ボルボ史上最小最速のピュアEV「EX30」をバルセロナで緊急試乗! | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.01.02

    ボルボ史上最小最速のピュアEV「EX30」をバルセロナで緊急試乗!

    ボルボは世界中のアウトドアズパーソンに愛される一方で環境・資源・エネルギー問題に真摯に取り組む先進的なメーカーとしても知られている。そのボルボが次世代に繋がるピュアEVを発表。全天候型アウトドアライターのホーボージュンが、世界に先駆けテストドライブを行なった。

    景色を眺めるホーボージュン

    北欧生まれの相棒よ、あれが地中海だ!

    アウトドア界を代表して国際試乗会へ乗り込んだ

    ずらりと並んだボルボ

    バルセロナ空港の特設会場にズラリと並んだ30台のEX30。数センチのズレもない整列に圧倒された。これ、どうやって並べたの?

    「バルセロナに飛んでください」沢木編集長からそう依頼されたのは10月初めのこと。なんでもスペインのバルセロナでボルボの新型EV試乗会があり、『ビーパル』がアウトドア界の代表として招待されたという。
     
    ご存じのようにボルボは地球環境やエネルギー問題への取り組みに熱心な自動車メーカーで、2030年までにはEV専業メーカーにシフトすることを世界に向かって宣言している。
     
    そんなボルボが満を持して発表したのがこの「EX30」だ。コイツはボルボ史上最も小さな電気自動車であり、同時にボルボ史上最速ともウワサされるホットハッチ。「だったらボルボもスポーツドライブも大好きなホーボーさんに試乗してもらおう」と編集長から直々にご指名を受けたのである。
     
    ということでバルセロナに飛んだ僕は空港でテスト車両を受け取るとさっそく運転席に潜り込んだ。電源を入れるとセンターディスプレイに今回の試乗ルートが浮かびあがる。なんだかもう未来である。このナビ画面はスマホで使い慣れた『グーグルマップ』そのもので、ご丁寧にも音声案内は日本語にセットされていた。これなら異国の地であってもまったく心配いらないだろう。

    荷室がスクエアで積みやすいぞ!

    荷物を積むホーボージュン

    リアゲートに荷物を積み込む。トランク容量は通常時318ℓ、最大時904ℓ。こんな小さなクルマなのにたっぷり積めるのはさすが。

    モニターを眺めるホーボージュン

    ドアを開けると12.3インチのセンターディスプレイに2日間のドライビングルートと経由地が示された。まるでスパイ映画みたい。 

    ちなみにナビ画面だけでなく、走行モードからエアコン操作に至るまですべてをこのディスプレイで集中管理する。まるで「走るスマホ」なのだ。
     
    それにしても内装がシンプルだ。物理的なボタンやスイッチ類がまったく見当たらない。
     
    このインテリアには2つの設計思想が込められている。ひとつは視界に入るものをなるべくすっきりさせ、情報を一元化。それによって運転に集中し、安全性を高めようという試みだ。
     
    ふたつ目はリサイクル。内装をシンプルにし、素材と配線を減らすことでリサイクルしやすいようにしているのだ。
     
    アクセルを踏むとEX30は路面を滑るように走り始めた。まるで横向きに動くエレベーターに乗ってるみたいだ。床下にバッテリーを積むので、重心が低くピッチやロールが少ない。また今回からプラットフォーム(車両の基本骨格)がEV専用のものになったおかげで、コーナーリングも快適だった。

    爆発的な加速力はまるでタイムワープ!

    走り

    1日目はツインモーターのハイパワーを駆使し、高速道路と郊外の丘陵地帯をビュンビュン走り回った。

    気持ちのいい走り

    湧き上がるトルクに圧倒された。

     

    インカー

    さて、今回の試乗では2種類のモデルに乗れることになっていた。後輪駆動のシングルモーター車と前後に2基のモーターを積んだツインモーター車だ。僕はまずツインモーター車を受け取ったのだが、どうしても試したいことがあった。それがフル加速。4輪をフルパワーで駆動するモードにすると428馬力ものパワーが出る。静止状態から時速100km/hまでの到達時間はわずか33.6秒……! いったいそれがどんな世界なのか試してみたかったのだ。
     
    高速道路の合流車線を使って僕はアクセルを全開にした。その瞬間、ガソリン自動車ではありえないような猛烈なGがかかった。それはまるでSF映画に出てくる宇宙船がタイムワープをするときのような感じ。まわりの景色が突然川のように流れ、頭蓋骨がヘッドレストに押しつけられた。一瞬で100km/hに到達したのですぐにアクセルを戻したが、いやあ、ビビったのなんの。レースカーに慣れている僕でも白目を剝くような加速だった。これはもはやクルマではなく、宇宙船ですよ。
     
    そういえばEX30のフェイスデザインはストーム・トルーパー(正確にはクローン・トルーパーのフェイズ1)みたいだと思ってたんだけど、あとで聞いたらじつはデザイナーが『スター・ウォーズ』の熱烈なファンなんだって。やっぱりなあ。やっぱりこれは宇宙船だわ。

    「100年後も走るぞ」そんな気概に溢れている

    ワインディング走り

    山岳エリアのワインディングをスイスイ泳ぐ。コンパクトな車体とパワフルな電動ユニットは運転が楽しい。

    その後2日間・200㎞にわたって試乗を行なったが、そのなかで僕が最も強く感じたのが「Freedom to Move=移動の自由」に対するボルボの熱意と覚悟だった。この先100年もクルマで走るぞという気概がこの小さな車体に溢れているのだ。
     
    アウトドアの世界もそうだけど、いまや環境問題やエネルギー問題を無視したモノ作りはできない時代になっている。とくに大自然の中で遊ばせてもらっている僕らにとって環境性能はとても気になる部分だ。
     
    じつはEX30は製造工程を含め、20万㎞走行時におけるカーボンフットプリントをボルボ史上最小に抑えている。
     
    たとえばインテリアには再生素材やバイオ素材をふんだんに使っているし、構造材のアルミの約25%、鋼鉄の17%は再生素材でまかなっている。
     
    エネルギー効率も最大化されていて、これから輸入が始まる日本仕様モデルは航続距離がなんと560㎞もあり、東京からだと新東名で神戸まで走れる計算だ。これはスゴイ。
     
    でもEX30の魅力は航続距離そのものではなく、ステアリングを握る人間に「どこまでも走りたい」と思わせてくれるところだ。コイツはただの環境カーではなく、走る喜びとその自由に浸れるクルマ、ボルボならではの一台なのであった。
     
    日本で乗れる日が待ち遠しい。

    ボルボとジュンさん

    北欧生まれの超モダンなデザインだけど、南欧スペイン・カタルーニャ地方の牧歌的な景色にも驚くほどよく似合っていた。さすが。

    流し撮り

    シングルモーター車は自重の軽さによる軽快な加速と後輪駆動ならではのハンドリングが印象的だった。日本にはこれがぴったりかも。速い〜!

    後ろ斜めからの走り

    多くのEVがエネルギー効率を優先させた面白みのない乗り味なのに対して、EX30は非常にエモーショナルで気持ちがよかった。

    EX30ってどんなクルマ?サイズは?料金は?

    ❶ボルボSUV史上最小!

    外観

    日本の交通事情にもぴったりのコンパクトサイズ。都市部の立体駐車場にも入る全高1.55mが嬉しい。

     

    ❷ボルボ史上最速!

    走り

    0-100㎞/h加速はシングルモーターで5.3秒、ツインモーターで3.6秒。もはやドラッグレーサーなのだ。

     

    ❸航続距離がスゴイ!

    充電シーン

    日本仕様の「シングルモーター・エクステンデッド・レンジ」モデルは1回の充電で560㎞も走れるぞ。

    ❹補助金で安くなる!

    日本での販売価格は559万円~とかなり戦略的な設定。EV補助金を使えば400万円台で買える。

    この小さな電気自動車はどんな未来を見せてくれるのか?

    サステナブルなインテリアデザイン

    PCRの再生プラスチック

    ダッシュボード拡大

    室内パネルはPCR(使用済みの製品を回収し再資源化した)プラスチックを使用。独特な質感をモダンデザインに生かしている。

    バイオ素材のノルディコシート

    後席

    シートには天然皮革を使わず、ボルボが開発したノルディコ素材を採用。生物由来の素材やリサイクルコルクを使用したエコな布材だ。

    ドアには一切スイッチがない

    トリム

    ドアにはノブ以外何もない。パワーウインドウやドアロックの操作ボタン、内蔵スピーカーを廃することでリサイクル性を向上させた。

    インフォテイメントと安全性

    すべての情報を一元化

    ナビ画面

    ダッシュボード中央に配置した12.3インチのタッチスクリーンディスプレイにさまざまな情報を集約。操作のほとんどもここで行なう。

    運転に集中できる環境

    ステアリングホイール

    視界に入る情報を整理することで運転に集中できる。必要最低限の表示だけに制限する機能など、安全を最優先した設計がされている。

    都市部での高い安全性

    イメージカット

    視野の広いサイドミラーに加え、横を走る自転車や電動キックボードを感知し、不用意にドアを開けないようアラートを発してくれる。

    日本上陸はシングルモーターから

    止まり横外観

    日本では「シングルモーター・エクステンデット・レンジ」からの導入となる。2024年2月より順次デリバリーが開始される。

    止まり後ろ外観

    止まり前外観

    【駆動方式】2WD
    【ボディー寸法】
    ●全長/4,235㎜ 
    ●全幅/1,835㎜
    ●全高/1,550㎜ 
    ●最低地上高/175㎜
    ●最小回転半径/5.4m 
    ●ホイールベース/2,650㎜
    ●トレッド/前1,590㎜/後1,595㎜
    ●タイヤサイズ/245/45R19 
    ●車両重量/1,790㎏
    ●乗車定員/5名

    【エンジン】
    ●駆動用バッテリー/総電力量69kWh
    ●最高出力/200kW(272ps)/6,500~8,000rpm
    ●最大トルク/343N・m/5,345rpm
    ●一充電走行距離(WLTCモード)/560㎞

    2024年にはクロスカントリーが出る?

    クロスカントリー仕様

    日本への導入は決まっていないものの、ボルボの公式HPにはこんな画像もアップされている。これ、ビーパル的には気になるでしょ。てか、ホーボー的にはこれぞ直球ど真ん中! 貯金するか!

    クロカン仕様横

    クロカン仕様俯瞰

    ※構成/ホーボージュン

    (BE-PAL 2024年1月号より)

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