アメリカで今最も注目されている電気自動車(EV)の一つ、「 Rivian(リビアン) R1S SUV」。クールなデザインなのに、機能は実用的。そして何より次世代の環境対応電気自動車なのにオフロードが得意!という前例のないエコSUVとして話題になっている。
高級車なのに予約が殺到!
最近ではアメリカのあらゆる州で見かけるようになったこちらの新鋭自動車、価格はなんと1000万円以上という高級車にもかかわらず、予約は殺到。納車まで1年以上待たされるという人気っぷりだ。現在、電気自動車の高級車としてはテスラが注目されているが、テスラは基本的に街乗りタイプ。それに対してリビアンはSUVやピックアップトラックといったアウトドアも視野に入れたカジュアルなタイプというイメージだ。
今回はこの話題の「リビアン R1S SUV」について、キャンプ場にて試乗する機会があったのでレポートしよう。
クールなデザインなのに、機能がワイルド!
一度見ると忘れないインパクトのあるスタイリッシュなデザイン。特に夜間走行をすると、フロントライトが印象的なのですぐにわかるようだ。一見、シンプルでクールなデザインなので街乗り用かと思いきや、実は岩場や水場などのオフロードに強いというワイルドさを秘めているところがポイントのようだ。
急勾配な山道も水辺も難なくクリアできる
「リビアン R1S SUV」のプラットフォームは、スケートボードタイプ。各ホイールに電気モーターを搭載し(4モーター方式)、全輪駆動システム(AWD)により、オフロード能力を発揮。さらに水深90cmのところでも走行が可能なんだとか。
キャンプモード搭載で車内宿泊もしやすい
キャンプモードを選べば、エアサスペンション機能が発動。常に車体を水平に、一定の地上高を確保できる機能が付いているのだ。後部座席を倒してフラットにすれば、極上の車中泊環境を整うというわけだ。
スポーツカー並みのパワーも併せ持つ
約3秒で時速60マイル(約96.5km/h)に到達するというスポーツカー並みのパワーも自慢。大型ボディにもかかわらず、静かに、瞬時にスピードを出すことができるという点でも未来を感じることができる車と言える。ちなみにフル充電での最長走行距離は316マイル(約508km)だ。
高級感のあるインテリアにキャンプギアが隠されている!?
高級感のある内装をさらにランクアップさせるのが、贅沢な大きなガラス張りの天井。マットブラックの内装仕上げや暖房付きシートなど細かいところに高級車のこだわりが光っている。さらに車内には取り外しが可能なスピーカーを搭載してあるので、キャンプ場への持ち込みも可能。またドアにはアウトドアの必携品・ライトが設置されている。
ネットワーク経由で将来的にレベルアップも可能
リビアンのモジュラーテックシステムにより、全コンポーネントをネットワーク経由でソフトウェアアップデートできるという点もポイントだ。レベル3の自動運転技術を将来的にさらにレベルアップしていけるのだ。
スタートアップ会社だからこそ実現した近未来カー
ここで少しリビアン・オートモーティブ社について説明を加えておこう。カリフォルニア州アーバインに本社を置くリビアン・オートモーティブ社は、2009年にR・J・スカリンジによって設立され、2021年11月に株式を公開したばかりの新鋭企業。アマゾンやフォードが出資する新興EVメーカーで、電気自動車を牽引するテスラのライバル企業としても注目されている。生産工場は、かつて三菱自動車が組立を行っていたイリノイ州の工場を買収し、そこで働いていた従業員も再雇用する形で製造を行っていることでも注目されている。予約台数はすでに15万台を超え。アメリカでは今予約をしても納車は1年以上先になってしまうため、すぐに手に入らないところもプレミア価値が付いているようだ。
充電設備はまだ少なめだが、今年度中には急増予定
リビアンが設置する専用充電施設は、2023年には3500基以上の急速充電器を設置する計画で急増中。もちろん専用施設だけでなく、欧米で電気自動車充電のスタンダードとなったCCS(Combined Charging System)と互換性があるので既存施設も使える。自宅やポータブル充電器による120Vや240Vの充電も可能で、その場合はOTAでのアップデートが可能だ。電力は、100%を再生可能エネルギーで調達できる。
今回はリビアンSUV・7人乗りタイプを紹介したが、このほかにもSUV・5人乗りタイプ、ピックアップトラック型「R1T pickups」もすでに発売されている。そして今後さらに種類も増えていくことになるだろう。
日本でも2021年12月から予約受付が開始されていて、2023年には納車予定になっている。近々、日本の国内でも見かける機会が増え、ますますキャンパー達に注目されることになるだろう。
まったく庶民的な価格ではないが、環境を考慮した電気自動車でありながら、アウトドアに強い丈夫さ、スポーツカー並みのパワー、そして単なる街中ドライブにもぴったりなオシャレさを兼ね備えたオールマイティーな次世代カーと考えれば、納得の価格!?(もちろん私は買えませんが…)