「2ルームテントは初心者向け」というのは本当か?真偽を調べてみた | キャンプのコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.11.13

    「2ルームテントは初心者向け」というのは本当か?真偽を調べてみた

    2ルームテントが設営されている様子。

    ファミリーキャンパーの中に愛用者が多く、各社から多様な種類が販売されている2ルームテント。キャンプ場を見渡すと、実際に多くのキャンパーが2ルームテントを利用しているのを見かけます。

    そして、「2ルームテントは初心者向け」と一般的に言われていますが、その真偽のほどはいかがでしょうか?

    今回は2ルームテントのメリットや注意点をお伝えしながら、「2ルームテントは本当に初心者向けなのか?」を検証したいと思います。

    そもそも 2ルームテントとは?

    2ルームテントのリビングの様子。

    2ルームテントのリビング部分。

    2ルームテントとは、リビング部分と寝室部分が分かれているテントのことです。

    2ルームテント以外でも、2部屋あるタイプのテントはあります。例えば「ドームテント」と呼ばれるタイプです。ドームテントにも一般的に寝室と前室の2部屋が備わっています。

    しかし、2ルームテントと呼ばれるタイプはドームテントよりも前室部分が広く、天井にも高さがあるため、前室部分に椅子や机を置いてリビングとして使用ができるのです。ドームテントは、前室に多少の荷物を置けるくらいの広さ、というのがほとんどです。

    また、2ルームテントには、主にポールをクロスさせて立ち上げるドーム型と、ポールを平行に並べて立ち上げるトンネル型の2種類があります。「初心者に向いている」とよく言われるのはドーム型です。

    そこで今回は、ドーム型の2ルームテントを例に上げて検証いたします。

    2ルームテントは1人でも設営しやすい?

    答え:NO

    実は、2ルームテントは慣れていなければ設営が大変なテントです。

    例えば小さな子どもを連れたファミリーの場合、母親か父親が子どもにかかりきりになってしまうことも多く「親1人でテントを設営する」というシチュエーションも考えられますよね?

    1人での2ルームテント設営は、初心者にとって心理的にも技術的にもハードルが高いです。最悪の場合、設営がうまくいかずテントポールに余計な力をかけてしまい、ポールが折れてしまうことも……。

    そのため、2ルームテントは2人以上での設営をおすすめします。

    2人で2ルームテントを設営する際の、ちょっとしたコツは以下になります。

    • 2ルームテントは半分ずつ立ち上げる
    • 2ルームテントの左右にひとりずつついて、同じ作業を同時に行う
    地面に2ルームテントが広がっている。

    設営前の2ルームテントを広げた様子。

    一般的な2ルームテントのメインポールは、寝室部分の上にクロスする2本、リビング部分の上にクロスする2本の計4本です。

    設営の際に、4本全てのメインポールをテントに差し込んでから、ポールを立ち上げようとしても、なかなか上手くいきません。ポール同士が引っかかったり、テントの重みでテントの本体が持ち上がらなかったりするからです。

    2ルームテントを設営している様子。

    2ルームテントの半分が立ち上がった状態。

    寝室部分、リビング部分、どちらからでも構いませんので、2ルームテントは半分ずつ立ち上げるのがおすすめです。

    まずは、2本のポールをスリーブ(ポールをテント本体に差し込む場所)に通し、ポール2本をクロスした状態で、ポールを持ち上げ、釣り竿のようにしならせましょう。ポールがしなって立ち上がったら、ポールの両端をテント本体の下部にあるピンに差し込んで、ポールを固定します。これでテントの半分が立ち上がった状態になります。

    2ルームテントにポールを差し込んでいる様子。

    2ルームテントの半分が立ち上げた後に、もう半分を立ち上げます。

    テントの半分が立ち上がったら、残った2ヶ所のスリーブにポールを通して、同じ要領でテントのもう半分を立ち上げましょう。

    2ルームテントは基本的に左右対称の作りです。そのため、テントの左右両側に1人ずつが位置して作業を行うことで、テントやポールに余計な負荷をかけることなく、スムーズに設営ができます。ポールを立ち上げる、テントのピンにポールを固定する、といった作業はテントの左右から2人で同時に行うのがおすすめです。

    このように少し設営が大変な2ルームテントですが、単体で寝室とリビングができてしまうのはメリットです。1部屋しかないテントを寝室として使用した場合、リビング部分としてタープを設営する必要も出てきます。そのため、「設営が大変だから2ルームテントは初心者には向いていない」とは必ずしも言えないでしょう。

    2ルームテントは利用人数ぴったりの広さでもかなりゆったりしてる?

    答え:NO

    寝室の中にマットと寝袋が広がっている。

    寝室の中にマットと寝袋を広げた様子。

    こちらは2ルームテントの種類にもよりますが、基本的な答えはNO。その理由は以下で説明いたします。

    2ルームテントは利用人数プラスひとり以上のサイズが快適

    2ルームテントの説明には「対応人数4人」「使用人数4人」などと表記されていますよね?

    テントにもよりますが、表記されている人数はあくまでも「最低限使用可能な人数」なので注意が必要です。

    4人用のテントと表記されていても、テントの寝室部分に大人4人が寝転がった場合には、隣の人との距離が近く、窮屈に感じることがあります。着替えなどの身の回りの荷物を寝室に入れると、なおさら窮屈に感じてしまうでしょう。

    テントの中でゆったりと過ごしたければ、利用人数プラス1人以上のサイズのテントの利用をおすすめします。

    リビング部分の使用には工夫が必要

    4人用の2ルームテントのリビング部分に、家族4人分のイスや机、クーラーBOXなどのキャンプ道具を設置した場合、人が通るスペースがなくなって、窮屈に感じることもあります。

    リビング部分が窮屈に感じる場合は、下記のような工夫が必要です。

    • 椅子を子どもの分だけ小型にする
    • 机のサイズを小さくする
    • リビングスペースには無駄なものを置かない

    初心者の方は荷物が多くなりがちなので、なるべくゆったりしたサイズを選ぶとスムーズなキャンプ運営ができるでしょう。上手なサイズ選択と、上記のような工夫を織り交ぜて使用すれば、2ルームテントは初心者でも快適に過ごすことのできるテントだと言えます。

    2ルームテントは天候の変化に強い?

    答え:YES

    ドームテントやワンポールテントを寝室に、タープをリビングに、というようにサイト設営した場合、横殴りの雨が降るとタープでは雨をしのぎきれずリビング部分に雨が差し込んできてしまいます。風でタープ下の道具が、吹き飛ばされてしまう恐れもあるでしょう。

    その点、2ルームテントは寝室部分もリビング部分も雨風をしのげる壁があるので安心です。外に道具を置いていたとしても、それらの道具をリビングに入れて入り口を閉めれば、雨風をシャットアウトできます。

    ストームガードを地面に固定した様子。

    強風時もストームガードを固定すれば安心です。

    また、タープは強風にあおられると倒れてしまうこともありますが、2ルームテントは風に比較的強いので安心です。ただし、強風に備えて、あらかじめしっかりとストームガード(張り綱)をペグで固定するなどはしておきましょう。

    2ルームテントは4シーズン使える?

    答え:YES

    入り口が閉まった2ルームテントの様子。

    入り口を全て閉めた2ルームテントの様子です。

    2ルームテントは、出入り口などを開放することができます。

    暑い時期には出入り口を全て開けると、内側に風を通すことができるため快適です。

    寒い時期には出入り口を全て閉めれば、外からの空気を遮断できるので暖かく過ごせます。

    したがって、オールシーズンの使用に向いていると言えます。

    スカートのアップ画像。

    テントの下部にあるスカート。

    ただし、冬場には隙間風の防止のために、スカートがついたものを使用するのがおすすめです。

    2ルームテントはやっぱり初心者にも優しいテントだった

    2ルームテントの設営は、慣れるまでは大変ですが、何回か設営するうちに簡単に設営ができるようになります。ご紹介した設営のコツを参考にして、2人での設営をするといいでしょう。

    また、テントのサイズが適切でないと家族全員がゆったりとできるほどのスペースが無い、となってしまう場合があります。購入前には入念にサイズの下調べを行いましょう。

    2ルームテントには上記のような注意点もありますが、一度の設営でリビングと寝室ができ上がることを考えれば、初心者にとってサイト作りが簡単、とも言えます。

    また、天候の変化に強く、フォーシーズン使用できるのも初心者の方にとっては心強いですよね。

    したがって、2ルームテントは初心者、そしてファミリーキャンパーにとって、使いやすいテントだと言えるでしょう。

    私が書きました!
    アウトドアライター
    のまどう
    行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子供とのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。

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