と、思ったら、何やら茶色い物体が。ん? 鯛じゃない。誰だ、君は。光の加減でよく見えない。なんだかうねうね動いてるが、なんだ? もしかして……。
なんと、エイ。しかもスレがかり(口ではないところに針がかかること)。どうりで重たいわけだ。そしてゴンゴンと頭を振る感覚というのは、ヒレをバタバタさせていたのだろう。「鯛です!」とか叫んで恥ずかしい。恐らく、海底でエイが平和にくつろいでいたところへ、上からルアーが落ちてきて運悪くヒレに引っかかった、ということらしい。ごめん、エイ。とにかく針を外して、お帰りいただいた(エイのしっぽには毒針があるので注意)。
その後、思い出したようにイナダが1匹釣れたが、この日はそれっきり何もなく終了。そう、魚探に反応があっても釣れない日は釣れないのだ。だから楽しいのかもしれないが。
連載【漕いで、釣って、食べて】カヤックフィッシング奮闘記
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穴澤 賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。2005年7月から愛犬との暮らしを綴ったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイ、コラムなどを執筆するようになる。著書に「またね、富士丸。(集英社文庫)」、「明日もいっしょにおきようね(草思社)」、「また、犬と暮らして(世界文化社)」、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック・ジャパン)などがある。株式会社デロリアンズ代表。Blog:Another Days
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