二次燃焼ができる薪ストーブがよいといわれても、仕組みやメリットがピンとこない人も多いのではないでしょうか。二次燃焼の仕組みや優れている部分、そして二次燃焼ができるおすすめの薪ストーブを紹介するので、ぜひチェックしましょう。
薪ストーブの二次燃焼とはどんな仕組み?
そもそも薪ストーブにおける二次燃焼とはどのような仕組みなのでしょうか。原理からストーブで発生させる仕組み、メリットを解説します。
燃え残った可燃ガスを燃焼させること
二次燃焼とは、燃料を燃やして発生した煙を加熱し、再度燃焼させることです。薪を燃やすと、まず可燃ガスが発生し燃焼します。これが一次燃焼と呼ばれる現象です。
しかし一次燃焼だけでは酸素が足りず、すべての可燃ガスが燃えることはありません。不完全燃焼となった部分は煙となって現れます。ここまでは一般的な薪ストーブや焚き火台でよく見る光景です。
二次燃焼とは、不完全燃焼の可燃ガスに高温の空気を送って再度加熱し、燃焼させることです。つまり煙に含まれる燃え残りの可燃成分まで燃やしきることで、さらに火力が得られるということになります。
二次燃焼ができる薪ストーブ・焚き火台の構造
二次燃焼ができる薪ストーブには、本体の横と上部に穴が空いています。二次燃焼を起こすには、煙を燃やすために空気を送らなければならないためです。
薪が燃えると、空気が本体横の穴を通ります。穴を通っている間に空気が熱せられて上昇し、上部の穴から出てきます。高温になった空気が出てきたときに、燃え残った可燃ガスを加熱して二次燃焼を起こす構造です。
製品の説明文には『2層構造』と書かれていることがあるので、選ぶときはチェックしましょう。
二次燃焼をするメリット
二次燃焼をするメリットは、以下の通りです。
- 薪を余すことなく燃やせるため、燃焼効率がアップする
- 煙やにおいが少ない
- 灰が少なく片付けが楽
- 火の粉が出にくい
二次燃焼では一次燃焼で燃え残った可燃ガスまで燃焼させるため、薪から得られる燃焼効率をアップさせられます。それに伴い、煙やにおいも少なくなるので、風下にならないようチェアを動かしたり、就寝時ににおいに悩まされたりといったストレスも軽減されるでしょう。
二次燃焼をすると薪を燃やし切るため、残った灰が少ないというメリットもあります。灰もサラサラなため、手入れがしやすく楽なのもポイントです。また細かい燃えかすまで燃焼するため、火の粉も飛びにくくなっています。
デメリットを挙げるとすれば、火力が強くなりすぎる可能性があることくらいです。しかし、燃焼庫にくべる薪の量を少なめに調整することで適切な熱量を得ることができますし、後片付けの手間や燃焼効率の高さを考えれば、気にならないでしょう。
二次燃焼のおすすめ薪ストーブ【ボックス型】
二次燃焼を使った薪ストーブの中でも、箱状の形をしたモデルを四つ紹介します。ボックス型は折りたたみがしやすく、収納性が高いのが魅力です。
キャプテンスタッグ「ファイアブースト ストーブ」
別売りの金網を置いて、バーベキューができる薪ストーブです。他にも鉄板やダッチオーブンなど多彩なオプション品を組み合わせることで、ストーブ以外にもマルチに活躍してくれます。
本体側面を空気が通って二次燃焼を起こすので、燃焼効率を高めて効果的に料理や暖房の利用ができます。フラットに折りたたむことが可能で、収納袋が付いているので持ち運びにも便利です。
重量も約2.3kgと軽量で、どこにでも持ち運べる軽さも魅力です。
- 商品名:キャプテンスタッグ「ファイアブースト ストーブ」
- 公式サイト:商品はこちら
キャプテンスタッグ
ファイアブースト ストーブ
組立サイズ:(約)幅250×奥行220×高さ280mm、網サイズ:(約)240×160mm 収納サイズ:(約)幅370×奥行380×厚さ80mm 製品重量:(約)2.3kg
FIREGRAPHIX「BLISS-SP」
FIREGRAPHIXのフラッグシップモデルを改良した薪ストーブです。フロントドア内の整流板の設置や、二次燃焼用の空気穴の位置や形状の変更により、燃焼効率や操作性の向上に成功しました。
大きい窓から内部の炎を見られ、揺らめく炎を見てリラックスができます。大きさは約42×56.7×36cm、重量は約17.8kgと車での運搬がおすすめです。
使用時には必要な煙突は別売りなので、併せて購入しましょう。
- 商品名:FIREGRAPHIX「BLISS-SP」
- 公式サイト:商品はこちら
ホンマ製作所「フォールディングキャンプストーブ HS-440」
薪ストーブの人気メーカー・ホンマ製作所のアウトドア用フラッグシップモデルです。折りたたみ式で、ネジや工具不要で簡単に組み立てられる手軽さが魅力です。収納時はフラットに折りたたむことが可能で、収納ボックスが付いているので持ち運びにも困りません。
天板は約0.45cmの厚鉄板を使用しており、ゆがみの心配は不要で天板の上で調理が可能です。本体はステンレス製で耐久性は高く、大きなガラスが張られた窓からは、揺らぐ炎も見られます。
長く伸びた煙突は、冬のキャンプの雰囲気をより上げてくれます。最大40cm程度の長い薪も入れられる使い勝手のよさもポイントです。
- 商品名:ホンマ製作所「フォールディングキャンプストーブ HS-440」
- 公式サイト:商品はこちら
ホンマ製作所
フォールディングキャンプストーブ HS-440
煙突径:φ100mm ※ホンマ製作所のφ100mm煙突(別売)で延長できます 組立サイズ:W476xD337xH420(煙突含:D542xH2120) mm 重量:11.8kg(付属品含:16.9kg)
ファイヤーサイド「DOMINO6」
約30坪の広範囲を暖められる薪ストーブです。アウトドア用よりは家庭での使用に向いており、天板での料理はもちろん、燃焼室の下部はオーブンとしても使えます。
鋳物とステンレスによる洗練された外観は、キッチンを一気にヨーロピアンな雰囲気に格上げしてくれます。さらに二次燃焼を利用することで、85%以上の高い燃焼効率を実現しました。これにより部屋を効率的に暖めてくれます。
天板やオーブン用の豊富なオプション品が販売されており、耐火レンガを使って石窯風にアレンジもできます。ピザピールも販売されているので、憧れの自家用ピザ窯としても利用できるでしょう。
- 商品名:ファイヤーサイド「DOMINO6」
- 公式サイト:商品はこちら
二次燃焼のおすすめ薪ストーブ【円柱型】
円柱型は炎を一点に集中して安定した火力を発揮できるのが特徴で、二次燃焼の効果をより引き出してくれます。そんな円柱型の薪ストーブのおすすめ商品を紹介します。
デカトロン「QUECHUA(ケシュア)キャンプ ウッドストーブ MH500」
小柄ながら1Lの水を約10分で沸騰できるパワフルな薪ストーブです。長さ15cm・直径5cmまでの薪なら入れられ、使用中に薪を追加したいときはサイドドアから投入できます。
付属の棒を使えば、燃焼中でも場所の移動ができるので便利です。ただし、この金属棒は火吹き棒としての利用はできないので注意しましょう。
本体の下部には灰受けがあり、使用後は簡単に掃除ができます。総重量は約1.58kgと軽量で、収納袋も付いているのでキャンプシーンで大活躍です。
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- 商品名:デカトロン「QUECHUA(ケシュア)キャンプ ウッドストーブ MH500」
- 公式サイト:商品はこちら
デカトロン
QUECHUA(ケシュア)キャンプ ウッドストーブ MH500
サイズ:直径(上部:13.5cm / 下部:19cm) 高さ24.5cm。 収納サイズ:20×20×25cm 重量:1,580g
ロゴス「コンパクトハイカロリーTAKIBI」
シンプルな円柱型のデザインが、かえって洗練さを感じさせる薪ストーブです。丸い火口から出る炎の形は美しく、見ているだけでリラックスできるでしょう。
焼き網を置いたり、フライパンを使ったりして調理も可能です。別売りの『ダッチオーブン』と『クワトロポッド』を組み合わせれば、ダッチオーブンを吊るして調理もできます。
重量は約2.7kgと持ち運びしやすく、別売りの『ベイラーバッグM』を収納袋としても使えます。オプション品との相性もよく、ロゴスユーザーには導入しやすいアイテムです。
- 商品名:ロゴス「コンパクトハイカロリーTAKIBI」
- 公式サイト:商品はこちら
ロゴス
コンパクトハイカロリーTAKIBI
重量:(約)2.7kg サイズ:(約)直径20×高さ21.5cm 火床内寸:(約)直径17×深さ16cm 収納サイズ:(約)直径20×高さ17cm
尾上製作所「CAMBi II」
カバーを付けることで、二次燃焼を利用できる薪ストーブです。カバーを付けないときは焚き火台として使用可能です。重量は約2.5kgと軽量で、持ち運びがしやすくなっています。
別売りのチェーンやSカンを使えば、吊り下げモードとしても使えます。薪の入れ方を工夫すれば、網を敷いてバーベキューもできるでしょう。焚き火台と薪ストーブの1台2役ができる便利なアイテムを探している人におすすめです。
- 商品名:尾上製作所「CAMBi II」
- 公式サイト:商品はこちら
ソロストーブ「キャンプファイヤー」
約0.95Lの水を2〜4分で沸かせるパワーのある薪ストーブです。サイズ違いで『タイタン』『ライト』もあり、キャンプファイヤーはファミリーでの使用に向いている最大サイズです。
二次燃焼を採用した構造により、小枝などでも燃焼効果を期待できます。ゴトクが標準装備されているため、そのまま鍋やフライパンを置いて調理が可能です。また、別売りの鍋セットである『2ポットセット』との互換性が特に高くなっています。
重量は約0.998kgと軽量なので持ち運びもしやすく、材質はステンレスのため耐久性も高い仕様です。
- 商品名:ソロストーブ「キャンプファイヤー」
- 公式サイト:商品はこちら
二次燃焼を利用した焚き火台もおすすめ
二次燃焼を利用したアイテムには、焚き火台もあります。より調理や焚き火を楽しみたい人に向けて、おすすめのモデルを二つ紹介します。
モンベル「フォールディング ファイヤーピット」
コンパクトに折りたためる焚き火台です。別売りのクッカースタンドを使えば、ダッチオーブンでの調理もできます。
二次燃焼によって効率的に着火できるため、バーベキューの着火もしやすいでしょう。メンテナンスが簡単な、丈夫な焼き網も付属しています。本体の重量は約4.1kgと少々重めですが、収納袋が付いているため持ち運び自体はしやすいといえます。
付属品の網やロストルで心もとない場合は、別売りのより耐久性の高いものも購入可能です。
- 商品名:モンベル「フォールディング ファイヤーピット」
- 公式サイト:商品はこちら
スノーピーク「フローガ」
『焚火台L』の上にセットすることで、二次燃焼を可能にしてくれるアイテムです。本体は二つのパーツに分けて折りたたんで収納でき、ステンレス製なので耐久性も問題ありません。
すでに焚き火台を持っており、においを気にしている人や火力に物足りなさを感じている人におすすめです。収納袋が付いていますが、重量は約4.8kgと少々重めなので、追加で購入する際は持ち運びの負担を考えましょう。
収納袋については、別売りでキャンバス生地を用いた専用ケースの購入もできます。
- 商品名:スノーピーク「フローガ」
- 公式サイト:商品はこちら
まとめ
二次燃焼とは、一次燃焼で燃え切らなかった可燃ガスを再度燃焼させることです。二次燃焼が可能な薪ストーブを使えば、燃焼効率が高まるだけでなく、煙が少ないことでにおいが付きにくく、灰がサラサラで処分しやすいといったメリットを得られます。
二次燃焼が可能な薪ストーブには大きく『ボックス型』と『円柱型』があります。ボックス型はガラス窓越しに中身が確認しやすく、円柱型は炎が一点に集まって効率がよいなどそれぞれメリットがあります。
自分が求める性能に合わせて、ぴったりの1台を手に入れましょう。