FILE33は、渋谷区にある千駄ヶ谷富士です。
第33座目「千駄ヶ谷富士」
JR千駄ヶ谷駅改札登山口です。
JR千駄ヶ谷駅、記憶の中でこの駅も降りた記憶がありませんでした。学生の頃もそうですが、現在も僕にとって行く理由のない駅の1つです。ここが渋谷区だと知ったのも、今回の登山のおかげでした。
千駄ヶ谷の由来
新宿御苑内を水源とした渋谷川上流地区にあり、たくさんの萱が生えていたこと、それを一日に千駄(駄は馬に積む荷物の重さの単位)の萱を積むことから千駄ヶ谷となったそうです。事前に周囲を軽く歩いてみたのですが、住宅街が多く、気になる情報も見つけることが出来ませんでした。しかも千駄ヶ谷富士は駅から近い。ネタ収集は諦めて駅から最短ルートを辿ることにしました。
千駄ヶ谷は1960年代前半までは東京都内でも有数の温泉マーク「連れ込み宿」(現在のラブホテル)街だったそうです。当時、鳩森小学校付近にも連れ込み宿が乱立していて、それを一掃しようという運動が近隣住民や小学校のPTAを中心に起こったそうです。その結果、千駄ヶ谷は1957年に原宿地区と共に文教地区(教育施設が多く集まっている地区の呼称)に指定され、その後、連れ込み宿などは一掃されたようです。こうして歩いていると、学校あり、スポーツ施設あり、住宅街ばかりで、そんな面影は全く見られません。今は想像もつきませんね。
駅からまっすぐ歩くと5分程度で鳩森八幡神社の鳥居が見えてきます。
千駄ヶ谷富士、富士塚としては珍しく、山開きの日だけでなく1年中登れます!
早速鳥居をくぐっていくと順路があります。
千駄ヶ谷富士
千駄ヶ谷富士は1789年に作られた富士塚です。江戸時代の江戸市中の著名な富士塚「江戸八富士」の一つとされていました。
それもそのはず、山の裾には里宮(浅間神社)があり、また七合目の洞窟には身禄像(富士講の指導者)、山頂には奥宮が安置されるなど富士山を再現しています。
1923年関東大震災の際には修復されているものの建造当時からの状態を保っていて、なおかつ、移築などが行われていない都内に現存する富士塚の中で最古のものなんだそうですよ。
後から調べると、将棋会館がすぐ近くにある関係で、「将棋堂」をはじめ将棋との縁が深く、毎年1月5日頃には将棋関係者が多数参加して「将棋堂祈願祭」が開かれるそうです。羽生や藤井聡太さんも羽生善治さんも参拝する将棋の聖地、パワースポットとしても有名な神社のようです。
山登りだけではもったいないですね。次回は、ゆっくり巡って鳩おみくじを引いてみたいと思います。
次回は「築地にあるといわれる旗山」を予定しています。
なお、今回紹介したルートを登った様子は、動画でご覧いただけます。