春キャンプって意外と雨が多い…そんな雨の日の着火材に向く天然材料は? | 焚き火のコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.03.05

    春キャンプって意外と雨が多い…そんな雨の日の着火材に向く天然材料は?

    知ってそうで知らないアウトドア・Q&A
    焚き火を極める(着火編)

    みんな大好き焚き火の時間、あなたの焚き火知識はどのくらいのレベル?クイズに答えてみよう!

    Question:次の乾燥した天然材料の中で、雨の日の着火に向く材料はどれ?

    1:スギの葉

    2:マツボックリ

    3:マツの幹

    4:シラカバの樹皮

    Answer

    3:マツの幹

    枯れ残ったマツの芯材「ファットウッド」。インターネット通販などで購入できる。

    マツの木が倒れたり伐採された後、樹脂が染み込んだ芯材は枯れずに残る。この芯材は、時間がたてばたつほど硬くなり、樹脂や樹液が濃縮され、腐敗しにくくなる。この樹脂を多く含んだ木材のことを「ファットウッド(fatwood)」と呼び、古くから松明(たいまつ)やトーチなど灯りとして使われてきた。

    特筆すべきは、その抜群の着火性と耐水性。スギの葉やマツボックリ、シラカバの樹皮などは火つきはいいが、すぐ燃え尽きてしまう。それに対し、脂が多く含まれたファットウッドは一瞬で火がつき、長く燃え続けるのが特徴だ。

    細かく割ったファットウッドは、マッチ1本ですぐ火がつく。いったん火がつくと火力が増して長く燃え続けるので、焚き付けや火力アップに用いるとよい。

    水に強く、多少濡れても着火する。火力が一気に上がって高温になるので、雨天時のキャンプの焚き付けもスムーズに行える。*ただし、燃やすと油煙が飛び、煤で鍋などが黒く変色してしまうので、料理には向かない。焚き付け専用にしたい。

    ファットウッドを細かく割って、キャンプの常備品にすると、急な雨で薪が濡れても着火でき便利。

    ファットウッドを火口にして火をつける

    ファットウッドをナイフで細かく削れば、火口(ほくち)としても利用できる。火口とは、古来より用いられてきた燃えやすい燃料のこと。火打ち石や火打ち金などで火花を飛ばして火口に点火させ、それを火種にして、枯れ草や枝などに着火させる。現在はファイヤースチールで火花を飛ばし点火させる方法が用いられている。

    ファットウッドは、どんな火花からでも簡単に点火し長く燃焼する伝統的な火口。キャンプアイテムのひとつとして装備しておくと、雨の日の焚き火も容易に行なえて便利だ。

    ファットウッドをナイフで細かく削る。

    ファイヤースチールで火花を散らすとあっという間に点火。

    点火したファットウッドは、しばらく燃え続ける。

    天然素材100%の火口

    火口の条件は、乾燥度が高く、脂を多く含み発熱量が大きく、酸素と反応しやすい素材。

    火口に向く天然100%の素材にはファットウッド(マツ樹脂)、ガマの穂、タブノキ、サルノコシカケ系のキノコなどがある。

    • ガマの穂

    ガマ科ガマ属の多年草の抽水植物。円柱状の穂「ガマの穂」は、雄花の結実後に綿くずのような冠毛が出てくる。この綿部分を固めて灰汁に漬けて乾燥させると、上質な火口になる。

    円柱状の茶褐色のガマの穂と、雄花結実後に綿状になった穂。このままでも着火力抜群だが、灰汁に漬けて乾燥させると、小さな火花でも点火し火種が持続する。

    • タブノキ

    クスノキ科タブノキ属の常緑高木。枝葉に粘液が多く、乾かして粉にすると「タブ粉」が得られ、線香や蚊取線香の材料として用いられる。火つきが良く、火力がぐっと上がるので焚き火の焚き付けに向く。灰汁に漬けて乾燥させると火口としても使える。

    脂分を多く含むタブノキは、火つきがよく火力も高い焚き付け向きの樹木。一部の地方では、乾燥したタブノキの葉とスギ葉を混ぜて、線香を製造する。

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    取材・文/松浦裕子

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