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キャンプに適したエアーマットとは? 選び方も解説
エアーマットの特徴
エアマットとは、ポンプや口で空気を入れて使用するマット。
テントが家、シュラフが掛け布団なら、マットは敷布団の役割をする道具だ。床に敷くことで地面の凸凹を軽減でき、快適な寝床を確保することができる。また、冬期のキャンプでは地面からの底冷え対策が必須。そんなとき、キャンプマットを敷くことで冷気をシャットアウトできる。
ものによっては手のひらに収まるほどコンパクトになるため、徒歩キャンパーにもおすすめだ。ただし、空気の注入や、収納時に空気を抜く際にはひと手間かかる。また、パンクしてしまうと使用できないため、リペアキットは必ず一緒に持ち出そう。
エアーマットの選び方
マットのサイズを確認する
キャンプ初心者の方は、身長をカバーできる長さのマットが快適でおすすめ。
少しキャンプに慣れてきて、「できるだけ荷物をコンパクトにしたい」という場合は、肩からお尻まで(地面と接触する部位)をカバーする150cmほどのものを選んでもいいだろう。ただし、その場合は、マットからはみ出た頭や脚の部分に、バックパックなどの厚みがあるものを敷いて代用する必要がある。そうなると、寝心地は全身をカバーするマットより悪くなるデメリットがあるため、初心者の方にはあまりおすすめできない。
なお、マットの横幅は50cm以上あれば安心。そのくらいの幅があれば、マットの上で多少体を動かしてもはみ出ないだろう。
収納サイズや重量を考える
キャンプに出かける手段に合わせて、マットの収納サイズや重量を考えよう。移動手段が車で積載に余裕があるならば、収納サイズや重量はあまり気にする必要がない。少しかさばってしまいそうでも、寝心地がいいものを選ぶ方がいいだろう。
逆に、徒歩やツーリングなど、持ち運べる荷物に限りがある場合はできるだけ軽量でコンパクトなものを選ぶのがおすすめだ。
R値を確認する
R値とは、簡単に言えば断熱性の値。R値が高ければ高いほど体から発する熱を留め、地面からの冷気が伝わりにくくなるため、底冷えしなくなる。
夏場の平地のキャンプでは、R値をさほど気にしなくても快適に寝られるが、平地よりも気温が低い、標高が高いキャンプ場へ出かける場合はR値の確認が必要になる。もちろん、冬キャンプに出かける場合にも確認が欠かせない。
ちなみに、キャンプマットに定評のあるアウトドアブランドのサーマレストは、以下の目安を提案している。
R値1~2=夏用
R値2~4=春夏秋の3シーズン用
R値4~6=オールシーズン用
R値6以上=厳冬期用
上記はあくまで目安だが、参考にして季節に合った適切なR値のマットを選ぼう。寒がりの場合は、1ランクR値の高いマットの使用がおすすめだ。
▼参考記事
2025年の注目モデル!BE-PAL&ショップスタッフおすすめのエアーマット
まずは、人気アウトドアショップにお願いしたアンケートをもとに、編集部で「これは売れる!」とセレクトしたエアーマットを紹介。解説してくれるのは、さかいやスポーツ エコープラザ店長・横田修宏さん。

高校時代からスノーボードをはじめ、その後バックカントリースキーへ。現在はスキーのほか、3児の愛息と行く登山やオートキャンプも楽しむ。
THERMAREST(サーマレスト) ネオロフト
クッション性抜群のエアマット。レギュラーサイズで重量710gと軽量で、コンパクトに収納が可能(写真はRWサイズ)。バックパックで持ち運べるのも魅力だ。
「独特のモチモチ感は、すべての方向に伸びるストレッチニット生地を採用することで実現しています。しなやかな肌触りも◎。」
11.7cmの厚みのマットはサイドがやや高く膨らむ構造で、体がずり落ちにくい。
NEMO(ニーモ) テンサーオールシーズンレギュラーマミー
コーデュラ製の薄く丈夫なオリジナル生地を使用し、軽さを追求したモデル。ショートサイズの重量はなんと205g。
「7.6cm厚のクッション性と、ニーモらしい安定感のある寝心地が魅力。固さを微調整できるバルブも便利。」
伸縮性の低い素材と独自の内部構造によって、体が左右に揺れにくいのも魅力。
▼参考記事
常日頃からギア販売に携わり、ユーザーの意見を聞き、売れ筋を体感しているアウトドアショップのスタッフが選ぶ、2025年大本命のイチ推しエアーマットを紹介。

登山専門店シェルパ 熊本本店・阿南志武喜さん。
arata(アラタ) ASP-R7
TPUフィルムと熱線反射PETフィルムを組み合わせた多層構造で、厳冬期にも対応する快適エアマット。マミー型477g、長方形型584g。(写真は長方形型)
●R値:6.5
「北アルプスの冬、山頂付近でも使える高性能なマット。マイナス30度CまでOKなので、日本の山なら問題なし!」

マミー型もラインナップ。
▼参考記事
2024年にアウトドアショップで売れたのはこれ!人気のエアーマット
全国アウトドアショップへのアンケートを集計し、2024年リアルに売れたエアーマットを発表!
NEMO(ニーモ) テンサーオールシーズンレギュラーマミー
内蔵する断熱フィルムの配置を見直すことで断熱性を大幅に高めただけでなく、寝返りによるカサカサ音も低減させたエアマット。不快なフワフワ感もないので朝までぐっすり眠れる。
●使用サイズ:183×51×H9cm
●重量:400g
●R値:5.4
ボトム側には耐パンク製と強度を向上させるため40Dナイロンを採用。トップ側は軽くて肌触りのよい20Dナイロン生地を使用している。パッドポンプ、リペアキット付き。
Rab.(ラブ) ウルトラスフィア4.5
軽さと保温性、収納性を高いレベルで両立させたマット。わずか370gなのに膨らませると厚みは8cm。放射熱の損失を低減する2層TILT反射フィルムと、あたたかな空気を閉じ込めるオフセット空気室を備えることで重量やかさを増やすことなく、あたたかさをキープし、R値は4.3を誇る。ポンプサック、リペアキット付き収納袋が付属。
●収納サイズ:18×9cm
薄型の2ウェイバルブを搭載し、簡単に膨張と収縮が可能。
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▼参考記事
編集部員が試してわかった!おすすめのエアーマット3選
快眠を得るための必須アイテムを『BE-PAL』編集部員がテストした。ここでは、空気だけで膨らませるエアマットをピックアップ!
EXPED(エクスペド) Dura 6R
700フィルパワーのダウンを封入し、空気の層とダウンで体熱が外へ放出せず、暖かさをキープする仕組み。R値も5.8とかなり高く、断熱材とし優秀。リサイクルポリエステル使用。
●使用サイズ:約183×52cm、厚み7cm
●収納サイズ:直径約14.5×23cm
●重量:約850g
ずば抜けて空気を早く抜ける
付属ポンプで素早く膨らませられるので、呼気で内部が湿りづらく劣化を防げる。
寝転がっているとジンワリ温かくなるのを体感。体を揺らすと少々滑りやすい。

収納時間は02:32秒。
IN、OUTと2か所にバルブがあるため、素早く膨らみ、撤収の早さもピカイチでストレスフリー。
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mont-bell(モンベル) エクセロフト エアパッド180
保温性と耐久性に優れるエクセロフトを封入。極細繊維だけ使用することで、保温性と軽量コンパクト性を両立。細かいボックス構造は寝返りを打っても空気の移動が少ない。
●使用サイズ:約180×50cm、厚み7cm
●収納サイズ:直径約14×25cm
●重量:約658g
軽量でザックで携行しやすい最強のバランス型
軽く、芯がない分、ひじをつくと前側が浮き上がる。力をかけると少々沈む。

収納時間は03:00秒。
バルブのフタで逆止弁を押しのけることで簡単に空気が抜ける。ポンプは別売り。
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SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) コンフォートプラスS.I.マット レギュラー
表地の起毛したストレッチニットと内蔵フォームにより、低反発マットのようなコシのある寝心地。独自技術により従来品に比べ40%ものフォームを肉抜きし重量を抑えている。
●使用サイズ:約183×51cm、厚み8cm
●収納サイズ:直径約19.1×26cm
●重量:約970g
低反発マットのように体になじむ
ほど良いサポート力と吸い付くようなしっとりした質感で夏は直に寝そべりたい。

収納時間は03:30秒。
逆止弁付きバルブと開放バルブ、固さを微調整するボタンをひとつに集約。
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最高のキャンプ用エアーマットをアウトドアライターが比較&徹底解説!
快適に眠るためのキャンプ用エアマット。どちらも大型サイズだがキャラは対照的。豪華旅モデルと冒険旅モデルを全天候型アウトドアライターが徹底解説!
SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) コンフォートデラックス S.I.マット ラージワイド
オートキャンプでの最上の寝心地を追求したモデルで独自の低反発感が魅力。保温力を表すR値は6.5で、冬季キャンプにも安心して使える。サイズも豊富で183×64cmのレギュラーワイドから201×115cmのキャンパーバンまで全4サイズを展開する。
●サイズ:201×76×10cm
●収納サイズ:直径22.3×76cm
●重量:2,645g
オートキャンプだけでなく普段使いにも最高なのだ
じつはもう7~8年ベッドで寝ていない。オートキャンプ用の大型マットが僕の定宿だ。きっかけは車中泊用にエアマットを購入したことだった。期待以上の寝心地の良さと一般的なベッドマットではありえない取り回しの軽さ、そして使わないときはコンパクトに収納できることに感動し、普段の就寝用もエアマットにしてしまった。
そんな“マットマニア”の僕の最近のお気に入りが、シートゥサミットのこのモデル。オートキャンプやグランピングを想定したゆったりサイズで、信じられないくらい寝心地が良い。
最大の特徴は独特のクッション性だ。表面素材に起毛したストレッチニットを採用し、低反発マットのように柔らかく沈み込む。だから寝返りを打ってもしっとりとして揺れないし、横向きに眠るときもちょうどいい塩梅に沈み込んでくれる。サイドスリーパーにも好評だ。
また付属のエアポンプサックを使えば、膨らましたり片付けたりもとても簡単。だから我が家ではお客さん用ベッドとしても大活躍してくれている。いつでもどこでも極上の寝心地を求める人にぜひ試してほしい贅沢マットなのである。
マシュマロのような絶妙な低反発感
一番の推薦ポイントは表面ファブリックのストレッチ性と柔らかさ。しっかりと体重を受け止めながらマシュマロのように柔らかい。
枕がズレないので朝まで快眠できる
オプションのピローロックシステム(滑り止めのステッカーのようなパーツ)を使うと同社のキャンプ用ピローなどがズレずに固定されるので快眠できる。
見た目に反して楽に持てる軽さ
内部のウレタンフォームが40%も肉抜きされた「デルタコア」構造により、重量と嵩張りが大幅に低減されている。オートキャンプには十分なサイズ。
THERMAREST(サーマレスト) ネオエアー・トポリュクスRW
人力旅向けに作られた同社製品で最も寝心地のいいエアマット。三角形のチューブを互い違いに重ねる独自構造で暖かさと安定感を確保。R値は3.7。(現行モデルおよびリンク先はRサイズ)
●サイズ:183×64×10cm
●収納サイズ:直径15×28cm
●重量:800g
ネオエアーシリーズ史上最も寝心地のいいモデル
豊かなロフトと寝心地をもちながら、バックパッキングや自転車旅などの人力移動の旅にも持っていけるのがこのマットだ。
このモデルは、サーマレストの高性能エアマットシリーズである「ネオエアー」の中でも最も分厚い10cmの厚みを持つ。面白いのは三角形のチューブを互い違いに連結させた「トライアンギュラーコアマトリックス」という特許構造で、コールドスポットがなく保温力が極めて高い。またこの構造によって分厚いにもかかわらず、フワフワと不安定にならず、不整地でも安定した寝心地が確保される。
収納サイズは直径15×28cmで重量は800g。新採用のツインロックバルブを備え、空気の排出も一瞬でできる。これなら週末の冒険ツアーに躊躇なく持ち出せるのだ。
僕は以前アラスカの氷河地帯にバックカントリースノーボード遠征に行ったとき、これと同社のZレストを組み合わせて雪中キャンプに使っていたが、地面からの冷えもなくしっかりと眠ることができた。携行性と寝心地を高次元でバランスさせたすぐれた製品だと思っている。
ツインバルブ搭載で設営と撤収が早い
膨らませるインフレーションバルブと抜くデフレーションバルブが独立していて、デフレーションバルブには弁がなく完全開放されるので撤収が非常に早い。
ポンプサックでテント内作業も楽
ポンプサックを使えば狭いテントの中でも簡単に膨らませることができる。右上にあるのはオプションで電池で動く電動ポンプ。小型で持ち運びも楽だ。
小型軽量で人力移動旅にも
贅沢なサイズでありながら、収納サイズは掌にのるほどコンパクトなので自転車旅など人力移動の旅にも躊躇なく携行できる。この収納サイズは魅力的。
▼参考記事
厳冬期対応モデルも!まだまだあるキャンプ向けおすすめエアーマット3選
THERMAREST(サーマレスト) ネオエアーXライト NXTレギュラー
重量わずか370g、軽さと収納サイズにこだわるならこのエアパッド! 収納サイズは、長さ23×径10cmとコンパクトに。大きなポンプサックが付属するため、空気を入れる作業も楽々。
●サイズ:51×183cm
●収納サイズ:23×10cm
●重量:370g
最も汎用性の高いオールラウンドな超軽量エアパッド。7.6cmという厚さで優れたサポート力と快適性を実現。超軽量で、コンパクトに収納できる。静音性、保温性、耐久性にも優れている。サイズはレギュラー以外に、レギュラーショート(51×168cm)、レギュラーワイド(63×183cm)、ラージ(63×196cm)がある。
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NEMO(ニーモ) テンサー・エクストリーム コンディション
R値8.5を達成した厳冬期対応マット。「今回レビューのために厳冬期の2月に野外で眠ってみたが、ガチで暖かくてびっくりした。今後は雪中泊はすべてこれで行くつもり。」(ホーボージュンさん)画像のレギュラーワイドほか、レギュラーマミー、ロングワイド(公式オンラインショップ限定)もラインナップ。
ニーモの大きな美点が、付属のエアバッグの使いやすさだ。
独自のバッフルデザインで、ひじをついても底づきしない。
▼参考記事
DOD(ディーオーディー) シャダンダン
氷点下の気温にも対応するエアマット。R値6.2で冷えを遮断し、収納コンパクトで持ち運びやすい。ゆったり寝られるように、一般的な登山用エアマットよりも幅が広く設計されている。エアポンプになるキャリーバッグつき。
●サイズ:(約)W189×D63×H7cm
●収納サイズ:(約)W23×D11×H11cm
●総重量:(約)0.8kg
内部はアルミシートを含んだ7層構造で、対流を防止。背中からの体温を保ちながら、地面からの冷えを遮断。R値6.2は、氷点下の気温でも冷えを感じにくいとされる数値だ。
エアマット特有の突き上げ感を軽減するために、ドット状のエンボス加工がほどこされている。この凹凸により体圧を分散させ、程よく体を包み込むような寝心地となっている。
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