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2024.04.07

探検家・フンボルトも絶賛!ドイツで最も水の綺麗なクーニッヒス湖(ケーニヒス湖)で優雅なひと時を

探検家・フンボルトも絶賛!ドイツで最も水の綺麗なクーニッヒス湖(ケーニヒス湖)で優雅なひと時を
ヨーロッパの地図で見ると、南ドイツ・バイエルン州の小さな一角が、オーストリアに食い込むように飛び出ています。この辺りはベルヒテスガーデン国立公園で、南北に細長い湖「クーニッヒス湖(ケーニヒス湖とも表記される)」があります。

クーニッヒス湖はドイツで最も水が綺麗だと言われ、湖の名前は直訳すると「王様の湖」です。
ベルヒテスガーデンの公式ホームページには、ここは世界中を旅して回った学者かつ探検家のフンボルトが、最も美しい場所と賞賛した、と紹介されています。

交通手段は船のみ

船の運航は30分に1本と頻繁

クーニッヒス湖の周囲は、岩肌が急峻で湖の岸まで入り込んでおり、道路や歩道、自転車道などが一切ないため、船が唯一の交通手段です。

冬でも、湖が凍った時とクリスマスイブを除いて船は運航していますが、季節によって始発便、最終便の時間が異なります。車は近くの有料駐車場に停めてから出かけましょう。

所要時間は、聖バルトロメーまでは片道35分。船に乗る時に、「お勧めの席はどこですか?」と質問すると、「前方でも後方でも良いけど、とにかく右側がいいよ」とのこと。特に写真をしっかり撮りたい方は、チケットを早めに購入し、早めに乗船しましょう。

今回私は3月上旬に訪問。早朝は霧が深く、船に乗っても意味があるのかしら?と少し心配していましたが、結果的には、幻想的な霧の風景と、その後の澄み切った青空の両方を楽しめました。かつまだオフシーズンということもあり、観光客もほどほど。なかなか良いタイミング。

ただ4月末以降、船は更に奥の方まで運航します。欲を言えば、そこまで待ちたいところです。

船からの景色

張り巡らされたガラス窓は、自由に開閉できます。風が冷たいですし、小さな子供たちも乗船していますので、写真を撮るなどの必要な時だけ窓を開け、お互い気持ちよく観光したいものです。

出発当初は、深い霧。操縦席からは非常に視界が悪かったようですが、乗客の立場では幻想的な眺めで素敵です。

霧に包まれた風景。隙間から見える風景が幻想的でなかなか満足。

船内には、二人の船員さんがいて、一人は舵を取り、もう一人はマイク片手に、ドイツ語でずっと解説をしてくれました。この日5隻の船が運行されるが、夏には所有する19隻全てを運行すること、水深が深い所では190cmもあり、水の温度が20度以下と低いこと、などなど。

船の操縦席から見える風景はかなり真っ白。

いよいよ、往路のクライマックス!

そして道半ば、先ほどまでぎっしりあった霧もずいぶん晴れてきた頃、湖の幅が最も狭い場所に到着しました。

この辺りが、湖の幅が最も狭い場所。一旦船のエンジンが止められる。

周りを岩に囲まれており、エコーが有名な地点です。

昔は船から爆竹を投下し、そのエコーが7倍ほどになって戻ってくるというショーがあったようですが、環境問題及び事故防止のために、現在はトランペット(またはフリューゲルホルン)を演奏し、エコーを楽しむ演出になっています。

一旦船のエンジンを止めたかと思うと、さっきまで舵をとっていた方が甲板に乗り出して、フリューゲルホルンを岩に向かって演奏し始めました。

選曲もフレーズとフレーズの間にゆっくり時間が取りやすい曲となっていて、エコーがそのまま帰ってくるのをじっくり聞くことができました。演奏そのものもとてもお上手で、聞き惚れていたため、写真を撮りそびれてしまいました。

実は私はトランペットが大好きで、この日偶然ですがリュックサックにマウスピース(楽器の口につける部位)を持っていました。すかさず、「マウスピースを持っているので、私にも吹かせてもらえませんか?」と心臓をバクバクさせながらお願いしたのですが、「楽器を持っていないの? これは僕の楽器だから貸さないよ」と断られてしまいました。残念!

後で私の地元(同じバイエルン州ですがオーバープファルツ県)のドイツ人とそのことが話題になったとき、「ああ、あの辺の人はそんなにフレンドリーじゃないよ、僕らだったら楽器貸してあげるのにね。」と言われました。そうか、そういうものなのですね。

水面に映る岩。船からの風景はずっと見ていても見飽きない。

さらに船は進み、霧の影から浮くように見えてきた教会が。聖バルトロメー教会です。右後ろに見えるのは、ヨーロッパ東アルプスの北側、ベルヒテスガーデンアルプスのうち二番目に高い、ヴァッツマン(2713m)。

目的地の聖バルトロメー教会が見えてきました。

船は、このバルトロメー教会の近くに停泊します。4月末以降さらに奥まで乗船する予定の方以外は、下船後帰りの船の時間を確認し、ここで思い思いの素敵な時間を楽しむことになります。

綺麗な湖で捕獲された美味しい魚料理を堪能

せっかくなので、お昼ご飯をいただきましょう。

まだ正午になる少し前の時間帯でしたが、既に20人近くもの若者のグループがビールジョッキ片手に、楽しそうに盛り上がっていました。

さて、私もまずはビールを注文して・・・

まずはビールを注文。ビールジョッキは普通500mlです。待っていました、この瞬間。

私はもうお魚料理を食べる気満々ではありましたが、一応メニューにざっと目を通します。ドイツ料理の定番である豚肉料理、シュヴァイネブラーテンやベジタリアン料理、スープやデザートなど、選択肢は非常に広く、想像以上です。

なかなか充実したメニューです。英語でも記載されています。

メニューは、ドイツ語と英語の二ヶ国語表記です。

私たちがいただいたのは、イワナ丸ごと1尾とジャガイモ、典型的な一品です。

イワナ。バターを加えて塩茹でしたジャガイモは、シンプルだが美味しく、癖になりそう。

そして、もう一皿。燻製にしたトラウトとそれに添えられているのは、ドイツ風パン1切れ、バターに西洋ワサビ。お魚を食べるときにはご飯が欲しくなるのがやはり日本人の心かも知れませんが、実はこのパンと食べるのも意外と良いのです。

燻製のトラウト。ドイツパンと西洋ワサビを添えて。

風はまだまだ冷たいものの、春の太陽の陽を浴び、青空の元、山を見ながらの食事は格別です。

テラス席はたくさんありますが、夏の最盛期は空席を探すのが大変そうですね。

尚、お魚料理を食べたい方は、4月中旬から10月末までフィッシャーマンズロッジも営業していますので、そちらも要チェックです。

フィッシャーマンズロッジ。

小さなお子様連れの方は、ベビーカー必須です!

お腹が満たされたところで、少し散策。

もし、小さな子供と一緒にお出かけになるのであれば、ためらわず是非ベビーカーも船に積んで行きましょう。大人も子供もゆっくりと楽しむためには、少々面倒でも、その価値はあります。

湖を楽しむためのベンチも並んでいる。

湖沿いはすっきり綺麗に整備されています。

緑色の水。奥には先ほど出航した船が見えます。

そして、水は美しい緑色。これは水中に溶けた石灰の粒子によるもので、太陽光を屈折させることからこの色になっているのだそうです。

そこで気付きました。なるほど、石灰岩の層があちこちにある、ということで、だから近くに4つもロッククライミングに適した場所があるのかぁ。

一人で納得していたら、「ロッククライミングに適した岩場は石灰岩だけでないよ。もしかしたら花崗岩かもしれないよ」と、同行させてもらえなかった、元ロッククライマーの夫の声が、隣から聞こえてきました。

船は1日に何便も往復していますので、ご予定に合わせてゆっくり出来るのも良いですね。

もっとアクティブに、と希望されているあなた、山と湖の豊かなこの地区で、ハイキング、山登りを楽しめないはずがありません。水温は低いですが、泳いだり、手漕ぎのボートを楽しんだりという選択肢もあります。

 

私が書きました!
ドイツ在住ライター
吉村美佳
2002年12月からドイツ・バイエルン州に在住。「旧市街とシュタットアムホーフ」と「ローマ帝国の国境線」という二つの世界遺産を擁するレーゲンスブルク市の公認ガイド。日本人に知られていないこの町について、認知度を上げることがライフワークの一つ。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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