「焚き火料理ってラフな感じがするけど、じつは火と食材の真剣勝負。トライポッドがあれば、遠火近火のコントロールが容易にできて楽なんだよ」
しかも、鍋を何個も火にかけながら、上では燻煙したりと、ひとつの火でいくつも調理できるのも、魅力だという。「焚き火の炎は強すぎないから、じっくり火を通したいものに最適。しかもスモーク効果があるから、焚き火で作ったものは保存性も上がるんです。そういう意味では、我が家のキャンプは保存食を仕込む場(笑)。大きな豚のバラ肉とか一日中燻していられますからね」
今回は、そんな焚き火だからこそ味わえる、ワイルドソウルなレシピを披露しよう。
先生
ネイチャークラフト作家
長野修平さん(52歳)
枝、流木、古材などを使ったオリジナリティ溢あ ふれる作品を制作。『里山ライフのごちそう帖』(実業之日本社)では、焚き火料理を披露。
豚レバーナチュラルスモーク
焚き火の煙をあててじっくり燻す、ナチュラルスモーク。薪はナラ材やサクラを選ぶと、色つきも香りもいい。煙の流れる方向に食材を移動しつつ、満遍なく色をつけるのがコツ。甘くスモーキーな香りのなか、少しねっとりした食感はウイスキーのおともに最適だ。
材料
豚レバー 350g
血抜き塩、牛乳 各適量
漬け液/水 500㎖
塩 40g
三温糖 15g
ニンニク 1かけ
黒コショウ 10粒
唐辛子 2本
ローリエ 2枚
ローズマリー 2本
作り方
1.豚レバーに塩をたっぷりまぶして揉んで血抜きし、よく水洗いする。
2.ひたひたの牛乳に浸し、冷蔵庫でひと晩臭みを抜く。
3.牛乳を洗い落とし、一度沸騰させて冷ました漬け液に冷蔵庫で24時間漬け、30分流水で塩抜きする。
4.75度Cの湯で30分煮たら、冷水に取って冷ます。
5.水気を拭いたら串で刺し、串の両端をくの字に曲げて焚き火上の鎖に下げる。
6.表面がこんがりして赤黒く仕上がればOK。冷ましてから薄切りにする。
牛乳にひと晩浸けておくと、臭みが抜け、レバーの独特な臭いが苦手な人でも食べやすくなる。
牛乳をきれいに洗い流したあと、漬け液に丸1日浸ける。塩分は8%と少し濃いめにしておくといい。
燻煙にあて、色がほどよくのったら完成。1〜2日おいて燻煙を落ち着かせると食べごろになる。
ワイルドには、直球スピリッツ系を!
構成=大石裕美 撮影=福島章公