伊豆半島ロングトレイル 海と山を同時に手にする世界 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.04.21

    伊豆半島ロングトレイル 海と山を同時に手にする世界

    DAY2 風待ちの港・妻良漁港&大スケールの千畳敷

    この日は子浦(こうら)の日和山遊歩道から歩き始めます。
    朝の清々しい風が海からも吹いてきて気持ちいい!急坂に苦戦し、疲れて足元のほうを向き気味になってきた時視界がバーンと開け、新たな風景が飛び込んできました!

    森を少し進むと、絶景が繰り返し現れる。旅人を飽きさせない伊豆半島なのです

    これぞ絶景!さらには、海に目をやるとスパっと切り落としたような断層も見えます。
    やがて、「風待港」と呼ばれた妻良漁港に降り立ちます。山道が開かれず交通手段が船だけだったころ、西から石廊崎を通って江戸へ向かう船が、風が落ち着くまで滞在した港だとのこと。往時は宿や花街もあり、かなりの賑わいだったそうです。妻良漁港では商店などで補給用の飲料・軽食を補給できます。

    絶対おすすめ!の別世界

    ふと、看板に「ころばし地蔵」の文字が。コースから少し逸れるので、興味のない人はスルーしてしまいそうですが、ここはイチオシ!行ってびっくりの地層群がド迫力で現れます。
    ハイブランドのCMでサファリファッションのモデルが立っていそうな、異世界感たっぷりの、どこかの砂漠の中の遺跡に来たような感覚です。エビぞりになって地層を見上げると、迫りくる何万年分もの歴史が積み重なってこちらに迫ってくるようです。

    写真右下の入り江まで歩いていける。まるで秘密基地!落石には注意を

    海の碧さが目を奪う。心が落ち着く

    森に群生する樹々はウバメガシ(樫の一種)といい、年輪が細かく密度が高い木で備長炭の恰好の材料だったため、トレイル上にはかつての炭焼き小屋跡も見ることができます。山の中で切り出したウバメガシを炭に加工して、軽量化してから山から下ろす、という効率的な流れですね。

    ウバメガシのトンネルの中を歩く

    実は南伊豆町の街中で、「ウバメガシの ようにたくましく 長寿の まちをつくりましょう」という看板も発見。地域密着ないい感じ。
    歩いていくと、妻良漁港で魚釣りをするお母さんが。
    聞けばお昼ごはんのおかず用にカタクチイワシを釣っているところでした。フライか煮つけにするんだとか。直前調達がなんともうらやましいシチュエーション。

    話している間にも竿が上がり、銀色に光るイワシがまた釣れた!

    妻良漁港を出発し、二十六夜山を巻くように海岸沿いを進みます。次のトレイルとの切れ目に、白鳥神社というなんとも良い雰囲気の神社が!ソテツと、ビャクシンの大木が出迎えてくれます。海沿いの神社独特の雰囲気があってここもオススメ。

    2日目のクライマックス・千畳敷

    先端の岩との間に人影が見えるでしょうか。このスケール感!

    この日のラストは、三ツ石山の麓にある一大スポット、千畳敷。自然が作り出した地層と、そこに溶岩が入り込んだ跡までがくっきりと見て取れる壁面も圧巻ながら、千畳敷の名のとおり広大な岩面はかつての巨大採石場として海からの人の行き来が活発に行われていた様子を彷彿とし、この地域の歴史を感じることもできる場所です。

    船着き場に着けた船に、切り出した石を下ろして海路で運んでいたのだそうです。それにしてもなんという規模、そして地層!

    「今は昼間しかご案内できないですが、できるならここに夜まで残って、星を眺めていたいんですよね」と倉原ガイド。安全面の問題などで実現はすぐには難しいかもしれないけれど、そんなプランがあったら絶対また来たい!お酒を片手に寝転がって星を眺めるとか…ステキ(妄想)。

    きっとかつての石工の人びとや山人たちは、海の危険要素と折り合いをつけながらも、その贅沢を無意識に満喫していたんだろうなあ…。

    ◎イラスト・写真・文/コタロー

    コタロー

     

     

    旅行・冒険が好きなイラストレーター。長野県出身。クライマーのためのラインスタンプ「コタローのクライマーズスタンプ」好評発売中。https://store.line.me/stickershop/product/1274881/ja
    ブログ:http://blog.livedoor.jp/kota1022/

     

     

    DAY3に続く。

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