【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.23】ブラジルのウミリトゥバ村で教わった「アマゾン流の魚釣り」 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.01.22

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.23】ブラジルのウミリトゥバ村で教わった「アマゾン流の魚釣り」

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.23】ブラジルのウミリトゥバ村で教わった「アマゾン流の魚釣り」
開高健の名著『オーパ!』を読んで、アマゾン川で釣りをしてみようと思い立った私。ピラニア釣り出かけたところ、川で迷子になってしまいました。でも、ピンチはチャンス。

「うちの村に来れば、ピラニア以外の魚も釣れるよ」と豪語する水先案内に出会い、その村まで案内してもらえることに。舞台はブラジルのウミリトゥバ村。果たしてどんなお魚に出会えるのでしょうか。
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いろいろな魚が釣れるというウミリトゥバ村へ

大きな葉っぱが浮かぶ川

ウミリトゥバへ向かう途中、お化けみたいに大きな葉っぱが浮かぶ川。

ピラニアしか釣れないと嘆く私に、幸運の出会いが訪れたのがvol.22のお話し。地元のお兄さんが魚が釣れるというウミリトゥバ村まで、案内をしてくれることに。ペケペケ号の運転までしてくれたお兄さんは、細い水路をスイスイ進んでいきました。

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.22】ピラニア釣りに挑戦するも、釣り場を移動するうちにアマゾン川で迷子に…

細く入り組んだ川

細く入り組んだ川を進む。

えっ、こんな細いところも進むの?川は乾季に入って水位が下がり、草で阻まれ迷路みたい。地元の人にしかわからない水路です。

緑が茂ったウミリトゥバ村

緑が茂ったウミリトゥバ村。

そうして到着したのが、マナウスという都市の対岸から内陸へ10kmほど入ったところにあるウミリトゥバ村です。

アマゾン川ウミリトゥバ式の魚釣り

釣りへ向かうお兄さん

お兄さんと釣りへ向かいます。

「では釣りに出かけましょう」と道なき道をズンズン進むお兄さんの手にはマチェーテ。足元はビーチサンダル。

素肌丸出しでも、現地の人だから蚊に刺されないのかな。と思いきや、刺されていました。プーンと飛んできたら、ペチッと潰す。手のひらじゃなくて、マチェーテ(山刀)で潰す。道を阻む枝やツタなどを切るためだけでなく、蚊を潰すのにもマチェーテが使えるなんて。

小さな川の真ん中にある炊事場

小さな川の真ん中に炊事場がありました。

釣りに使うカヌーは親戚の人のものらしく、お借りする前に一声かけに行くと、川の真ん中に作った二畳ほどの台座の上に座っているご夫婦がいました。ここは魚を捌いたり、汚れ仕事をするための場所だそう。

釣りに使うカヌー

今回の釣りに使うカヌー。

これが今回の釣りに使うカヌー。最大二人乗りの小さな手漕ぎのカヌーです。座る高さが水面より高い位置にあって、乗ってみるとややスリリングな不安定さ。

釣り場に続く細い川

釣り場へ向かう途中の様子。

釣り場まで、カヌーで草をかき分けるように進みます。私たちが出かける前に、大きなハサミをのような道具を持った人がカヌーで進んでいるのを見たから、通れるように手入れをしている人がいるみたいです。

水面から生えている巨木

水面から生えている巨木。

熱帯雨林のアマゾンには、水面から壁みたいな巨木がいっぱい生えていました。

釣りをする木陰

釣りをするのは、涼しい木陰。

涼しい木陰に入って竿を垂らします。エサは朝食で残ったパン。パンを川にチョンと浸して水を吸わせたら粘土みたいにこねて、それを小さくして釣り針の先に引っかけます。水面を観察すると、たまにチャポチャポ跳ねる場所があります。そこを狙って糸を垂らします。魚がいるところに糸を垂らせば、魚が釣れる。特別な工夫はないみたいです。

釣れた小魚

小魚がたくさん釣れました。

たしかに、水面に波紋が上がる方へ糸を垂らしたら小魚が入れ食い状態。不思議なもので、ピラニアが釣れた場所ではピラニアしか釣れなかったけれど、この小魚が釣れる場所では同じ小魚しか釣れませんでした。きっと、魚の種類ごとに縄張りのようなものがあるのでしょう。

ところで、小魚ばかり釣ってもお腹の足しにならないのでは?

はい、その通り。お腹が膨れない小魚ばかり釣れるから、アマゾンの村の大人はほとんど釣りをしません。魚釣りは基本的に、子供の遊びのようなものらしいのです。

カヌーに乗った漁師さん

小さなカヌーに乗った漁師のおじさん。

釣りの帰りにすれ違ったおじさんは、食べるための魚を獲る漁師さん。彼は魚は釣らず、網で捕獲するのです。今回の釣りに誘ってくれたお兄さんも、家族で食べるための魚を獲るために網を張ってあるそうで、成果を確認しに行ってみることに。

網漁の成果

網で獲った魚

網からどんどん魚が出てきました。

網はそれほど大きくありませんが、家族で食べる分が獲れれば十分。大漁になってしまったときだけ、市場に売りに行くそうです。

網で獲れた魚

この魚は、あまり特徴がないようにみえますが、実は口がすごいんです。

私は魚の種類に詳しくないので、今回は正式名称ではなく、現地の方から聞いたままの名前を紹介します。この魚は「クリマタ」と呼ぶそうで、これといった特徴のない魚に思えますが、正面から見ると強烈な顔をしていました。

魚の口がまるでエイリアン

魚の口がまるでエイリアン。

見よ、この口。まるでエイリアン。歯とかビジュアルも強烈だけど、触ってみると唇がプルプルで癖になる感触。食べたらきっとコラーゲンたっぷり。

別の魚

尻尾にある目玉みたいな模様が可愛い。

これは「カラジーニョ」。体の縞模様と尻尾についた目玉みたいな模様が特徴的。ヒレが鋭いので、触るときは注意するべし。

ジャラキという魚。

熱帯魚みたいな魚。

大きなウロコがキラキラ美しいのは「ジャラキ」。なんだか熱帯魚みたい。

エンジェルフィッシュみたいな魚

エンジェルフィッシュ?

熱帯魚みたい、というかアマゾンに住んでいる魚はどれも熱帯魚なんだよなあ。ちなみにエンジェルフィッシュは体が薄くて食べ応えがなさすぎるので、リリースするか、猫の餌にするのだそう。魚の価値は見た目ではなく、美味しく食べられるかどうかにあるのです。

網で獲ったたくさんの魚

網漁の成果。

ほどほどに大漁なり!

いざ実食することに

魚を捌くお母さん

魚を捌くお母さん。

お兄さんの家に帰ると、早速、お母さんが魚を捌いてくれました。台所は家の中にあるけれど、魚を捌くのは屋外で、人間が食べない内臓などを狙ってニワトリや猫が集まります。

日当たりの良い台所

日当たりの良い台所。

あっという間に魚を捌き終え、台所に移動したお母さん。上機嫌で調理を進めます。一体どんな料理ができあがるのか、お腹ペコペコで待ちきれません。

年季の入った鍋

年季の入った鍋。

小ぶりな魚はそのまま油で揚げてフライに。やや身が大きいものは、細かく切れ込みを入れて火が通りやすくしてから油の入った鍋に投入。フライの鍋に収まりきらない分は、スープになりました。どれがどの魚かわからないけれど、とりあずシンプルで美味しい。もっと食べたい。いろんな種類の魚を食べてみたい!

そんな私に、今度は夜の漁の誘いがかかりました。ウミリトゥバ村では、夜は竿でも網でもなく、モリで魚を獲るらしのです。

私が書きました!
建築学生
佐藤ジョアナ玲子
フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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