オーストラリア・ダーウィンでイケメンパイロットと愛の不時着!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
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    2024.11.23

    オーストラリア・ダーウィンでイケメンパイロットと愛の不時着!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    オーストラリア・ダーウィンでイケメンパイロットと愛の不時着!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    取材旅行は無茶苦茶楽しいです!でも観光局のみなさんが「あれも見せよう。これも体験させよう」と朝から晩までスケジュールをびっしり組んでくれるおかげで、ヘロヘロになることもあります。で、今回の話はそんなヘロヘロ状態のときにメロメロになってしまった話です。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

    ヒャッホー!オーストラリアのダーウィンで「エアボート」にトライ【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

    二人で(ほぼ)裸のビーナス状態に。笑

    前日までオーストラリア国内あちこちを2週間取材旅行してきて、いよいよ明日は自宅に戻るぞというある日。「ヘリコプターに乗ってもう一つ取材せよ」という指令を受けました。

    じつはその日は別の取材先に行く予定だったのですが、先方の都合で急遽変更。で、新しい行き先はきちんと理解していなかったのですが、「列車やバスに乗ってどこかで下車するんじゃなくて、ヘリコプターで現場まで連れてってくれるのだからあれこれ気にする必要ないか」と気軽に構えていました。…はい、もうヘロヘロすぎて思考能力がゼロになっていたのです。

    てなわけでフラフラっと空港に着いて、今回の相棒であるパイロットとご対面。冒頭の写真のティムさんです。

    男性を恋愛対象としている人ならかなりテンションが上がりそうなイケメンなんじゃないかと思います。女好き…じゃなくて、女性が恋愛対象の私でも少し少しドキドキするくらいです。

    …っていうか「こういう顔に生まれたら人生変わっていただろうな」とマジで思いました。けどじつはあまりイケメンすぎるとどんなに真摯に想いを伝えても「どうせ私なんて遊びなんでしょ?」と避けられそう。…はい、ヘロヘロで頭が回らないわりには遥か彼方に妄想飛行中です。

    さて必要書類にサインした後、いよいよヘリともご対面。その途端、今度はマジでテンションが上がりました。なんとドアを取っ払ったヘリ。今まで何度か取材でヘリには乗っていますが、ドアなしは2回目です。

    なんでドアのないヘリでテンションがあるのかというと、ガラス窓越しの何倍も撮影がしやすいですからです。

    この時点で「ドアを取っ払ったヘリにまつわるある重大な事実」に気づいていない私。

    いよいよ大空へ逃避行…じゃないか(笑)

    さていよいよドラマ「コード・ブルー」でガッキーとドクターヘリに乗りこむ山ピー気分になってイケメンと飛行開始です。

    はい。つまりは「邪念一切なしの職務遂行一直線」状態です。

    問題は大事な「職務」がなにかまったく理解していないことですが…。行き先、知らんし。
    ヘリはどんどん高度を上げます。そのとき急に思い出しました。自分が高度恐怖症気味かつ不安神経症気味だということに。

    どちらも「気味」レベルなのですが、それでもドアを取っ払ったヘリに乗っていると「落ちたらどうしよう」とか「カメラやスマホを落としたらどうしよう」と、まあ確率的にほぼないも等しいことが不安になります。

    けどまあ、それもほんの一瞬。慣れてしまえばこっちのもの。

    ちなみにあとで聞いたところによると通常ノーザンテリトリー政府観光局では安全上の理由からドアを取っ払ったヘリコプターは手配しないそう。単なる会社からの連絡不行き届きなのかティム独自の英断なのかは不明ですが、ドアありよりもさらに爽快な空の旅を楽しめました。笑

    上空から眺めるダーウィン市街地。

    なんか王国の所有者の気分になれますよね、ヘリからだと。

    いくつかの滝も見られます。

    森と水の織りなす絶景にうっとり。

    そうこうしているうちにヘリは高度を下げていきます。

    なんか建物が見えてきました。

    ヘッドホンに付いたマイクで交信できるのでティムに訊いてみます。「どこにいくの?」「えっ?いやいやいや、フィニスリバーロッジでいいんだよね?」。…ティムが驚くのも当然です。行き先もわからずにヘリに乗っているアンポンタンがいるとは誰も想像すらしませんわな。

    「ああ、あそこがそれか」となんとかごまかして無事着陸です。

    ここでエアボートの取材をします。はい、前回紹介したプロペラで爆走する小型ボートです。

    再び離陸もまさかの急展開!

    その取材が終えて再びヘリに。ティムに「あっ。ビーチタオルは持ってきた?」と訊かれます。「えっ? ビーチタオル?」「だって泳いだら拭かなきゃでしょ?」。

    このままダーウィンの空港に戻るものだとばかり思っていた私に寝耳に水。平静を装って「まあ、服で拭けばいいかな」と答えます。

    でも「エアボートに乗って万が一濡れたときのために」とボードショーツをカバンの中に忍ばせて自分の動物的勘は、我ながらさすがだと思いました。笑

    3つほど滝を見たあと、ティムが「あっ、今回の着陸地点はあそこだよ。マジでパラダイスだから」。

    私のほうはというと「今まで見てきた滝と比べて落差が少ないな~。でも滝の落差がなくても景色がパラダイスならいいか~」と暢気に構えていました。

    ところがです! ヘリコプターがぐんぐんと降下をしているうちに、ある疑問が逆に頭に浮上してきたのです。それは「ティムは着陸地点って言ったけど…ヘリポート、どこにもないじゃん!」

    慌てて床にある通話用のボタンを足で踏み、ヘッドホンに付いたマイクで「どっ、どこに着陸するの?」と聞いたところ、答えは「あそこだよ」。

    ちょ、待てよ。あそこってどこよ? と頭の中でキムタク発動中。

    そして滝が見る見るうちに近づいてきたかと思ったら…。

    …軽い不時着気分を味わいながら着陸したのが、滝の上の岩が平らになっている場所。

    ティムによるとここへは陸路では来られないそう。そして着陸するためには予約を取らなければならず、当然1機しか着陸できないとのこと。

    そんな話をしながらいそいそと服を脱ぎ始めるティム。「あれ?泳がないの?」

    ああ、そうかそうか。泳ぐって言ってたよね~。ってなわけでヘリの陰でコソコソとボードショーツに着替える私。

    「不時着」をした場所。写真の奥から岩を降りて左のほうに回ると天然のプールです。

    なんてあれこれ手間取っていると、一人で勝手に楽しみはじめたティム。

    ってか私よりも先に天然のプールに飛び込んでいます。

    ひとこと言わせてもらうと…「なあ、オレ、ゲストだよな?」。

    絶景の天然プールを独占!

    あれこれ困惑気味ながらも脱ぎましたよ。

    滝の上に着陸しているヘリ。

    新鮮な清水がどんどん流れ込んできます。

    ティムが言うように本当にパラダイスのような場所です。

    カップルで来たら本当に幸せでしょうね。

    「天然のプール」の下にちょっとした滝があり、その下の大きな滝つぼ。

    …なんて熱心に取材を続けたあと、しっかりと泳いでみました。ホント、こんなところで泳ぐのはなかなかできる体験ではありません。……ん? ところでティムはどうした?

    泳ぎつかれたのか日光浴しながらうたた寝中でした。

    まあ、帰りのフライトで寝られるよりも何ギガ倍もマシです。笑

    というわけでワイルドかつゴージャスなヘリの旅を紹介しました。ちなみにお値段もまさにゴージャスかつある意味ワイルドで、ここへの着陸料も含めてティムによると「一人約10万円くらいなんじゃないかな~」とのこと。

    ちなみにこのあたりには「陸路で行けて、独占ではない天然のプール」もいくつかあり、「リッチフィールド国立公園の見どころ満載1日ツアー」のようなものに参加すると、大抵そういうところへの訪問が含まれています。

    というわけで【柳沢有紀夫の世界は愉快!】史上いちばん歩かなかったアクトドアアクティビティーだったかもしれません。だけど【柳沢有紀夫の世界は愉快!】史上最も心拍数が上がった体験でした。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    ノーザンテリトリー政府観光局
    https://northernterritory.com/jp/ja

    オーストラリア政府観光局
    https://www.australia.com/ja-jp

    Nautilus Aviation
    www.nautilusaviation.com.au

    私が書きました!
    オーストラリア在住ライター
    (海外書き人クラブ)
    柳沢有紀夫
    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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