四国・仁淀川でキャンプと川遊び三昧。そんなリバーガイドの休日家族旅行に密着してわかったこと - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海・川・カヌー

2025.06.25

四国・仁淀川でキャンプと川遊び三昧。そんなリバーガイドの休日家族旅行に密着してわかったこと



四国・仁淀川でキャンプと川遊び三昧。そんなリバーガイドの休日家族旅行に密着してわかったこと
アウトドアのエキスパート、ガイドたちは休日になにをしているの?答えはやっぱりアウトドア。今回は3名のリバーガイドの休日に密着。

四国・仁淀川でラフティングとキャンプを楽しむ家族旅行に参加させていただきました。最年少参加者は2歳、しかも天気予報は雨。波乱万丈の予感ですが、さすがのガイド経験でどんなトラブルも一瞬で解決!

四国へ渡り、清流・仁淀川でたっぷり川遊び

奈良県吉野の風景
これぞ素敵な日本の田舎町!こちらは、現在、仮の拠点にしている奈良県吉野の風景。

BE-PAL.NETでは、海外のアクティビティを中心に紹介してきた私、ジョアナ。私事ですが、初めて海外生活をしたときから10年の節目を迎え、今年の夏は丸々日本で過ごすことに決めました。

この記事を書いている時点の仮の拠点は、奈良県の吉野。周辺地域でラフティングやキャニオニングツアーが行なわれていますが、6月は梅雨かつ閑散期。

偶然、私の著書「ホームレス女子大生川を下るinミシシッピ川」(報知新聞社刊)を読んでくださったガイドの方と繋がり、お休みの日にプライベートでラフティングとキャンプのプチ旅行に誘ってくれました。

今回の旅行に誘ってくれたガイドの皆様
今回の旅行に誘ってくれたガイドの皆さまと子供たち。

行き先は四国の仁淀川。その川で同じくお休みのガイド仲間と合流して、メンバーは総勢7人。内訳は、ガイド3人、子供3人、そして旅行者の私。

私がこれまで旅してきたのはドナウ川やアマゾン川といった大河ばかり。恥ずかしながら日本のような流れのある川ではあまり遊んだ事がありません。ドキドキ、ワクワク。

ダッキーで英才教育。でもダッキーってなんだ?

SUPに乗ろ両親と、ダッキーに息子5歳
SUPにはお父さんとお母さん、ダッキーには息子5歳が乗って。

今回用意してくれた乗り物は、ラフト、パックラフト、SUPボード、そしてダッキー。すべて空気で膨らますインフレータブル式です。

「え、っていうか、ダッキーってなんですか?」

私にとっては初耳のアイテム。見せてもらうと、それはカヤックの形をしたゴムボートのようなものでした。

「これって、カヤックですか?カヌーですか?それとも、ラフトですか?」

返ってきた答えは…。

「ダッキーは、ダッキーだね」

ダッキーを力強く漕ぐ5歳児
ダッキーを力強く漕ぐ5歳児。

「ねえねえ、僕、握力が18kgあるんだ!」

初対面で誇らしげに教えてくれたのは5歳の昇くん。体重と握力が同じだから、なかなかの怪力です。お父さんは奈良県で「青空ファン」というガイド会社を営んでいる橋本さん。大きくなったらカヤックで一緒に川下りが楽しめるように、今回は昇くん1人でダッキーに乗ってパドリング練習をしてみることに。

家族でリバーツーリング
お父さんのオフ日は、息子さんの専属ガイドに。

もちろん疲れたら無理はせず、お父さんと昇くんのボートをロープで繋いで牽引します。

昇くんは来年で小学生。狙っているランドセルは、モンベルとのこと。子供のころから生粋のアウトドア好きなのです。

母は強し!2歳児とラフティング

放浪のリバーガイド・アミさんたち
放浪のリバーガイド=アミさんは上段の右端。

四国で合流したアミさんの通り名は「放浪のリバーガイド」。独身時代は世界各地でリバーガイドとして勤務し、多分日本で一番たくさんの国でガイドした経験があるお姉さんです。

アミさんの世界の珍体験ネタは底なしで、とある国で男性の同性愛者ばかりが集まったツアーの参加者から「 He is cool!!(彼はカッコイイね)」と言われたことがあるとか。彼らにも見分けがつかないほど、元気な少年のような見た目をしているアミさんは、現在2歳と4歳の女の子を育てる2児の母。

この日はワンオペ育児でラフティングをするのですが、それにしても2歳児ってラフティングできるんですか?

ラフティングに挑む2歳児
ラフティングに挑む2歳児ちゃん。

2歳児サイズの小さなウエットスーツを着せて、ライフジャケットも装着させて、さらにダメ押しの寒さ対策で大き目のウエットスーツを重ね着したら準備OK。シルエットがペンギンみたい。

川に浮かんで遊ぶ子供たち
川に浮かんで遊ぶ子供たち。

流れがあるところは、ラフトに2歳、4歳、5歳をまとめて乗せて、アミさんと橋本さんがパドルを握ります。

子供たちは水遊びが大好きで、流れが穏やかなところに入るとボートから川に飛び込んで、プカプカ浮かんで泳ぎます。

寝ている子供を2人抱えて川を下るアミさん
寝ている子供を2人抱えて川を下る、ウルトラお母さん。

お昼休憩はコンビニで買ってきたおにぎりやお菓子など。水分補給も忘れずに。たくさん泳いで、たくさん食べたら、小さい子供は眠くなって、2歳と4歳がラフトのなかで眠ってしまいました。

アミさんが子供を抱えて、橋本さんがパドルを漕ぎます。川を良く知るガイド2人体制だからできる離れ業です。

パックラフトとSUPに乗ってみた

パックラフトに挑戦する筆者
私はパックラフトに挑戦!

私が今回の旅行で体験させていただいたのは、パックラフトとSUP。

パックラフトに乗るのは初めてだし、インフレータブルのボートもほとんど乗ったことがないから、岩に軽くぶつかってもボヨーンと跳ね返ることに驚き。シーカヤックみたいにラダーもないし、簡単に向きを変えたり水面でコーヒーカップみたいにクルクル回せるのも新感覚。

普通のカヤックより横幅があるせいで若干パドリングがしにくいことと、軽いから風の影響を受けやすいデメリットはあるけれど、こんなにしっかりしたボートが簡単に折りたたんで運べちゃうのはスゴイ。

パックラフトを折りたたんだところ
パックラフトは、折りたたむとこんなに小さいのです。

うーん、欲しくなっちゃうなあ…。自転車にパックラフトを積んで、水陸両用の旅をいつかしてみたいです。

SUPをするガイド
昇君のお母さん、カンナさんもガイドです。

昇くんの子育てとガイド業で二足のわらじを履く、エネルギッシュなカンナさん。この日はSUPに乗って1人でのびのび移動しています。

簡単そうに見えるけれど、体験してみると難しい。立って漕ぐには、かなりのバランス感覚が必要です。ただし座ってしまえばものすごい安定感で、少し波のある瀬に突入しても、落ち着いて乗っていられるほどの安心感がありました。

いいなあ、SUPも欲しいなあ。

マッハの撤収作業

撤収作業中
準備も撤収も瞬時に完了。

カヤックでもカヌーでもラフトでも、手漕ぎのボートを買ってみたいけれど、準備とあと片付けが大変そうで、なかなか手が出せないという方も多いのでは?川で遊んでいる時間より、準備とあと片付けの方が長くかかる、というのもあり得る話です。

でも、さすがはベテランガイド。瞬時に仕事を終わらせます。片付けだって、ついさっき空気の栓を抜いたばかりなのに、次に振り返ったときにはもうペチャンコにたたまれていて、クルマへの積み込み準備もバッチリ。ウエットスーツやライフジャケットなど、濡れたものは大きな袋にまとめてしまいます。

マッハの撤収作業で、上陸してトイレに行って戻ったら、片付けがほとんど終わっていました。お手伝いできてなくて、マジでごめんなさい。子供が3人も一緒にいるのに、あの早業は超人的。とにかく早くてきれいな撤収で、まさにプロフェッショナル。

雨にも負けずタープを張って焚き火を楽しみます

雨でもタープの下でバーベキュー
雨でもタープの下でバーベキュー。

昼に川下りを楽しんだら、夜はキャンプです。梅雨だから、当然雨。それでも一切怯まないのが、ガイドの皆さま。この日の晩御飯は、みんな大好きなバーベキュー。

ササッとタープを張って、焚火台をセット。現場に着いてすぐに火を起こしたので、タープの設営が完了したと同時にバーベキューが焼ける状態になりました。

セールで買ったお刺身
お刺身380円が衝撃の3割引き。しかも美味しい!

お肉が焼けるのを待つ間、スーパーで買ってきたお刺身などをつまみます。やっぱり四国は食べものが美味しい、最高だ~!

差し入れの鯛を焚き火で丸焼きに
差し入れの鯛を焚き火で焼きます。

もう1組のガイド夫妻が合流して、なななんと釣った鯛を差し入れに持ってきてくれました。下味の塩加減がバッチリで、めちゃ美味しい。ガイドというのは、地の味を楽しむ達人でもあるようです。

ガイドが作るキャンプの朝食

卵を焼く
ネットで話題のレシピに挑戦します。

ベテランガイドも情報のアップデートは欠かさず、某SNSで話題になっていたというキャンプ飯に朝から挑戦します。

作り方は、まず鉄板でバターを溶かして卵を焼きます。

パンを焼く
熱いから、軍手をはめて2つ折りにします。

それから、チーズと食パンをポンとのせます。良い感じのタイミングでひっくり返して、パンの両面を焼くべし。

2つ折りにしたら、完成です!

サラダを野菜炒めにする
残り物のサラダを野菜炒めに。

続いて、昨晩の残りのサラダは、野菜炒め風にすることに。

ホットサンドにサラダを挟む
残り物のサラダがホットサンドに変身。

先ほどと同じレシピのパンに、サラダ炒めを挟んだら、色どりが良いホットサンドができました。

仕事、家事、そして育児で毎日大忙しのガイドのひとりに聞いてみました。

「もし、まる1日、自由に使える日があったらなにをしますか?」

「うーん…。川に行くかな。四国に住んでいると、日帰りで行ける良い川があるから」

ガイドというのは、根っからのアウトドア好きなんですね。

佐藤ジョアナ玲子さん

建築学生

フォールディングカヤックで世界を旅する剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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