鳥取市鹿野城跡から城下町と温泉を楽しみ、日本海の絶景を愛でる!
鳥取、兵庫、京都の3府県にまたがり日本海沿岸に延びる総延長230kmの歩き道、山陰海岸ジオパークトレイル。このトレイルのハイライトコースでもある鳥取県エリアで「日帰りで歩きたいけど、どこがおすすめ?」という読者の疑問に答えるべく、これまでJR鳥取駅から公共交通機関を使った5つのコースを紹介してきた。
その1はコチラ:BE-PAL推奨!山陰海岸ジオパークトレイル 絶景ハイクモデルルート1
https://www.bepal.net/archives/219869
その2はコチラ:BE-PAL推奨!山陰海岸ジオパークトレイル 絶景ハイクモデルルート2
https://www.bepal.net/archives/219934
その3はコチラ:BE-PAL推奨!山陰海岸ジオパークトレイル 絶景ハイクモデルルート3
https://www.bepal.net/archives/224250
その4はコチラ:BE-PAL推奨!山陰海岸ジオパークトレイル 絶景ハイクモデルルート4
https://www.bepal.net/archives/290954
その5はコチラ:BE-PAL推奨!山陰海岸ジオパークトレイル 絶景ハイクモデルルート5
https://www.bepal.net/archives/296933
第6弾は、鳥取エリアの西部、鳥取市鹿野城(しかのじょう)跡から城下町と温泉を楽しみ、日本海の絶景を愛でる。山陰海岸ジオパークトレイルの最西端であるJR青谷(あおや)駅をゴールとする鳥取市歴史探訪ルートを紹介しよう。
鹿野町総合支所バス停からハイキングスタート!
鳥取駅のバスターミナルから路線バスで鹿野町総合支所へアクセスし、古き良き街並みが残る鹿野の城下町から歩きだす。鹿野城主であった亀井茲矩(これのり)の墓所から鹿野の街を見下ろし、田んぼの中の隠れ家的公衆浴場でリフレッシュ!
絶景スポット魚見台から溶岩が固まった奇岩が続く海岸線を抜けて、山陰海岸ジオパークトレイルの最西端である青谷駅へゴール。山陰本線で再び鳥取駅へ戻る、公共交通機関を使った鳥取駅を起点とするハイクルートである。
鹿野城跡公園
鹿野の街を突っ切って、まずは鹿野城跡公園へ。戦国時代の城主亀井家の居城跡で、内堀、外堀、石垣などがいまでも当時の面影を残している。石階段を登った天守跡からは日本海が眺望できる。春には約500本のソメイヨシノが見事に咲き誇る桜の名所としても人気だ。
戦国時代に整備された城下町・鹿野は、江戸時代以降、京都と山口を結ぶ山陰道の一部、「鹿野往来」の宿場町として栄えた。当時の建物をそのまま活用した食事処やみやげ店が軒を連ねて風情がある。そのなかの人気店「夢こみち」で腹ごしらえ。
古民家を利用した「夢こみち」の前で記念撮影。町中に整備された水路は生活の一部となり、サトイモを洗うおじさんの姿も。夜になると商屋造りの建物が石灯篭に照らされ、長い歴史と人々の営みを感じられる温かい街並みだ。
城下町の一角にお店を構え、カフェ・バーを併設する「箱庭雑貨店」の暖簾に吸いよせられた一行。昭和の雰囲気を醸し出す店内とレトロな商品に目を奪われ、福袋をゲットした。ハイカーになる前に、一般観光客として城下町を楽しんだ。
城下町・鹿野から北へ歩くこと約20分。民家が軒を連ねる集落に突如現われた公衆浴場「鹿野温泉 今市集会所」。浴場から上がってきたおばさんに聞いたところ、二階が集落の集会所になっているからこの名前なのだとか。
暖簾と料金箱がなければ、まさに村の集会所というたたずまいの「鹿野温泉 今市集会所」。素朴だけど地元民に愛される名泉を誇る鹿野温泉! 手ぬぐいは必携だ。
亀井茲矩の墓所
鹿野城主として戦国時代を生きた亀井茲矩(これのり)は、「鹿野温泉 今市集会所」から距離にして1km弱の丘に眠る。領内の食糧事情を豊かにするため干拓や用水路の工事を積極的に行なった玆矩は、いまも地元民に慕われている。
亀井茲矩の墓所からは、彼が統治した鹿野の街並みと鹿野城跡を見渡すことができた。城の背後は深山に囲まれ、日本海まで広い水田が広がって、鹿野温泉や浜村温泉など温泉が各地で湧く。海と山に囲まれた鹿野は、栄えるべくして栄えた住みやすい平野にあった。
魚見台
イワシの大群がやってきたとき、ここから漁船に向かって旗を振って指示を出したといわれる魚見台。鳥取砂丘から白兎(はくと)海岸まで海岸線を一望できる絶景スポットだ。
溶岩が固まってできた夏泊海岸の岩場を歩く。複雑な岩礁にサザエやイワガキなどが豊富に生息していることから、この地では海女漁が盛ん。大潮や海が荒れているときは、波打ち際へ近づかないよう注意しよう。
波乗りに興じるサーファーを横目に青谷海岸の白浜を行く。遠浅のビーチは、細かい砂がぎゅっと詰まっていて歩きやすい。そして、鏡のように反射して眩しい。青谷海岸で日本海に流れ込む勝部川(かちべがわ)に沿って、青谷駅へ。
勝部川と日置川(ひおきがわ)が合流し日本海へ注ぐ平野にある鳥取市青谷町は、約2,200年前から人々が住み、集落が形成されていた。その遺跡を展示する青谷上寺地遺跡展示館に立ち寄った。弥生人骨と日本最古の脳に興味津々。発掘された農工具や漁労具、獣骨、貝塚などからわかるように、海と山に囲まれた青谷平野は、昔から豊かな暮らしが営まれていた。
JR青谷駅
山陰海岸ジオパークトレイルの最西端、山陰本線の青谷駅でゴール。木造で瓦屋根の駅舎は、コアな鉄道ファンに人気の駅だ。鳥取方面への列車を待ちながら、笑顔で歩き旅を振り返った。
海と山に囲まれた城跡から天然温泉に浸かって、日本海形成の爪痕を残す海岸線を歩き、われわれの祖先である弥生人の営みに触れるワンデイハイク。自然豊かで、歴史が色濃く残る山陰海岸の魅力をぎゅっと1日に詰め込んだ歩き旅だった。