
これまでの観測の歴史や過去の技術を紹介する企画展となっています。天気、火山、地震、宇宙、海洋、etc…。そんなワードが気になる方におすすめの展示の様子を一部、ご紹介します!
気象観測の歴史を知る

日本において気象観測がはじまったのはいま(2025年)からちょうど150年前の1875年のこと。東京気象台(現在の気象庁)ではこの150年の間に、さまざまな自然現象が色々な方法で観測され、地球表面や大気、地球内部のことが少しずつ明らかになってきました。

今回ご紹介する「地球を測る」は、そんな観測の歴史や過去から連綿と受け継がれてきた技術を紹介する企画展。自然や地球のことに少しでも興味がある方なら、きっと誰もが大きな学びを得られる内容になっていました。
第一章は「自然現象を測る」
ここでは、明治時代になり日本の近代化が進むなか、地球で起こる自然現象をどのように計測しはじめたのかについて紹介。さまざまな測量機器や当時の記録が展示されています。

そのなかのひとつのこちらは、1876年頃から1961年まで実際に使用された「ロビンソン風速計」。数字が付いた歯車が本体下部に5個あり、それぞれの歯車は右隣の歯車が10回転すると1回転するように設計。一番右の歯車が一回転すると、空気が100mの距離を流れたことが分かるようになっているそうです。
第二章は「大気と海を測る」

昔の人たちは、湿度をどのように測っていたのでしょう。それが分かるのがこちらの「毛髪湿度計」。その名の通り、人間の髪の毛が湿度によって伸び縮みする性質を利用して湿度を測る計測器。

昔の人なりの知恵や工夫がおもしろい! おそらく、癖っ毛の人の毛髪が採用されたのでしょうね。

日本で最初の天気予報が発表されたのは1884年(明治17年)の6月1日でした。この写真は、その日の天気図の記録。観候所22地点の天気、風、気圧と等圧線が記入され、天気と気圧が示されています。
そして右ページは、各地の気圧、風、雨量、気温、天気の一覧と概況。昔の人は字がとても綺麗。まるで活字のような筆致は、見習わないとですね……。
第三章は、「地球内部を測る」

地球をとりまく宇宙空間には、巨大な地磁気の場があります。地磁気は地球内部の磁場と太陽風の変動に応じて常に変化するもの。地球の長い歴史のなかでは、N極とS極が何度も反転してきたそう。

つまり地磁気を観測することは地球内部の変動を観測することにもつながるため、昔から観測がおこなわれてきました。こちらは1925年〜1951年まで使用された「エッシェンハーゲン・シュミット型変化計」。水晶などでできた細い糸を用いて、地磁気の微妙な反応を計測していました。
第四章は、「宇宙や空から地球を測る」
そして最後となる第四章は「宇宙や空から地球を測る」。

気象衛星「ひまわり」やレーダー衛星「だいち4号」の模型を展示するとともに、宇宙から地球を測ることで分かってきたことを紹介しています。

会場内には、こどもから大人まで楽しめるクイズのパネルも。開催期間は2025年6月15日とまだまだ余裕はあるので、ぜひ足を運んでみては? キャンプや登山で自然を訪れる際、景色の見え方が少し変わるかもしれませんよ!
「地球を測る」の公式HPはこちら