【富士山 外輪山ハイキング】歩いてしか行けない"大展望台"を巡り、日本一の山を堪能! | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

山・ハイキング・クライミング

2026.08.26

【富士山 外輪山ハイキング】歩いてしか行けない"大展望台"を巡り、日本一の山を堪能!

【富士山 外輪山ハイキング】歩いてしか行けない"大展望台"を巡り、日本一の山を堪能!
絶景富士を眺める攻略ガイド。今回はアウトドアライターが富士山の外輪山ハイクの魅力をレポート。
Text
Source

外輪山ハイクから青木ヶ原樹海巡りまで、絶景富士を眺める攻略ガイド

アウトドアライター 高橋庄太郎さん

高校の山岳部から山歩きを始め、富士山を含む日本百名山はすべて踏破。富士山をテーマにしたテレビ番組になぜか「旅人」という肩書で出演した経験もある。

image

あれ、こんなはずじゃなかったのにな……。

ここは富士山の北側に位置する御坂山地の黒岳。これまでに僕は何度か登ったことがあり、そのたびに雄大な富士山の姿に心震えてきた場所である。

だが、当日の天気予報は悪くはなく、今回も大眺望を期待していたのに、富士山はあいにく雲の中。いや、展望台が雲の中なのか? 別の場所から見れば富士山はすっきり姿を現わしている可能性もありそうだ。

そこで、ウインドシェル代わりにレインウェアを着込み、雲が流れるのを期待して1時間ほど待機。だが眺望は好転せず、だんだん肌寒くなるばかりだ。くしゃみが出たのをキッカケに、悔しいけれど先に進むことにする。まあ、これが山という天候不安定な大自然なのだ。

ところで、富士山には富士山本体をぐるりと囲うように大小の山塊が並び立つ。とくに北側から西側はしっかりとした山脈になっていて、一般的に富士山の“外輪山”と呼ばれている。その一角に位置するのが日本三百名山の黒岳というわけだ。

しかし、じつは諸説ある。この“外輪山”は火山としての富士山のカルデラを構成する地形とは言い難く、学術的に正確な意味では外輪山といえないという考えもあるようだ。

とはいえ、少なくとも地図上ではあきらかに富士山を外側から取り囲んでいる。だから、この“外輪山”には至近距離から富士山を眺められる大展望地が無数に点在しているのだ。

もっとも楽しみにしていた黒岳の展望台からの眺望は実現しなかった。それでも僕は、先ほど通ってきた黒岳手前の名もなき展望台的スポットからの富士山と河口湖の風景を思い出し、それなりの満足感はすでに得ていた。だが、まだ物足りない!

次のお楽しみは、新道峠の「FUJIYAMAツインテラス」。そこはまさに富士山の展望台として作られていて、おしゃれなウッドデッキやベンチが設置され、世界各国からの観光客が一年中集まっている。黒岳よりも標高が200m近くも低いため、先ほどの展望台よりも雲が薄い可能性は高そうだ。

いや、しかし……。ここも期待したほどではない。広大な富士山の裾野は眺められたものの、肝心な山頂は雲の中。僕はこの先にもまだ富士山の展望台はあるのだからと、さらに西の節刀ヶ岳を目指すことにした。

なお、富士山をたっぷり楽しもうと欲張った結果、今回のルートはかなりの長丁場だ。のんびりと歩きたい方は新道峠と黒岳を往復するだけでも十分に満足できるだろう。もちろん“晴れていれば”の話だが。

好天であれば富士山が素晴らしいと思われる展望地は、節刀ヶ岳方面にもいくつか点在していた。しかし、どうしても富士山は姿を現わしてはくれない。

だが、登山道自体がおもしろく、初夏の気持ち良さを満喫できるのは幸いだ。新緑のブナ林やピンク色のミツバツツジ、オレンジ色のレンゲツツジが目を楽しませてくれ、レンゲのミツを集めているらしいハチがブンブン飛びまわり、心が和む。

節刀ヶ岳に到着したのは、昼過ぎの時間帯。ここから見る富士山は、山頂だけを雲の中へ島のように浮かばせていた。今ごろ逆に僕が富士山の山頂にいれば、周囲はすべて雲に覆われ、雲海の上に立つ気分を味わえたに違いない。

下山が遅くなっては危険だと、ここからは一気に標高を下げていく。こうなると最後に期待するのは、下山口である西湖からの富士山の眺めだ。でも、今日の天候を考えると、期待しないほうがいいのかな……。

下山後も僕は西湖のほとりで長々とグスグズしていた。すると、夕方を前にして雲がだんだんと下がりはじめ、ついに富士山が目の前に! ああ、これだよ、僕が見たかったのは!

外輪山の稜線からではなく、湖越しの富士山もいい。とはいえ、黒岳の展望台からの富士山も見たかった。いずれリベンジを果たしに再訪しよう。

御坂山登山口がある天下茶屋と下山口の西湖根場浜にはバス停があり、河口湖経由で行き来が可能。ただし本数は少なく時間もかかるので、下山口にマイカーを置いて出発する場合は、登山口までタクシーを使うほうがスムーズだ。

◦コースタイム:9時間20分
◦距離:15.3㎞ 
◦ルート:天下茶屋~御坂山~黒岳~節刀ヶ岳~西湖

1 出発は天下茶屋からで、ラクラク!

御坂山登山口に隣接する天下茶屋から出発! すでに標高1,300mもあってありがたい。

image

登山道からは急登が続いているが、それも少しの間だけ。すぐに稜線が近付いてくる。

image
早くも山頂ひとつ登ったぞ!

この外輪山は「御坂山地」といわれる山域だ。だから、この御坂山は、ここ一帯を代表する山といっていい。

2 遠くに見下ろすは、河口湖

image

先ほどクルマで通ってきた河口湖が眼下に! 標高にして800mも下になる。

image

上の写真はこの鉄塔付近から。木々が刈り取られているために見晴らしがいいのだ。

image
歴史を感じるね

安全登山を願って、祠に祭られた御坂天神に手を合わせる。

3 日本三百名山、黒岳に登頂!

image

山梨百名山にして日本三百名山の黒岳に到達! 近くに富士山の展望台がある。

image

山頂南側の岩場が展望台。だが、いくら待っても霧は晴れてくれなかった。

雲がなければ、こんな姿が……「黒岳展望台」

image
ホントはこんなに見える!

以前、僕がこの展望台で撮影した富士山。晩秋で雪をまとった姿がじつに美しい!

image

外輪山の登山道は樹木に囲まれている区間が長く、濃い緑で包まれていて気持ちがいい。

image
すごい!
フワッフワだ

湿気の多い富士山山域らしく、外輪山にもコケに覆われた岩がゴロゴロしていた。

image
う~ん、悔しい!

この展望台もイマイチか……。裾野はわかるものの、それ以上に高い場所はあまり見えなかった。

4 晴れていれば、素晴らしい大眺望!「FUJIYAMA ツインテラス」

image

新道峠にはウッドデッキの巨大なテラスが! 峠付近の林道まで麓から送迎バスが走り、最寄りの駐車場からは歩いても1時間だ。

5 ブナ林に巨岩と、自然たっぷり

image

この一帯はブナの原生林。新緑の時季はとくに瑞々しさが際立つ。

image

アスレチック感覚で大岩の上を突破。ここもまた登山道の一部だ。

image

奥に見える山々は湖の対岸。じつに立体的な地形なのであった。

image

ツツジが咲く大石峠で休憩し、パンを頬張る。ここは歴史ある「若彦路街道古道」でもある。

image

6 あれは……。節刀ヶ岳の山頂から見える富士山

image
山頂だけ見えるな!

大展望地のひとつである節刀ヶ岳に到着しても、富士山は雲の中。しかし、山頂だけはポッカリと姿を現わしてくれていた。

image

下山をし始めると、すぐに長いハシゴが出現。転落しないように緊張しながら一歩一歩進んだ。

image
これもまた山なのだ…

最後の展望地は鬼ヶ岳だったが、ここもまたイマイチ。仕方がないと諦め、いさぎよく下山を始めた。

7 歩いてきた外輪山は、雲の中

image

西湖付近で振り返ると、そこにはこれまで歩いてきた外輪山が壁のように立っていた。その上部は富士山同様、雲の中なのであった。

8 下山口の西湖からの眺めもいい!

image
夕日でピンクになってる!

下山を完了すると、思いがけないご褒美が! 夕刻になると、なんと富士山が姿を現わしてくれたのだ。湖畔からの眺めも素晴らしい!

高橋庄太郎が厳選!

富士山を取り囲むおすすめ〝展望の山〟

東西南北、富士山を眺望できる山は多数。そこからの似ているようで少しずつ違う富士の表情は魅力的だ。

毛無山

image

ふもとっぱらキャンプ場という人気スポットの至近距離に登山口があり、山頂往復には6~7時間。キャンプと登山を組み合わせて楽しめる好立地で、この山は日本二百名山のひとつとして知られる。

越前岳

image

富士山の南に連なる愛鷹連峰を代表する山で、登山口からの往復は4時間弱。写真は山頂より20分ほど東の富士見台で撮ったもので、1938年発行の五十銭紙幣の図案はここから見た富士山だ。

石割山

image

山中湖の北側に鎮座し、最寄りの駐車場からは往復約2時間。登山初心者に適している。この山と越前岳との間には自衛隊の東富士演習場があり、「ドン!」という発砲音がときおり聞こえてくる。

※構成/高橋庄太郎 撮影/花岡 凌、高橋庄太郎 地図/モリソン

(BE-PAL 2026年8月号より)

NEW ARTICLES

『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

【富士山 外輪山ハイキング】歩いてしか行けない"大展望台"を巡り、日本一の山を堪能!

2026.08.26

富士山のてっぺんは日本一高い縦走路!頂上お鉢の楽しみ方

2026.08.26

富士山頂の住人・植田めぐみさんに聞いた「富士山の山小屋事情」

2026.08.25

「富士登山」どのルートを登りたい? 各登山ルートの楽しさや混雑感をプロガイドが徹底解説!

2026.08.25

野口健さん&野口絵子さんに聞く!「富士山とは」

2026.08.24

日本一高い世界文化遺産「富士山」。登る前に知りたいその歴史

2026.08.24

登山上級者だけじゃなく初心者こそ使いたい。自分にぴったりのトレッキングポールを選んで快適ハイク!

2026.08.23

神奈川県で日帰り&眺め抜群ハイク。気持ちが良いおすすめハイキングコース12選

2026.08.23