腕時計ひとつで方角がわかる!
方位磁石ってお持ちですか?
登山やトレッキングをされる方なら、いざという時の頼れるお守りとしてお持ちの方が多いのではないでしょうか。
普段あまり山へ行かない方は、お持ちでない場合も多いはず。でも節分の恵方、家の方位、はじめての駅で北口と南口がどちらかとっさにわからなくなってしまった時など、日常で方角を知りたいシーンは案外出てくるものです。
今回はコンパスなしで方角を知る方法を紹介します。
アナログ時計を使って方角を知る
腕時計を使って方角を知る方法を紹介します。時計の針を使うため、必ずアナログ式のものを使ってください。デジタル式の腕時計は残念ながら使えません。
方法
時計の短針の先を、太陽の方向に向けます。長針は使いませんので、無視してください。
太陽に短針を向けるときは、太陽を直視して目を痛めないようご注意ください。ペンなど細い棒状のものを近くに立てて、影をガイドに使うといいでしょう。
太陽に向けた短針と、「12」の数字の間の中間地点が、南になります。
なお午前と午後で中間地点の見方が変わり、午前中は文字盤の左側、午後は右側で見ます。例えば、午前6時なら文字盤の左側で見るため、中間地点の「9」の方角が南になります。午後6時なら文字盤の右側で見るため、中間地点の「3」の方角が南になります。
特に早朝は間違えやすいです。例えば午前4時は左側で見ますので、中間地点の「8」が示す方向が南になります。つい幅が狭い方で見てしまいそうになりますが、間違えないよう気をつけてください。
その他の方法
時計を使う以外にも、方角を知る方法はいろいろあります!4つの方法を紹介します。
1.日の出・日の入りを見る
早朝や夕方であれば、日の出や日の入りを見てみましょう。季節で位置は微妙に変動しますが、基本的に太陽は東からのぼり、西へ沈みます。
季節変動ですが、太陽の動きは春分・秋分ではほぼ真東からのぼり、真西に沈みます。春分〜夏至〜秋分の暑い時期はやや北寄りの動きになり、逆に秋分〜冬至〜春分までの寒い時期はやや南寄りの動きになります。
2.日時計を見る
公園など、日時計が近くにあれば見てみましょう。12時の方向が南です。
3.北極星を探す
夜間であれば北極星を探せば、北がわかります。北斗七星とカシオペア座が目印です。
4.コンパスプラントを探す
植物には方角の目安にできる「コンパスプラント」と呼ばれる種があります。方向指示植物や磁石の木とも呼ばれます。
日本のコンパスプラントの代表格は、春先に花をつけるコブシやハナモクレンで、つぼみの先端が北側を向きます。つぼみが大きくなるとき、陽がよくあたる南側が肥大するため、徐々につぼみが北側に反っていくのが原因とされています。
ほか、ヤナギやネコヤナギもコンパスプラントで、つぼみの先端が北を指します。
なお、「切り株を見て、中心から広くなっている方が南」という説もあります。こちらも日当たりの良い南が肥大して成長する性質を利用していますが、コンパスプラントでない普通の木の場合は日当たりの影響を大きく受けるため、ずれる場合が多いです。周りの木や建物の影、傾斜などで成長する方向が変わってしまうため、参考程度に考えておいた方がいいでしょう。
磁石も地図も使わず、方角がわかる
スマホがあれば、マップアプリやコンパスアプリで方角がわかる現代。ですが、スマホもコンパスもなかった時代から、人間は方角を意識して、農耕を行ったり、旅や航海をして生きてきました。
たまにはそんな時代に想いを馳せて、スマホもコンパスも使わずに方角を見てみませんか?