
今回は「近くで撮る」「高所から撮る」「低所から撮る」「ボケで撮る」をテーマに、アウトドアで楽しめる撮影方法をご紹介します。
アウトドアで素敵な風景写真を撮りたい!

アウトドアでの撮影は、街や屋内の撮影とは異なる被写体や要素がたくさんあります。
苦労して歩いた末に見られる絶景、自然の中でしか見られない花、突然姿を現す野生動物、非日常の中で出会う人々など、アウトドアでシャッターチャンスがたくさんあります。
そして刻々と変化する光、予測不能な被写体の動き、季節や天候で変わる姿などさまざまな要素が重なり、同じ写真を撮ることができない貴重な一瞬を収めることができるのも、アウトドアでの撮影の魅力です。
ここでは、少し工夫するだけで写真が変わる、アウトドアでの上手な撮り方をご紹介していきます。
アウトドアでの上手な撮り方
近くで撮る

アウトドアでよく撮影するのは、なんといっても風景写真。見たことのない広大なフィールドを収めるのは、アウトドアならではの醍醐味です。
撮影した写真をよく見てみると気になる被写体があったり、撮影した場所の足元には小さく可憐な花が咲いていたりします。
そんな時には思い切って被写体に近づいてみましょう。
例えば、足元に咲く小さな花にレンズを向けてみてください。高価なカメラで使うマクロレンズでなくても、ぐっと近づいて背景に余計なものが入らないようにするだけで、繊細で美しい花々や被写体の魅力を際立たせることができます。
被写体が持つ質感、ディテール、近づくからこそ見える新しい発見があり、撮影したデータを見て驚くこともよくあります。
また、近くで撮ることで、風景写真のように様々な被写体が見れる面白さとは対照的に、背景をシンプルにして被写体に集中することで存在感が増し、写真の主張や狙いがより分かりやすくなる効果もあります。
高い位置から撮る

普段見慣れた景色も、視点を変えるだけで全く違った表情を見せてくれます。
例えば、スマホやカメラを目線より高い位置に上げて撮るだけでも、普段とは違う世界観を撮影してくれます。
また近くに岩や段差など、少し高さがつくところから撮ってみるのもおすすめです。
筆者はよく山に登りますが、低い位置では見えなかった風景が映り込み、被写体がより味わい深くなることがあります。
山小屋を撮影するときも、目の前ではなく高いところから撮ると、山という大きな存在に佇む山小屋という写真になります。
高い位置からの撮影は、普段とは異なる視点を提供し、よりドラマチックで情報量の多い写真を生み出すことができます。
低い位置で撮る

高い位置から見下ろすのとは対照的に、地面に近い低い位置から撮影することで、また違った魅力を引き出すことができます。
非日常のフィールドを歩いていても気づかず通り過ぎてしまう足元。秋の紅葉や春のサクラが散った時に地面を撮影すると、フカフカの絨毯を広げたような世界が広がります。
こうした地面に落ちた木の葉や水たまりを前景に入れることで、奥行き感とストーリー性を加えることもできます。
また、動物を低い位置から撮影すると、動物たちと同じ世界にいるかのような写真を撮ることができます。地面を這う昆虫、草むらに佇む小動物などをローアングルで捉えることで、普段見過ごしてしまいがちな生物たちの息遣いを感じられるような写真になります。
低い位置からの撮影は、被写体をより大きく、そして印象的に見せることができ、新鮮な驚きを与えてくれます。
ボケで撮る

背景をボヤけさせるテクニックは、被写体を際立たせ、写真に奥行きと立体感を加えるために役立ちます。
高価なカメラでなくても、今はスマートフォンで十分ボケのある写真を撮ることができ、雰囲気のある写真が気軽に撮影できるようになりました。
細かな設定が可能なミラーレスなどのカメラであれば、絞りを開放する(F値を下げる)などの設定を行なうことでボケを作り出すことができ、スマートフォンでもポートレートモードなどで絞りを設定することができます。
フィールドで見かけた動物を強調したいとき、キャンプ道具を際立たせたいとき、幻想的な写真を撮影したいときなど、上手くボケを利用することで理想的な1枚を撮ることができます。
風景写真においても、手前の草花や山頂標識にピントを合わせ、奥の景色をぼかすことで、奥行き感を演出し、物語性のある写真にすることができます。
ボケを効果的に利用することで、写真に意図的な焦点を作り出し、より豊かな表現が可能になります。
フィールドで充実した撮影を

いかがでしたか。キャンプや登山などでは、日常で出会うことのない動植物から絶景を見ることができます。
貴重な一瞬をカメラに収めるとき、何気なく撮るだけでも楽しいですが、今回ご紹介した要素を少し意識してもらうだけで、これまでとは違う素敵な写真を撮影することができます。
ぜひ様々な撮影を試して、フィールドでの撮影を充実したものにしてくださいね。