毛バリ釣りの達人イラストレーター・つがおか一孝さんの「一生モノ道具」拝見! | 道具・ギア 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2017.07.23

毛バリ釣りの達人イラストレーター・つがおか一孝さんの「一生モノ道具」拝見!

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成り立ちがわかるとモノとの距離が縮まる!

世界一かっこいい家が、葉山にある。御用邸脇の海辺に立つ築70年の平屋。まばゆい陽射しがふりそそぐリビングには、古くて上等なアウトドアの道具たちがあふれている。

無造作に置かれたラレーのロードレーサー、古いケルティのフレームパック、脂の抜け落ちたバブアー/ビューフォート、そして「200A」や「242B」といったヴィンテージのコールマン・ランタン……。まるで宝箱の中に放り込まれたようなこの家の主は、イラストレーターの、つがおか一孝さんである。

「こんなふうに何十年も一緒に過ごしていると、単なる道具ではなく、古い友達のような感じがしてくるんですよ」という、つがおかさんは日本のアウトドア界を切り開いてきたレジェンドのひとりだ。

1975年に発刊され、いまや伝説となった『MADE IN USAカタログ』シリーズでイラストを担当。その後『アウトドア』『フィールド&ストリーム日本版』などに精緻で透明感あふれる作品を数多く寄せてきた。

毎夕、海でフライロッドを振るのが日課。パタゴニアのフィッシングベストは渓流釣り用。

アメリカ製のラレー/カールトンと東京サイクリングセンターのクロモリバイク。

デッサンには三菱鉛筆「ユニ」を愛用。製造ロットによるブレがなく使いやすい。

リビングには何足ものビーンブーツが並ぶ。まだ「メインハンティングシュー」と呼ばれていた頃のモデルだ。

アトリエの梁にはケルティ/タイオガやグレゴリー/カシンが下がる。’70年代後半のモデルだが今も現役だ。

氏の家には20年、30年と修理を繰り返しながら使っている道具がたくさんある。登山靴は何度もビブラムソールを張り替えたし、フィルソンのリュックは、革のハーネスがもげて本社で修理不能といわれたものを、仲間の革職人に頼んで直してもらった。

「こうやって手直ししながら使っていると、そのモノの仕組みというか、成り立ちがよくわかるんです。そしてそれがわかると自分とモノとの距離がぐっと縮まるんですよね。友情と同じです」

つがおかさんは道具を買うときには徹底的に吟味するというが、そのモノ選びの基準はなんだろう?

「うーん……。僕の場合は“絵になるかどうか”でしょうか。眺めていて気持ちのいいモノ、 思わず鉛筆を手にとって描きたくなるようなモノが好きですね。僕は最新の機能を備えているからといって何かを買うことはありません。一生付き合っていけるモノかどうかを見定めますね」

廊下にはヴィンテージのコールマンがさりげなく置かれていた。左は1941年製の「242B」、右は珍しいグリーンの「200A」。さて。この日、僕はつがおかさん(左)の愛車で海沿いの国道を流しに行った。’84年式のシボレー/S10ブレイザー。若いころ、麻布の街角で見かけて一目惚れし、25年前に偶然同じ色の中古車を見つけて手に入れた。以来、キャンプに、家族旅行にいつも一緒だ。

「ところが一昨年、エンジンが焼き付くという大トラブルに見舞われたんです。なにしろ古いクルマなので、このときも廃車を薦められたのですが、どうしてもコイツへの想いが断ち切れなくて……」

つがおか家ではクルマも家族だ。愛犬と同じように、生き物として接してきた。

その胸の内を手紙にしたため修理工場に送ったところ、心意気に動かされたスタッフが、2か月もかけコツコツと修理してくれた。いま、つがおかさんは愛しいシェビーのステアリングを再び握れるシアワセを噛みしめている。

インディアンサマーの午後。葉山から長者ヶ崎へと続く坂道を嬉しそうに駆け上がる姿に、人と道具の至福の関係を見た気がした。

 

ホーボージュン文=ホーボージュン

大海原から6000m峰まで世界中の自然を旅する全天候型アウトドアライター。Twitterアカウントは「@hobojun」

◎撮影/中村文隆

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