知っているようで知らない身近な昆虫「ケラ」の生態とは? | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2022.06.14

知っているようで知らない身近な昆虫「ケラ」の生態とは?

横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行なっている“ご近所生きもの観察案内人”の相川健志さん。今回は、あの有名な童謡にも登場する昆虫の知られざる生態について案内します。

モグラのような特徴の昆虫

やなせたかし作詞の童謡「手のひらを太陽に」の1番の歌詞に登場する生きものといえば、ミミズ、オケラ、アメンボ。ミミズやアメンボはすぐにイメージが浮かぶと思いますが、「オケラ」がどんな生きものか、ご存じですか。

オケラの正式な名前は「ケラ」。「オ」は接頭語です。では、ケラは何者かというと、バッタやコオロギの仲間。日本では北海道から沖縄まで広く生息しています。

ケラは多くの時間を土の中で過ごします。モグラのような立派な前脚をしていて、これで地面に穴を掘って潜ります。ケラは英語で「Mole cricket(モグラコオロギ)」と呼ばれているのですが、それも納得の特徴です。

ケラってこんな姿です。

ケラってこんな姿です。

モグラのようながっちりとした前脚が特徴です。

モグラのようながっちりとした前脚が特徴です。

ケラは普段、田んぼの畦や畑、河川の土手などの地中で生活しているので、あまり目にすることはありません。ただ、春から初夏にかけての繁殖シーズンになると、地中以外でも活発に活動します。水中を泳いだり、空中を飛んだりと、興味深い生態を披露します。

しかも、この時期のケラのオスは「ジィ~」という独特の鳴き声を発します。耳を澄ませれば、地中から「ジィ~」という鳴き声が聞こえてくるかもしれません。

土を掘るスコップのようなケラの前脚は、水上ではオールの役目をします。

土を掘るスコップのようなケラの前脚は、水上ではオールの役目をします。

赤ちゃんケラ(中央の黒いもの)もしっかり泳げます。

赤ちゃんケラ(中央の黒いもの)もしっかり泳げます。

手の上に乗せると、指の間に潜り込もうと必死にモゾモゾします。

手の上に乗せると、指の間に潜り込もうと必死にモゾモゾします。

手の上から放してあげると、あっという間に土の中へ潜っていきました。

手の上から放してあげると、あっという間に土の中へ潜っていきました。

親とほぼ同じ姿の赤ちゃんケラ。しかし、成虫になるまで羽は生えないので飛べません。

親とほぼ同じ姿の赤ちゃんケラ。しかし、成虫になるまで羽は生えないので飛べません。

地中を潜り、空中を飛び、水中を泳ぐ、ケラ。いつもは地中にいて、なかなか出会う機会がありませんが、今の時期なら面白い生態のケラを目にすることができるかもしれません。近所の土手などで、目を凝らしたり耳を澄ませたりして、その様子を観察してみてください。

私が書きました!
ご近所自然観察案内人
相川健志
NPO法人Dream eggs ゆめたま代表。環境コンサルタント、ビオトープ管理士。横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行っている他、調査や駆除などで死んでしまった生きものの透明骨格標本づくりも行なっている(https://twitter.com/NatureCreators_)。

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