤にかけて決めるのがおすすめだ。
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形状は主に3種類
バーナーとひとくちにいっても、細かな違いも見ていくと実に様々なタイプがある。その中でも代表的なのは次の3種類だ。
ガス直結タイプ

山のバーナーといえばこれ。
どのタイプよりも優れているのが、コンパクトさと軽さ。山登りなどで使用するとなるとこのタイプの人が多い。クッカー(鍋セット)の中にもガス、バーナー両方収まってしまうので運ぶ時にも楽なのがいい。
ただ、ガス、バーナー、鍋すべてが上に積み重なる状態になるので、バランス的に倒れやすい難点がある。
ガス分離・横づけタイプ

本体とガスを繋ぐチュー部分の重さは増えるが、これにも利点がある。
このタイプの特徴は、ガスとバーナー部分が分離しているまたはバーナーの横にガスを装着するのでバーナー部分がガス直結タイプと比べて低く安定していること。そうすることで、ちょっと大きめな鍋を置いたりしても安定感があるためガンガン色々な料理をしようといった用途には強いのがいい。
その代わり、バーナー部分が大きめだったりするので収納サイズは大きく、そして重くなる。

直結型と分離型だとクッカーを置いた際にこれだけ高さに差が出る。
鍋合体タイプ

日本では種類が少ないが、海外では様々な種類が出ている。
日本では少ないが、鍋とバーナーを合体させて使うタイプがある。この特徴は、ガス消費量を抑えかつお湯が沸くのが早いという利点がある。また、場合によっては木にぶら下げて使用することも可能なのが素晴らしい。
ただ、合体させる鍋ひとつのみで持ち運ぶことが多いため、綺麗に洗えない環境下で付属の鍋で料理をすると鍋を交換できる「直結タイプ」「分離タイプ」と違い、ただお湯を沸かしたいのに前に調理したものの臭いや色が付いてしまう。基本はお湯を沸かすのがメインで時々料理という人には最適だ。
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2025年にヒットするアウトドアバーナーを大予測!
人気アウトドアショップにお願いしたアンケートをもとに、編集部で「これは売れる!」と思ったバーナーをセレクト。アウトドアショップの店員さんの声も紹介。
PRIMUS(プリムス) P-157 インテグストーブ
ベストセラーモデルP-153を改良したバーナー。燃費改善され、お湯を沸かすスピードも速い。
「レギュレーター付きシングルバーナーが満を持して登場。炎を内向きにしたことで、熱効率も向上」(秀岳荘白石店 前花浩司さん)
Snow Peak(スノーピーク) ギガパワーストーブ レクタ
H型のバーナーヘッドで、広範囲に熱を伝える。専用の鋳鉄製グリドル(別売)と組み合わせれば極上ステーキが焼ける!
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) トレッカーカセットガス バーナーコンロ
開閉式の4本ゴトクが装備され、閉じればシェラカップ 、開けばソロクッカーまで安定して乗せられる。燃料はCB缶で調達も楽。
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2024年に売れたガスバーナーはこれ!アウトドアソロ活にも最適
話題の新作や堅調な定番モデルなど、低山ハイクやソロキャンプを意識したコンパクトなものがズラリ。持ち運びやすいシングルバーナーが人気だ。
SOTO(ソト) レギュレーター ストーブTriTrail・CB TOUGH 125セット
コスパがいいけれど登山には不向きと言われてきたCB缶を燃料とする軽量ストーブと、OD缶同等のパフォーマンスを発揮する「CB TOUGH」の125g入りが1本付属する数量限定のお得なセット。
●使用サイズ:13.8×15.6×H11.1cm(本体のみ)
ストーブは高さを抑えたデザインでクッカーを載せたときの安定感はさすが。ゴトクをチタンとすることで重量は135gに抑えられている。すり鉢状のヘッドで風にも強い。

遮熱板のデザインも一新し、コンパクト収納を実現。
Snow Peak(スノーピーク) フラットバーナー
大きなゴトクをもつ分離型バーナーは、安定感が高くやけどの不安なく火力調節できる人気者。バーナーヘッドが露出せず、耐風にすぐれているのも特徴だ。
●収納サイズ:27×41×H11cm(ホース、器具栓を除く)
●重量:1.9kg(収納ケースを除く)
単独でテーブルに載せて使うほか、スノーピークの1ユニットサイズで「アイアングリルテーブル」にはめてもOK。その場合、ガス缶をレールに取り付けられるのはさすが。

対応するクッカーは直径23cmまで。
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SOTO(ソト) レギュレーターストーブ ST-310
マイクロレギュレーターを搭載し、低温時や連続使用しても火力低下しにくいシングルバーナー。大型の4本脚兼ゴトクを備えていてソロはもちろん3〜4人用のクッカーにも対応する。
●使用サイズ:16.6×14.2×H11cm(本体のみ)
●重量:330g
バーナーヘッドは中央が高くなったドーム型で全体に火口が備わっている。やわらかい炎が立ち上がり、クッカー全体に届く設計だ。CB缶を燃料とし、自動点火装置も付いているので誰もが恐れず扱える。

大型の遮熱板を備え、安全性にも配慮。
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Iwatani(イワタニ) カセットフー”タフまるJr.”
燃焼に必要な空気は通しても風は通さない”ダブル風防ユニット”を搭載した小さなタフまる。コンパクトでも耐荷重は余裕の10kgで、8インチまでのダッチオーブンで調理を楽しめる。
●使用サイズ:28.6×19.3×H12.2cm
●重量:約1.6kg
●発熱量:2.3kW
圧力感知安全装置などを搭載しておりアウトドアだけでなく自宅ダイニングでも使えるのも人気の理由。対応する鍋は鍋底直径11cm以上、鍋上部直径20cmまで。
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BE-PAL編集部がリアルに使ってわかったおすすめガスバーナー3選
SOTO(ソト) レギュレーター2バーナー GRID ST-528
低温時や連続使用時に火力の低下を防ぐマイクロレギュレーターを搭載した、ツーバーナーの後継機が登場。火口径が大きくなり火力がUP。広範囲かつ均等に加熱ができるようになり、より機能的に。炊飯時も満遍なく鍋に火が回る!
●サイズ:幅473×奥行き252×高さ145mm
●重量:2240g
●発熱量:2,800kcal/h
より広範囲に加熱ができるように
ST-526より火口径が45mmから66mmに広がり、さらに家のガス台の形状に近づき、実用度も抜群。火力も300kcal/hもUP!
火口に近い側のゴトクがカットされたことで火口周りの掃除も楽々。風防は背面に折りたため、収納時は約15cmの厚さというスマートさも◎。
「ロングセラーモデルが多いツーバーナーのなかでも、燃料の扱いやすさやパワー、スマートな見た目などから、SOTOのレギュレーター2バーナーGRIDが一線を画していました。しかも後継機は、火口を見直して火の当たる範囲を広げ、手入れのしやすさも加わるなど、まさに最強ツーバーナーの誕生です!」(編集部・オガワ)
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SOTO(ソト) レギュレーターストーブ ST-340Range
同社の名品レギュレーターストーブST-310に、大型ヘッドを搭載した兄弟機が登場。ツーバーナー同様の火口径で直径11~19cmのクッカーと相性抜群。
●サイズ:幅166×奥行142×高さ110mm
●収納サイズ:幅140×奥行70×高さ110mm
●重量:360g(本体のみ)
ヘッドを改良!
点火アシストレバーが追加され、押し下げる構造になったので着火動作が楽。
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PRIMUS(プリムス) P-116 フェムストーブⅡ
燃料調節つまみがステンレスワイヤー製に変更。クッカーの下に手を入れて火力調整する必要がなくなって使いやすくなった。旧機より7g重くなったものの収納性の良さは◎!
●収納サイズ:幅54×奥行き27×高さ74mm
●重量:64g
●発熱量:2,100kcal/h
羽の生えたシングルバーナー
点火装置を兼ねたプラスチックのつまみが、ワイヤー製に。点火スイッチは単独で操作する一般的なタイプに。
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アウトドアライターがレビュー!個性派ガスバーナー4選
キャンプやアウトドアで料理をするなら、なくてはならないバーナー。持ち運びしやすいもの、煮込み料理も得意なもの、とにかく軽量なものなど、個性あふれるギアが揃っているのも楽しい。自分のアウトドアスタイルに合わせて、ぴったりのギアを選べる。
実際に使ってみたアウトドアライターによるレビューを紹介しよう。
JETBOIL(ジェットボイル) スタッシュ
吸熱フィンを使った高効率ストーブで200gと軽い。バーナーとポット(鍋)が非一体式だからハンドリングが楽なのだ。フライパンや手持ちの鍋がそのまま使えるのも嬉しい。
●収納時サイズ:直径13×11.2cm
●重量:約200g
●出力:1,134kcal/h
このアルミ製のフラックスリングがバーナーの熱を余すところなく吸収する。
小型の150g缶ならオールインワン収納が可能。
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MSR(エムエスアール) ウィンドバーナー パーソナルストーブシステム
バーナーの炎が露出せず、外部環境の影響をまったく受けない。じっさいにブロアで吹いてテストしたことがあるが、無風時と沸騰タイムは変わらない。ガチの冒険仕様なのだ。
●サイズ:11.5×10.7×18.1cm
●重さ:465g
●出力:1,765kcal/h
150g缶使用時にはオールインワン収納ができる。本体下部には樹脂製カップも付く。
鍋底のフィンが吸熱する。
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SOTO(ソト) マイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek SOD-331
分離型ならではの低重心と安定性、すり鉢ヘッドの耐風性があり、低温でも安定燃焼してくれる。電圧点火装置は備えていない。
●サイズ:430×140×100mm(使用時・本体のみ)
●重さ:182g
●出力:3,000kcal/h
ゴトクは三脚を兼ねている。
すり鉢型バーナーは横風に強く、厳しい環境下でも活躍。
重心が低いので大鍋も安心して乗せられる。
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PRIMUS(プリムス) クラシックトレイルストーブ P-2243AW
プリムスの「2243」といえば長い歴史を持つ定番モデル。そのハンドルが大型化され、より安全に操作できるようになった。これは嬉しい。ゴトクのデザインもちょっと変わった。
●サイズ:10.7×10.7×8cm
●重さ:250g
●出力:3,300kcal/h
先代モデルはツマミが小さく炎の下に手を入れるのがちょっと怖かったが、大幅に改良された。
大きな火口と頑丈なゴトク。
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全国アウトドアショップの店員さんおすすめ!人気ガスバーナー2選
PRIMUS(プリムス) トゥピケ
薄型設計でスタイリッシュなフォルム。燃料ホースを介したひとつのガスカートリッジでふたつの火口を使え、燃料を無駄なく使える。スタンドはロック機能付き。五徳と受け皿を取りはずし可能。
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風にも寒さにも負けないミニマムモデル。レギュレーターとすり鉢型のバーナーヘッドによる防風性で、強風時にも火力が安定。使用時のガス出力音が静かなのも高評価。別売りで4本脚五徳もある。SOTO(ソト) マイクロレギュレーターストーブウインドマスター SOD-310
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