磯遊びなど、海に関連したアクティビティへ出掛ける際に、まず気になる情報が「現地の天気」ではないでしょうか。せっかく海で遊ぶなら、良い天気の日がいいですよね。
現地の海の状態を知るためには、海岸周辺の風向きや風の強さ、波の高さなど、事前に調べておきたい情報が天気のほかにもありますが、中でも子どもと磯遊びをするなら「潮の変化」を気にしておくことをおすすめします。なぜなら、潮の変化によってその日の過ごし方が変わってくる場合さえあるからです。
今回は、潮の満ち引きを表す潮汐情報の基本と、その影響による海の変化、目的別おすすめの時間帯などをご紹介したいと思います。
潮の満ち引き(潮汐)とは
潮の満ち引き(潮汐)とは、月や太陽が地球にもたらす引力の関係で海面水位(潮位)が変化すること。上げ潮のピークである「満潮(ハイタイド)」と、下げ潮のピークである「干潮(ロータイド)」が一日に1〜2回ずつあります。
満潮と干潮それぞれの回数や変化の大きさ、ピークとなる時間帯は、日によって異なります。毎日の潮汐情報は、海上保安庁や気象情報のサイトで一般公開されています。
潮位の変化と海の様子(ビーチ遊び編)
上記の写真は、湘南・辻堂の海水浴場にて、同日の昼間と夕方にほぼ同じ場所から撮影したものです。潮が引いている時間帯は浅瀬が広く、海に浸かって遊べそうなスペースも大きいですが、潮が上げてしまった夕方は、浅瀬がほとんどありません。
このような潮位による変化は、その海水浴場の地形(浅瀬部分の砂のつき方などの特徴)によっても異なるものですが、波打ち際で遊んだり、小さいお子さんと海水浴を楽しむなら、潮が引いている時間帯の方がおすすめと言えます。
また、波の高さや風向きなどの問題を除いて考えるなら、一般的にサーフィンやボディボードなどをビギナーが楽しむ場合は、潮が引いている時間帯、SUPなど海面上のアクティビティなら潮が上げている時間帯がおすすめです。
※海水浴場内のサーフィンは禁止のケースが多いのでご注意ください。
潮位の変化と海の様子(磯遊び編)
上記写真も同様に、同日の日中と夕方、ほぼ同じ場所から撮影したものですが、潮が上げてしまうと砂浜がなくなり、岩場付近の浅瀬もほぼ見えなくなってしまいます。
もし小さいお子さんと磯遊びをするなら、当然ながら潮が引いている(潮位が低い)時間帯が良いでしょう。ですが、磯場で蟹を探したり、潮だまりで小魚を見つけたりするのなら、潮位が比較的高い状態から干潮時間に向かって潮が動き始める時間帯がおすすめです。
潮干狩りなどを楽しむ場合も同様に、潮が引ききってしまう干潮(ロータイド)前後の時間帯よりも、「潮の引き始め」となる時間帯を狙った方が、徐々に浅瀬が増えていくためより楽しめるのではないかと思います。
ビーチテントやパラソルの位置の参考に
また、砂浜にビーチテントやパラソル等を設置する場合も、潮位の変化を踏まえた位置を検討しましょう。
一日ビーチで過ごすのであれば、満潮は何時か、どこまで海面が来そうなのかの予想も必要です。
潮が引ききっている状態でも、砂浜の色が変化している場所や、海藻類などが溜まっている場所が境界線の参考になるので、覚えておきましょう。
月を見れば、潮汐変化の大きさが分かる
なお今回は、潮位の変化が最も大きくなる「大潮」の日に撮影を行いました。
潮汐には、日によって大潮、中潮、小潮、長潮、若潮という種類(潮名)があり、海面水位の変化の幅もそれぞれ異なりますが、「大潮」の日は、月が満月もしくは新月であるという特徴もあるんです。
夜空を見上げて、月が満月(または新月)か、それに近い形であったら大潮、つまり「潮が大きく動く日」のサイン。
海遊びの前に、ぜひ潮汐情報もチェックして行動してみてください。