
本記事では、アウトドアや日常で起こりやすいファスナーの滑りが悪くなる原因と、ロウソクや鉛筆で簡単にできる応急処置を紹介します。お気に入りのギアを長く使いたい方はぜひ御一読ください!
CONTENTS
ファスナーが滑りが悪くなる理由は?

ファスナーの滑りが悪くなる主な原因は、汚れが溜まり、レール部分(ギザギザの部分)が滑りにくくなるためです。とくにアウトドアでの使用中は汚れやすく、ほこり・砂・皮脂・泥などが入り込み、動きを妨げてしまいます。
購入当初には滑らかに動いていても、長年の使用や洗濯・雨風の影響で、その潤滑効果が失われると引っかかりやすくなります。
また、金属部分が変形したり、生地が傷んでしまったりした場合も、滑りにくさの原因となるため、違和感を感じたら早めのメンテナンスをしましょう。
ファスナーの滑りをよくする方法【パラフィンを使った方法】
ファスナーが引っかかるようになった場合、最も効果的な対処法がパラフィンを使う方法です。パラフィンをファスナーの金属や樹脂に塗ることで摩擦が減り、滑りが格段に改善されます。
パラフィンによるケアによって、特にテントやバックパックなどアウトドア用品では、湿気や砂で滑りが悪くなることを防ぐことができます。専用のファスナー用ワックスが手元にない場合でも、身近なロウソクでパラフィンの代用可能なので、家庭でも手軽に実践できる点もメリットです。
ファスナーの滑りをよくする方法【パラフィンがない場合】
また、パラフィンが手元にない場合でも、代用できるアイテムがいくつかあります。鉛筆の芯に含まれる黒鉛(グラファイト)、石けん、リップクリームなどです。
これらはすべて潤滑作用があるため、ファスナーの歯に塗り込めば摩擦を軽減できます。
専用のワックスなどと比べると、耐久性や効果の持続時間には差がありますが、緊急時や外出先での応急処置として便利です。使う際は必ず少量で試し、変色やベタつきが出ないか確認をしましょう。
ロウソクを使った方法

使用するのは無香料で色移りしにくい白いロウソクが最適です。理由は、白いロウソクは、パラフィンを原料として使われることが多いため。ファスナーの金属や樹脂のすき間に入り込んで潤滑効果を発揮してくれます。
準備するもの

- 無香料の白いロウソク
- 柔らかい布
- 綿棒や歯ブラシ
手順①ファスナーの汚れを落とす

まずは、ファスナーについた汚れを取り除きます。ホコリや砂が付いたままロウを塗ると、かえって滑りが悪化したり、ファスナーの摩耗や破損につながる恐れがあるからです。
歯ブラシや乾いた布で、ファスナーの溝や歯の間にたまったゴミを丁寧に掃除しましょう。汚れがひどい場合は、水につけて固く絞った布で、一度拭いてから完全に乾かすと効果的です。
手順②ロウソクを塗る

ファスナーの歯の部分に、ロウソクをやさしくこすりつけましょう。力を入れすぎるとロウがダマになってしまうため、軽い力で全体に均一に塗るのがポイントです。
とくにスライダーが通る中央部分は、動きに直結するため丁寧に塗りましょう。金属製・樹脂製どちらのファスナーにも使えますが、生地にロウが付かないよう注意が必要です。
手順③スライダーを動かす

最後に、ファスナーのスライダーを数回往復させて、ロウが歯の隙間になじむようにします。
滑りが明らかに改善されるまで動かしましょう。その後、余分なロウが表面に残っていれば、柔らかい布で軽く拭き取りましょう。
これでも滑りが復活しない場合は、同じ作業を繰り返すと効果が高まります。
鉛筆を使った方法

鉛筆の芯に含まれる黒鉛(グラファイト)は潤滑剤として使用できます。Bや2Bなど濃い目の鉛筆のほうが柔らかく、削りやすいので作業がはかどります。黒鉛がファスナーの金属歯に入り込んで摩擦を減らすことで動きがスムーズになります。
ただし、ワックスやパラフィンを使用するよりも、根気のいる作業になるためご注意ください。キャンプ場などでロウソクが手に入らない時などにお試しください。
準備するもの
- Bや2Bなどの濃い目の鉛筆
- 柔らかい布
- 綿棒や歯ブラシ
手順①ファスナーの状態を確認する
まずは、ファスナー全体をチェックし、ゴミや砂が詰まっていないか、歯がゆがんでいないかを確認しましょう。汚れが目立つ場合は、乾いた柔らかい布や葉ブラシで掃除しておくと、後の作業がスムーズです。
鉛筆の黒鉛を塗り込むためには、表面に油分や湿気があるとうまく塗り込めません。ファスナーの表面をしっかりと乾燥させてから行いましょう。
手順②鉛筆の芯をこすりつける

次に、鉛筆の芯をファスナーの歯にそって何度かこすりつけていきます。片側ずつ丁寧に行うと、黒鉛が溝にしっかり入り込みやすくなります。
軽い力で繰り返しなぞるように塗りつけて、全体に黒鉛が行き渡るようにしましょう。その際に、布地部分に黒鉛が付かないよう注意しましょう。
手順③スライダーを動かす
最後に、ファスナーのスライダーを何度か開け閉めして、黒鉛をなじませましょう。黒鉛が摩擦部分に広がり、滑りが改善されるはずです。滑りがスムーズになったら、余分黒鉛の粉を柔らかい布で軽く拭き取って仕上げましょう。
布を噛んだ場合はドライヤーで対策可能
ファスナーを使用していて、布が噛んでファスナーが動かなくなってしまった経験はありませんか?
このような状態になってしまった場合、無理に引っ張ると布が破れたり、ファスナーが壊れたりする原因になります。
そこで役立つのがドライヤーです。ファスナー部分に温風を当てて素材をやわらかくすれば、布をスムーズに引き抜けることがあります。特にテントやボリュームのある寝袋など、厚手の布が噛んでいる時に効果的な方法です。
ファスナーの滑りが悪い時の注意点
先述したように、滑りの悪さに気づいた時に、無理に力を入れて引っ張るのは厳禁です。ファスナーの歯がずれたり、スライダーが破損したりするリスクが高まるので、慌てず潤滑剤を塗って対処しましょう。
また、出先で代用として石けんやリップクリームを使うと、ベタつきやホコリの付着、変色などのトラブルを招く可能性があります。
自宅に帰ったら硬く絞った雑巾などで拭き取り、専用のワックスやパラフィンなどを使って再度処置しましょう。
ファスナーの滑りをよくしてストレス回避!

ファスナーの引っかかりは、ストレスになりがちなトラブルですが、パラフィンや石けんなどの身近なもので簡単に対処できます。
重要なのは、早めに違和感に気づき、正しい方法でケアすること。無理に引っ張らず、今回紹介した方法で丁寧に滑りを改善して、お手持ちのギアを長く愛用してください。