オーストラリアの平原に現れた「謎の巨石群」。遺跡か墓か、はたまたコレは…!? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2023.12.02

オーストラリアの平原に現れた「謎の巨石群」。遺跡か墓か、はたまたコレは…!?

地球上とは思えない殺風景です。

地球上とは思えない殺風景です。

オーストラリアの殺風景な大地に突如現れた摩訶不思議な「巨石群」のようなもの。今回は、この謎に迫りたいと思います。どうも、矢追純一……じゃなくてオーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

若い読者のみなさん、またしても意味不明なギャグですみません。…あっ、「どうも、関暁夫です」にすれば良かったのか。

さて、その「巨石群」を別角度からも見てみましょう。

遠くに緑が見える分、殺風景さは…あまり変わらないですね。

遠くに緑が見える分、殺風景さは…あまり変わらないですね。

この「巨石群」らしきものを発見したのは、オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州)の州都ダーウィンから直線距離で東に100キロ。ただ、道路では「コの字」に迂回しなければならないので3時間近くかかる、バムルプレインズ(Bamurru Plains)という超高級な「グランピング施設」です。

バミュールプレインズはそのうち別の記事で紹介すると思うので、今回はサワリだけ。外観はこんな感じのサファリスタイルの常設テントです。

バムルプレインズはそのうち別の記事で紹介すると思うので、今回はサワリだけ。外観はこんな感じのサファリスタイルの常設テントです。

キャンバス地で囲まれた部屋の中はこんな感じ。外の風景がシルエットで美しいですね。

キャンバス地で囲まれた部屋の中はこんな感じ。外の風景がシルエットで美しいですね。

サファリスタイルの常設テントの部屋から一歩出ると、冒頭のような魔訶不思議な光景が広がっていたのです。

さて、みなさん、ここで問題です。

1問:この巨石群は誰がつくったものでしょう?

①自然の風化作用によってつくられたもの

②人間がつくった遺跡や墓など

③人間以外の動物がつくったもの

④解明されていない未知の物体(宇宙人作成?)

さあ、みなさんお考えください。回答は決められましたか?じゃあ、話を進めます。

まず①と思われた方。あなたは、もしかしたらオーストラリア通かもしれませんね。じつは、西オーストラリア州にはこれとよく似た「ザ・ピナクルズ」という観光名所があります。

砂漠に林立する巨岩群「ピナクルス」。ちなみに「ピナクル」とは「尖塔」とか「とがった峰」とか「頂点」といった意味です。(オーストラリア政府観光局提供)

砂漠に林立する巨岩群「ピナクルス」。ちなみに「ピナクル」とは「尖塔」とか「とがった峰」とか「頂点」といった意味です。(オーストラリア政府観光局提供)

これまた摩訶不思議な風景ですよね。

人と比べるとなかなかの大きさですね。(オーストラリア政府観光局提供)

人と比べるとなかなかの大きさですね。(オーストラリア政府観光局提供)

この「ザ・ピナクルズ」、砂岩のように見えますが、じつは石灰岩の石柱。どうやってできたかは諸説紛々で未だ完全に解明はされていませんが、いずれにせよ自然の力でつくられたものです。

ただ、今回の謎である冒頭の「ノーザンテリトリーの巨石群のような物体」は、自然にできたものではありません。というわけで①は残念ながら不正解です。

次に④と思われた方。確かにちょっと映画「2001年宇宙の旅」に出てくる「モノリス」っぽくもあります。ただし、これは宇宙人などが作成した未知の物体ではありません。というわけで④も不正解。ちなみに「モノリス」とは、そもそもは「一枚岩」といった意味です。

製作者が「自然」でも「宇宙人」でもないとすると、「人間」か「動物」の二択に絞られてきました。でも、まあよくよくかんがえてみたら、こんなものつくる動物なんていないか、じゃあ正解は「人間」かと……と「スーパーヒトシ君」を立てたくなるかもしれませんが……じつはいるんですよ。これをつくる動物が。

というわけで、正解は「③人間以外の動物がつくったもの」です。ちなみに、最初にお見せしたものよりもずっと大型のものもあります。

大きさがわかるように旅でお世話になったドライバーさんに立ってもらいました。でも芸がないので……。

大きさがわかるように旅でお世話になったドライバーさんに立ってもらいました。でも芸がないので……。

こんな写真とか……。

こんな写真とか……。

こんな写真を撮ってみました。

こんな写真を撮ってみました。

ライター稼業も大変です。…はい、遊んでいるだけにしか見えませんね。

ここで第2問です。

2問:これをつくる動物はいったい何?

①哺乳類

②爬虫類

③鳥類

④昆虫

おわかりになりますか?ここはあっさり正解をお伝えしましょう。こんなにデカいものをつくるのだから、もちろん正解は①の哺乳類……ではなくて、じつは④の昆虫です。

その昆虫の名前は「シロアリ」です。はい、木造家屋とかを食い荒らす憎きアヤツらです。

デカいのが数個並んで建てられている場所もあります。

デカいのが数個並んで建てられている場所もあります。

じつは、オーストラリアでもシロアリの被害は大きく、私の住むブリスベンでも木造家屋は少なくとも数年に一度くらいは「シロアリ調査」をすることが推奨されています。近所では、シロアリに高床式の家の土台が食われた家もあります。

それと、最近はどうかわからないのですが、ノーザンテリトリーの州都ダーウィンではコンクリートではなく丸太の電柱の場合、以前は地面と接する土台を金属製にして、その上に立てていました。地面に住むことも多いシロアリに根元から食い荒らされることが多いので、それを避けるためだそうです。

では、今回お見せしているアリ塚もシロアリたちが木からつくっているのか?と思われるかもしれませんが、そうではなく、土と自分たちの排せつ物をあわせて固めているとのこと。そして、中には数百万匹が住んでいるのだとか。数百万匹!東京都区部とか横浜市とか大阪市の人口並じゃん!

ちなみに、先ほどお見せしたドライバーさんや私がいっしょに写真を撮ったものは高さ4メートル前後。ダーウィンからユネスコの世界遺産(複合遺産)でもあるカカドゥ国立公園に向かう「アーネムハイウェイ」という幹線道路の途中で撮ったものです。

ダーウィンを出発して1時間経ったあたりから、このくらいのサイズのアリ塚はゴロゴロ出てきます。幹線道路沿いっていうのがすごいですよね。まあ、シロアリにしてみたら交通量はあまり関係ないんでしょうね。

でも——。「昔もっと大きいアリ塚を見たことあるなあ」とふと思いだしました。そこで、私の優秀な秘書陣の一員であるGoogleフォトに命じて探させたところ……やっぱり出てきました!19年前の写真です。

19年前と今とやってることが変わらない私って……。まあ、男はいつまでも子どもなんです。

19年前と今とやってることが変わらない私って……。まあ、男はいつまでも子どもなんです。

私の身長が180センチメートルですから、約6メートル級の大物ですね。

みなさんもぜひ「アリ塚ハンター」としてオーストラリアのノーザンテリトリーに遊びにきてください。

 

バムルプレインズ(Bamurru Plainshttps://www.bamurruplains.com/

2名で12425豪ドル(約24万円)~(滞在中の全食事と午前・午後1回ずつのサファリツアー付き。アルコールを含むすべての飲料が飲み放題。最低2泊から予約受付)

私が書きました!
オーストラリア在住ライター
(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫
1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブのお世話係https://www.kaigaikakibito.com/

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