光沢のある艶やかな翅(はね)が目印! タマムシの貴重な産卵シーンを目撃しました
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    2023.08.04

    光沢のある艶やかな翅(はね)が目印! タマムシの貴重な産卵シーンを目撃しました

    横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行なっている“ご近所生きもの観察案内人”の相川健志さん。今回は、多様な種類がいる「タマムシ」について案内します。

    タマムシってどんなムシ?

    さまざまな解釈ができる表現などのことを「タマムシ色」といいます。では、タマムシとはどんな虫か、ご存知でしょうか。

    タマムシは、一般的にタマムシ科の甲虫の総称。緑や赤などの金属光沢のあるキレイな上翅(硬いはね)が特徴です。法隆寺の「玉虫厨子」(たまむしのずし)には、「ヤマトタマムシ」の上翅が使われています。

    ヤマトタマムシの幼虫期間は23年で、成虫の寿命は2か月程度。活動するのは日差しの強い夏の時期です。成虫はエノキやケヤキなどの葉を、幼虫はエノキ、サクラ、ヤナギなどの木(材)を好みます。

    多士済々なタマムシの仲間たち

    タマムシは世界で2万種以上、日本でも200種以上が確認、記録されています。筆者の活動拠点である横浜郊外で見つけたタマムシを、以下に紹介します。

    ヤマトタマムシルリタマムシ属)は、日本産タマムシでは最大種。成虫は40mmくらいの大きさで、59月ごろによく見られます。

    ヤマトタマムシ。

    ヤマトタマムシ。

    ウバタマムシマダラタマムシ属)の成虫も40mmくらいのサイズになり、マツ類の葉を好みます。成虫は49月ごろに見ることができ、越冬をすることでも知られています。

    ウバタマムシ。

    ウバタマムシ。

    ムネアカナガタマムシナガタマムシ属)の成虫は10mmくらい。幼虫・成虫ともにエノキやエゾエノキを利用し、成虫は67月に見ることができます。

    ムネアカナガタマムシとニホンカナヘビ。

    ムネアカナガタマムシとニホンカナヘビ。

    コウゾチビタマムシチビタマムシ属)の成虫は3mmくらい。コウゾ、カジノキ、クワなどをを好み、成虫は49月ごろによく見られます。

    コウゾチビタマムシ。

    コウゾチビタマムシ。

    チビタマムシ属の一種。

    こちらもチビタマムシ属の一種。

    ヤマトタマムシの産卵

    近所で、ヤマトタマムシの産卵シーンを目撃しました。ここから23年後、成虫となって次世代へ命をつないでいきます。

    ただ、残念ながらヤマトタマムシは近年、開発などによって生息環境が失われ、個体数を減少させています。地域によっては、絶滅危惧種にも指定されています。

    ①ヤマトタマムシの雌がやってきました。

    ①ヤマトタマムシの雌がやってきました。

    ②クヌギの切り株の裂け目に頭を突っ込んで産卵場所を確認します。

    ②クヌギの切り株の裂け目に頭を突っ込んで産卵場所を確認します。

    ③確認が終わると反転してお尻を突っ込んで産卵します。

    ③確認が終わると反転してお尻を突っ込んで産卵します。

    ④同じ行動を何回か繰り返して数カ所に産卵しました。

    ④同じ行動を何回か繰り返して数か所に産卵しました。

    チビタマムシの仲間などは数ミリ程度なので、小さすぎてなかなか視界に入らないかもしれません。でも、タマムシの仲間は身近な場所にしっかり暮らしています。機会があれば、ぜひ小さなタマムシたちの世界をのぞいてみてください。

    私が書きました!
    ご近所自然観察案内人
    相川健志
    NPO法人Dream eggs ゆめたま代表。環境コンサルタント、ビオトープ管理士。横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行っている他、調査や駆除などで死んでしまった生きものの透明骨格標本づくりも行なっている(https://twitter.com/NatureCreators_)。

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