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    2021.12.05

    薪での火の起こし方とコツ。焚き火を安全に楽しむための注意点も

    キャンプを楽しむ中で、「そろそろ薪の焚き火にも挑戦してみたい!」と考える人も多いのではないでしょうか。焚き火には多くの魅力がありますが、安全に楽しむためには注意すべきことも多々あります。薪を使った火の起こし方や注意点などをチェックしましょう。

    火起こしに使用する薪

    (出典) unsplash.com

    薪での火起こしを行なう前に知っておくべきポイントとして、『薪の種類』 と『太さ』が挙げられます。どのような種類・太さの薪を選択すれば良いのか、詳しく見ていきましょう。

    目的に合わせて種類を選ぶ

    薪を使って火を起こすときは、目的に応じて最適な種類を選ぶことが大切です。

    たとえば、モミ・マツ・スギ・ヒノキといった『針葉樹』は着火しやすい性質なので、『火起こし』に使う薪として適しています。針葉樹は繊維の密度が低く、空気や油を多く含んでいるため、火がつきやすいです。そのかわり、ススが出やすいという特徴もあります。

    また、クヌギ・サクラ・ケヤキ・クリといった『広葉樹』は幹の密度があり、燃えにくい性質を持っています。火がつきにくいかわりに長く燃えるので、『火を長持ちさせる』という用途に適しています。

    広葉樹は針葉樹よりも高価な傾向にありますが、使い分けることでより焚き火を楽しめるでしょう。

    太さが違うものを用意する

     薪を用意するときは、太さにも注目してみましょう。焚き火に使用する薪は、主に3つの太さに分類することができます。

    最初に火を起こすときは、直径2cmほどの細い薪を使用するのがおすすめです。

    次に使うのは直径5cmほどの薪です。火を起こした後、いきなり太い薪を使用すると焚き火が消えてしまう恐れがあるため、中くらいの太さの薪を使って様子を見るのです。

    火がある程度強くなってきたら、直径10cmほどの太い薪を投入して火を長持ちさせましょう。

    着火剤の種類

    (出典) unsplash.com

     薪で火起こしをするときは、着火剤の種類にも目を向ける必要があります。種類ごとに燃焼時間も異なるため、目的に応じて最適な着火剤を選びましょう。

    市販の着火剤

     初心者でも利用しやすいのが、市販の着火剤です。火を起こすことを目的に作られているので、スムーズに着火できます。

    市販の着火剤には主に以下の3種類があるので、目的に応じて選ぶことが大切です。

    • 固形タイプ
    • ジェルタイプ
    • パックタイプ

    固形タイプは着火に少し時間がかかるものの、着火後に安定して燃え続けるのが特徴です。ただし、湿気の影響で燃えにくくことがあるため、開封後は早めに使用しましょう。

    ジェルタイプは火力が出やすく、どのような種類の薪にも点火しやすいのが特徴です。必要以上にジェルを使うと火の勢いが強くなり過ぎてしまうため、適量を使用しましょう。

    パックタイプは使い切りのものが多く、持ち運びに便利な点が特徴です。小分けで梱包されており、長持ちするため、アウトドア初心者でも扱いやすいでしょう。

    国産木材100%の着火剤「HIDANE」。

    着火剤の代用品

    「うっかり着火剤を忘れてしまった」という場合は、アウトドアならではの代用品を探してみましょう。

    たとえばキャンプ場の場合、周りにはさまざまな樹木があるはずです。中でも『松ぼっくり』は火が付きやすく、見つけやすいのでおすすめです。ただし、湿気った松ぼっくりは燃えにくいので、乾いているものを選ぶ必要があります。

    松ぼっくりが見つからない場合には、ススキの穂や松葉などを探してみましょう。キッチンペーパーや新聞紙を持参している場合には、それらを代用しても構いません。

    フェザースティックを作る

     市販の着火剤を持ち合わせていないときは、フェザースティックを作るのも一つの手段です。フェザースティックとは木の枝をナイフで薄く削ったもので、火起こしに多用されます。

    ただし、木を削るときに強い力が必要となるため、折りたたみナイフではなく『シースナイフ(折りたたまないナイフ)』が必要です。またシースナイフであっても、小さいタイプや細いナイフは力が入りにくいため避けましょう。

    ブッシュクラフトのナイフ「モダンスカンジ・アロカス」で作ったフェザースティック。

    フェザースティックを作るときの手順は、以下の通りです。

    1. 薪を細く割る
    2. ナイフを傷つけないように作業台を準備する
    3. 木を回しながら少しずつ削っていく(腕全体で押すように)

    薪の火起こし方法

    (出典) pexels.com

     実際に薪を使って火を起こしていく場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。ここからは、火起こしの方法とポイントを手順ごとに紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

    着火剤を置き、火を付ける

    まずは焚き火台を設置し、着火剤を置いて火を付けます。多くの施設では、地面の上で直接焚き火を行なうことが禁止されていますので、必ず焚き火台を用意しましょう。

    着火剤を忘れてしまったときは、松ぼっくりや杉の枯葉といった燃えやすいものを使用します。これらが見つからないときは、薪を細かく割って削るフェザースティックを作ってみましょう。

    点火の際に用いる材料は、少なすぎると火が消えてしまい次のステージに進めません。そのような事態を避けるためにも、多めに用意しておくことをおすすめします。

    細い薪からくべる

     点火に成功したら、細い薪から少しずつくべていきます。ここで大切なのは『火を絶やさないこと』なので、ヒノキ・スギといった針葉樹の細いものを使いましょう。

    細い薪をくべた後は、中くらいの太さ(直径5cmほど)の薪をくべながら様子を見て、最終的に太い薪を投入していきます。

    なお、細い薪として使用する針葉樹は、燃えた後に『熾き(おき)』という炭のもとになります。多めに用意しておくと、後の工程もスムーズに進められるでしょう。

    また、炭の量を場所ごとに変えておけば、料理するときの『強火ゾーン』『弱火ゾーン』を作り出せます。火起こしの作業に余裕が出てきたときは、炭を置く場所や量にもこだわってみてはいかがでしょうか。

    BE-PAL.net記事「キャンプで焚き火をしようとしたら薪が湿っていた…どうしたら効率よく燃やすことができる?」より

     

    太い薪で火を安定させる

    火を安定させるためには、太い薪を投入する必要があります。腕の太さくらいの薪があるときは、この段階で投入していきましょう。

    太い薪は、投入方法を変えることによって火力調整が可能です。強い火にしたい場合は、中央に薪を置くことで火力を高められます。火の勢いを弱めたい場合は、火の中心ではない場所に投入することでコントロール可能です。

    状況に応じて、最適な場所に太い薪を投入していきましょう。

    薪で火起こしするときの注意点

    (出典) unsplash.com

     薪で火起こしを行なう際は、いくつか注意すべきポイントがあります。より安全に楽しく焚き火を行なうためにも、注意点をしっかりと把握しておきましょう。

    焚き火が許可された場所を探す

    大前提として、焚き火は『許可されている場所』で行なう必要があります。許可されていない場所での焚き火は、多くの人に迷惑をかける行為となりますので絶対にやめましょう。

    施設や自治体ごとにルールが定められている場合も多いため、それらを事前に確認しておくことも忘れてはなりません。キャンプ場であれば、ルールが記載された看板が設置されているはずなので、初めに確認しておくことをおすすめします。

    安全への配慮を怠らない

    焚き火を最大限楽しむには、安全への配慮を怠らないことが大切です。たとえば、テントなどの可燃物の近くで焚き火をすると燃え移ってしまう危険性があります。特に風が強い日は燃え移りやすいので注意しましょう。

    また、就寝前に火が完全に消えているか確認することも重要です。焚き火をするときは万が一の事態にも対応できるように、常に消化用の水を多めに用意しておきましょう。

    安全に配慮し、全員が焚き火を楽しめる環境を整えることが何よりも大切です。

    後始末はしっかりする

     焚き火を終えた後の始末もしっかりと行ないましょう。着火剤や燃え残った薪などのゴミは、家に持ち帰るのがマナーです。

    また、後始末の方法は施設ごとに異なるため、施設のルールを確認しておくことも大切です。キャンプ場を予約するときに後始末の方法を聞いておくと、スムーズに片付けを進められるでしょう。

    キャンプ場では、さまざまな利用者がキャンプを楽しんでいます。全ての利用者が心地よく過ごせる環境を実現するためにも、事前にルールを確認しておきましょう。

    まとめ

    火の起こし方のポイントは、目的に応じて薪の種類や大きさを使い分けることです。市販の着火剤を用意しておけばスムーズに進められますが、忘れてしまった場合は松ぼっくりなどで代用しても問題ありません。

    火のトラブルは重大な事故を招く恐れもありますので、施設のルールに従って焚き火をすることが大切です。ルールを守り、安全を確保した上で焚き火を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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