おんなひとり、お遍路しながら88の煩悩について考えてみた―煩悩⑥ 6番礼所「安楽寺」 | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.02.04

    おんなひとり、お遍路しながら88の煩悩について考えてみた―煩悩⑥ 6番礼所「安楽寺」

    1番礼所を午前中から歩き始めて、順に歩き続けると日暮れ前に到着するのが6番礼所の安楽寺。一日で6か所も歩いてまわれる場所は、88か所中このエリアだけかもしれない。1番礼所から6番は礼所は、初めてお遍路するには達成感のあるコースだ。安楽寺には宿坊があり、お遍路初日に宿坊のご飯と温泉に浸かれるのはありがたい。といっても、自転車操業で日々生活している私は寝袋でまわろうと企んでいた。しかし、極寒で真っ暗な吹きさらしの場所で眠れるほど、逞しくはなかった……。
     
    400年続く安楽寺の宿坊。一泊7200円で朝食、夕食付き。天然温泉に入って個室でぐっすりと眠れる。
     
    夕食。精進料理で、ご飯はおかわり自由。他のお遍路さんと同じテーブルを囲む。お遍路をはじめた理由やお遍路する前の生活など、いろんな事情で同じ場所に集まったことを知る。退職後にお遍路をはじめる男性が多いようだ。
     
    安楽寺の山門。この2階は鐘撞き堂になっており、寺の人にお願いすればこの中で野宿をさせてくれるのだが……到着した時は夜。寒く、暗く、薄気味悪い。
     
    鐘撞き堂の中。明るいとさほど感じないが、夜になると真っ暗で風が吹き込む。ここでひとりきりでは、とても眠れない。
     
    安楽寺の本堂。弘法大師により温泉湯治ができる寺として栄えた。安土桃山時代から旅人やお遍路さんなど、宿泊や茶湯で接待してきた。
     
    錦札の屏風。桃山時代に殿様が生活していた部屋に保管している。この屏風の前にいるだけでご利益がありそう。
     
    煩悩⑥
    ひとと繋がりたい
    集団行動は苦手なのだが、あまりにもひとりだと孤独だ。とくに身の危険を感じる場所でひとりだと、どうしようもなく怖い。弱いからこそ、寄り添って生きる。当たり前のように、家族や学校、会社など他人とともに行動してきたのは、身を守るためだったのだろう。お遍路中は基本的にはひとりだ。ひとりで黙々と歩く。お遍路さん同士、初対面なのにヘンに強い仲間意識があり、出会った瞬間からなぜか仲良くなれることがある。ひとりきりで歩いてきた寂しさやしんどさを共有できるからだろう。ひとりではしんどいことも、誰かと共有するとすっと楽になる。
     
                ☆プロフィール☆
     

               重野友紀 (しげの ゆき)

    フォトグラファー。ハンで押したような日常生活が苦手で、常に変化を求めている。安住の地はいずこ……。
    HP:https://www.yukishigeno.com

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