おしゃれするのは「婚活中」のときだけ?潜水もできる?カモ観察で知っておきたい6つの基本 | 自然観察 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

おしゃれするのは「婚活中」のときだけ?潜水もできる?カモ観察で知っておきたい6つの基本

2022.03.16

カモはまだまだ不思議がいっぱい。特徴や生態などを知れば知るほど、気が付けばその奥深さにどっぷりはまるはず。もっとカモを深掘り!

婚活カモのイラスト。繁殖羽のカモはメスといちゃついている

1 「婚活」のためにオスは派手な羽に変身する

オスは派手、メスは茶系で地味なことが多いカモ。しかし! オスも年中派手というわけではない。

繁殖期、つまりは「婚活」に向けて、「エクリプス羽」と呼ばれる地味で目立たない姿から、派手な「繁殖羽」に換わるのだ。

繁殖期の後期に、ふたたび換羽して、メスと同じような地味な「エクリプス羽」に変身する。

日本に渡り始める9~10月は、換羽のとき。換羽途中のまだら模様のオスを見かけることがあり、換羽中は飛べなくなる種も。

 

水面採食カモ(カルガモ)と潜水ガモ(キンクロハジロ)の違い

2  「潜水系」のカモは尾羽で見分ける

カモは、水面で採食する種類と、潜水採食する種類に分けられる。その特徴は体にも現われている! 

「潜水系」のカモは尾羽が垂れ下がり、足も少し後ろめにあるため水の抵抗が少なく潜行するのに都合が良さそう。

一方、「水面系」のカモは尾羽はピンッと上向き、足も体のちょうど真ん中あたりにある。もちろん例外もあり。

「俺たちも効率よく空を飛びたいなあ」と言っているカモのイラスト

3  カモは団子状態で飛ぶ

きれいなV字の隊列で飛ぶ鳥の群れを見かけることがある。そのシルエットから遠目にはカモのようにも見えるが、あれはガンやハクチョウたち。

翼が長く大きいガンやハクチョウは、気流を生みだし、省エネ飛行を実現している。

翼の小さいカモは、羽ばたきを繰り返すので気流を生むのは難しく、団子状のかたまりで飛んでいる。

泳ぎながら毛づくろいするカモのイラスト

4  真冬に水の上にいても寒くない?

カモの体を覆う羽は空気を含み温かい。水に強い、いわば「撥水性ダウン」。

その秘密は、脂。お尻に尾脂腺という脂を分泌する腺があり、くちばしで全身に塗っている(羽づくろい)。

また、冷水に晒される足には、冷たい血液が流れるようになっている。熱交換する器官があり、体温が逃げないようになっているのだ。

 

ダウンジャケットを着た人とアヒルのイラスト

5  アヒルはマガモの親戚です

野生の鳥を家畜として改良し飼育しているのを家禽という。マガモを改良して家畜化したのがアヒルだ。食肉や羽毛などさまざまに使われ、私たちの生活を豊かにしている。

そして、アヒルとマガモを交配させたのがアイガモ。鴨料理や、近年はアイガモ農法で稲作でも活躍する。いずれもマガモがルーツだ。

 

カモを見て「かわいい~」と言っている武士のイラスト

6  みんな昔からカモが好き

カモの緑色が春山のようにぼんやりしてあなたの気持ちがわかりません…と万葉集では恋心が歌われ、江戸時代に活躍した画家・伊藤若冲(『雪中鴛鴦図』1759年、三の丸尚蔵館収蔵)や円山応挙(『雪中水禽図』1777年、個人蔵)もカモたちを描いている。

冬だけにやってくるカモに、昔の日本人たちも注目していたのだ!

※構成/須藤ナオミ イラスト/キムコ玉川 

※参考文献/『知って楽しいカモ学講座 カモ、ガン、ハクチョウのせかい』嶋田哲郎著 森本 元監修(緑書房)、『決定版 日本のカモ識別図鑑』氏原巨雄・氏原道昭著(誠文堂新光社)、『新訂 カモハンドブック』叶内拓哉著(文一総合出版)、『新・水辺の鳥 野鳥ハンディ図鑑』(日本野鳥の会)

(BE-PAL 2022年3月号より)

この記事をシェアしよう!

関連記事

『 自然観察 』新着編集部記事

おすすめ記事

【消費税の価格表記について】
記事内の価格は基本的に総額(税込)表記です。2021年3月以前の記事に関しては(税抜)表示の場合もあります。