ビーパル12月号にご登場いただいた軽井沢の超人気精肉店「ファインコストメッツゲライカタヤマ」の店主・片山 勉さん。前回は、牛肉の焼き方を教えていただきました。今回は誌面でご紹介しきれなかった豚肉と鶏肉の旨い焼き方を大公開します!
豚と鶏は焼く前に下味! 黄金比率1:1:1
片山さんが「こんなのもおいしいよ」と教えてくれたのが、豚肉と鶏肉の食べ方。ドイツに留学し、ハムやソーセージ作りを学んできた片山さんは、自身の精肉店で製造、販売しているハム、ソーセージの最大の特徴は塩が少ないこととか。
「通常の3分の1くらいまで塩は減らしています。肉の重量に対して、1%の塩分が一番おいしく感じるんですよ。豚肉、鶏肉は焼く前日に下味をつけておくと味が染み渡っていいですね」
と、まずは時間がたってもおいいしいという鶏モモ肉の下味から。
鶏モモ肉に対して1%の塩(肉300gに対して塩3g)を全体にふり、刻んだニンニク、ローズ、タイムなどのハーブを肉の中央に置いてくるくると巻きいてからたこ糸でしばり、さらにラップで包んでおきます。
「ラップで包むことで、塩がよくなじみます」
豚肉のおすすめ部位は、ロース。
「キメが細かく、肉質もやわらかい。脂身にも旨みがぎゅっとつまっています」
2cm厚さにカットした豚ロースに、鶏モモ肉同様1%の塩とこしょう、カルダモン、ジュニパーベリー、コリアンダーシードなど好みのスパイスをふります。
「塩、こしょう、スパイスの割合は1:1:1が目安です」
こんなふうに味を付けてラップしておこう!
旨さを引き出す!ウッドチップでスモーク
つづいて、今回の調理法はスモーク。好みのスモーク用ウッドチップを用意します。
「いきなり燃え尽きてしまわないよう、手に少しつくくらいウッドチップを濡らすのがポイントです」
水を少しずつ加え・・・
手で混ぜ混ぜ・・・
手のひらにこの程度、チップが貼りつくくらいの湿り気が目安。そして、湿ったウッドチップをおきになった焚き火に、一握りか二握り放り込み燻煙を出します。
肉をおいてフタをして、しばらく様子見。
豚と鶏はしっかりウェルダンに
数分したらフタを開けて見てみよう。周囲が飴色に変化したら、指で焼き加減を確認。豚肉や鶏肉は食中毒対策のためしっかり火を通すこと。肉の焼き加減の目安は、前回同様に素手で確かめます!
ぐっと押してみたときの感覚、やけど注意。手は良く洗ってね!
「親指と人差し指でオッケーサインを作ったときの親指の腹のやわらかさが、ちょうどレアの焼き加減と同じ。親指と中指をくっつけたときがミディアムレア、親指と薬指がミディアム、親指と小指がウェルダン。豚肉、鶏肉はウェルダンになるまで焼きましょう」
丸めてたこ糸でしばっていた鶏モモ肉はなかなか火が通らないため、周囲を焼いたら糸を外して写真のように裏表しっかりと焼きましょう。
試しにカットしてみると、断面は赤々としています。まだまだレアな状態、もっとしっかり焼きます。
中までしっかり火が通り、焼き上がったら、豚肉、鶏肉ともに薄くスライスしてそのまま何もつけずにいただきます!すでに塩、こしょう、スパイス、ハーブが肉の旨さを引き立たせているのだから、そのままで。
家庭のキッチンでも換気扇をマックスにまわしながらスモークにトライしてみまよう!今宵はこれで乾杯だ。
構成/柳澤智子 撮影/花田龍之介 撮影協力/ライジングフィールド軽井沢