
上はシカの脛骨製ナイフ。刺突に特化した使い方なら十分な性能。シカ皮もよく剥げる。中央は黒曜石のナイフ。衝撃に弱い欠点はあるが、切れ味は優秀な金属ナイフ並み。下はフリント製。
“原住民”に憧れてきた瀨戸さんは、仕事も暮らしも手づくり主義。くくり罠はホームセンターで部品を買って自作する。くくり罠にかかったシカやイノシシに近寄るときは危険が伴う。銃の免許も持つ人は射殺することが多いが、瀨戸さんはあえて棍棒を使う。
「野生と向き合っている感じがするんです。太古の人と感覚を共有したいというか。それに鉄砲の弾は安くない。使わずに済むならそれがいい」

罠猟に携行する道具。左は自作のくくり罠。獣が足を踏み込んだ瞬間に輪が締まるしくみ。右は粘りのあるイチイ材で作った棍棒。くくり罠にかかった獣を昏倒させるためのもの。「大きなイノシシにはさすがに効きにくいので銃を使います」