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畑を介して育まれるコミュニティ。自然派プチ農業が楽しいんです!

2022.07.12

 

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みんなで試行錯誤しながら作る!
人も野菜も多種多様なコミュニティ農園

海のイメージが強い神奈川県の湘南エリアだが、JR辻堂駅から歩いて30分、東西に走る高速道路の高架下を抜けると、突然、目の前に畑が広がる。天気がよければ富士山が望める絶好のロケーションで活動をしているのが、会員制コミュニティ農園「EdiblePark茅ヶ崎」だ。

EdiblePark茅ヶ崎(神奈川県)
代表 石井光さん& 祥さん & 礼子ちゃん

一般社団法人EdiblePark湘南代表理事。株式会社五兵衛代表取締役。現在、畑付きの集合住宅「ちっちゃい辻堂」を計画中。地元有機農家のもとで1年間農家研修修了。EdiblePark茅ヶ崎で祥さんと出会い、結婚した。

800坪の敷地には、井戸やチキントラクター(移動式鶏小屋)があり、扇状に畝が立つ。取材で訪れた4月初旬は春の草が芽吹く時季ということもあり、EdiblePark茅ヶ崎の畑は、緑がイキイキと輝いていた。茶色い土が裸のままになっている周囲の畑との違いは、一目瞭然。自然の摂理に沿った農を目指しているのだなということが窺える。

「2017年の秋にスタートした当初は、区画貸しと共同の畑があるコミュニティ農園で、ここを立ち上げたリーダーが野菜の育て方を教えるというスタイルでした。けれど、1年半後にその人が忙しくなって抜けたため、僕が代表になりました」

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サツマイモの苗を定植するため畝の準備に取り掛かるメンバー。土を掘ったら、炭やウッドチップを埋めて土に馴染ませ、微生物や虫が生息しやすい土を作る。

石井光さんは、辻堂地域で代々続く地主の跡取りで、祖父から“大家業”を引き継ぎ、100年先の辻堂をイメージしたまちづくりプロジェクトを計画している。その柱のひとつが、このコミュニティ農園なのだ。

「僕は農業のプロではないので、パーマカルチャーの先生を招いたり、自分でいろいろな講習会に参加したりして、メンバーと共に実践を続け、失敗を繰り返しながら、気がつけば5年目になりました。現在は、23組(家族は1組とカウント)が活動をしています。立ち上げ当初にあった個人区画はいつの間にかなくなり、すべての畑を共有し、収穫を分け合っています」

子供たちもお手伝いをしたり、遊んだり、それぞれが自由にやりたいことをしながら楽しんでいる。

結球しはじめた芽キャベツ。無農薬、無化学肥料でも、土作りに尽力すれば、こんなに立派に育つ。

廃材を利用してDIYで作った看板。大工仕事が得意な仲間の手によるもの。

コンパニオンプランツも実践!

レタスとスティックブロッコリーなど、相性のいい作物を同じ畝で一緒に育てている。

サイトモ班、ニンジン班など野菜は班長制度

作業をはじめる前だけでなく月1回ミーティングの時間も。作業の記録をまとめた手作り冊子に、経験が蓄積、継承されていく。

活動は毎週土曜日。野菜ごとに班長を決め、無農薬、無化学肥料を大前提とした上で、育て方は班長に委ね、その時々でお互いにサポートし合いながら好きな作業をしている。継続の秘訣は、月に1度のミーティング。どうしたら無理なく続けられるかをとことん話し合う。

「やりたいこと、好きなこと、得意なこと、できることを持ち寄った、緩やかなコミュニティを目指しています。野菜作りだけではなく、DIYや自家採種、竹やもらった木材で炭を作り土壌改良など、お金に頼らなくてもできることを少しずつ増やしていきたいと思っています」

【少量多品種】炭素循環農法で育てる野菜は約70種類!

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貼ったり剥がしたりがしやすいマスキングテープを活用した畝マップ。マップを見ながら「ここで〇〇を育てたい」など、野菜の班長同士による"畝取り合戦"が繰り広げられる!?

【生物多様性】ニワトリや虫etc. 生き物が育つ環境作り

穴を掘り、雨水を溜めて池を作り、周囲には切り株を置いた。いい感じに草が茂ってくると同時に、生き物たちが集まってきた。

チキントラクター(移動式鶏小屋)。鶏の糞がそのまま肥やしとなる。鶏の餌(野菜の残渣)を入れるボックスはメンバーの手作り。

必要なものはなんでも自分たちで作ってみる

立ち上げ当初から参加しているメンバーの黒田早苗さんは、昨年まで白菜とナスの班長で、リサーチした栽培法や栽培記録を手書きの小冊子にまとめてメンバーにシェア。今年度は全体のサポート役に徹している。

「最初の3年間は、なかなか思うように野菜が収穫できなくて失敗の連続でしたが、毎週、ここに来るのがとにかく楽しくて。畑にいると“浄化”される感じ。私にとって大切な場とかけがえのない仲間です」

ニンジンを担当するサーファーの矢口夫妻は、自給自足に興味を持ち始めたタイミングで、EdiblePark茅ヶ崎との縁がつながった。

井戸

農園を立ち上げてすぐに井戸を掘ってもらった。畑に水場があると、あらゆる作業が捗る。水は、命の循環に欠かせないものであることを実感。

風のトイレ

深い穴と風を通す溝、落ち葉と炭を活用したエコトイレ。ワークショップに参加したメンバーが、早速トライ。ティピの目隠しもイケてる!

「農に関しては、まったくの素人なので、園芸雑誌やネット情報を参考にしながら、試行錯誤でやっています。ニンジンのタネをまいたら籾殻で薄くカバーするといいらしいので、早速やってみようと思っています」

年齢もバックボーンも異なる多様な人たちが集い、土に触れ、自然とつながり、安全でおいしい野菜を食べる。アフターコロナにおいてますますニーズが高まるであろう、畑を介して育まれるコミュニティの在り方を、EdiblePark茅ヶ崎のメンバーが軽やかに示してくれている。

【自家採種】種採り用に育てたり、種の交換会などで入手

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種に興味のあるメンバーが自家採種を担当し、採種したものを野菜担当に配布する。基本は固定種だが、市販の種や苗を購入することも。

自家採種を続けているニンジンの種。その土地に合った、強くておいしい野菜に育つ。

収穫をせず種採り用に選抜した数本のニンジンを移植し、花を咲かせて、種を採る。

【土作り】地元のビールかすや焚き火の炭を有効利用

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メンバーの知り合いからもらった木材や取ってきた竹を燃やして、焚き火をしながら炭作り。炭は土作りに欠かせないアイテム。

コーヒーかすや茶かすをメインにした苗用培土を購入。まずは「試してみる」。

ブルワリーのビールかすと産廃業者のウッドチップで地域循環型の堆肥作りを進める。

 

※構成/神﨑典子 撮影/田淵睦深 写真提供/奥田正治、石井 光

(BE-PAL 2022年6月号より)

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