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WIND from ONTARIO~森の海、水の島~
#27 New Life 子育ての季節
by Tomoki Onishi
撮影・文/尾西知樹
トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクターを務める。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.caを主宰。

「フィゥロロロロー、フィゥロロロロー」と、なんとも書き表わしにくい、哀愁ただよう遠鳴り。よく見ると、彼方の湖上に子育て中のLoon(ハシグロアビ)が、近づく僕のカヌーに警告を発している。黒い頭に赤い目が特徴的なルーンは、カナダの1ドル硬貨にも描かれる、オンタリオの州鳥だ。ルーンが描かれていることから、「Loonie」の愛称で親しまれている。
湖の端から水路に入り、蛇行する水路をしばらく漕ぐと、曲がり角の先で、Mallard(マガモ)の親子。倒木の上にずらりと並んでいる。お母さんは泳ぎの先生? まるでマガモの学校だ。ちょこんとお行儀よく座って、なんとも愛らしい。
Merganser(カワアイサ)の親子が縦に一列の編隊で、カヌーの横を通り過ぎる。お母さん隊長に、懸命に付いていく素潜り漁の見習い隊はとても健気だ。
春から夏のアウトドアシーズン、水鳥たちにとっては子を産み育てる季節。春に生まれた雛鳥たちが晩夏に向けて泳ぎや魚の捕り方、飛び方を学ぶ。
湖と湖の間をつなぐ、ポルタージュルートの開けた場所では、Canada Goose(雁)の雛たちが夢中で草をついばんでいる。
春の芽吹きは森の滋養となって、新たな生命を育む。人も鳥も、親から子へ、この森では生きる術が受け継がれていく……。

ルーンは赤い瞳と白黒の美しい格子模様が特徴。水中深く潜るのが得意で、巧みに魚を捕らえる。

カワアイサの雛は自ら潜って水生昆虫を捕食する。そして生後2週間ほどで小魚を追い始める。

カナダグース草食で、雛は生まれてすぐに歩き始め、親に守られながら若葉を食べて育つ。
(BE-PAL 2026年9月号より)




