自分に合った登山ルートを見つけましょう。
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ガイドしてくれた人 角谷道弘さん
六甲山からエベレストまでどんな山でもガイドする。富士山は約30回登頂。国際山岳ガイド/日本プロガイド協会会長。

「富士山には、吉田口、須走口、御殿場口、富士宮口の4つの登山口があり、プリンスルート(富士宮口から登り始め、途中で分かれて御殿場ルートに合流するルート)を加えると、5つの登山ルートがあります。ルートごとに特徴が異なりますので、その特徴を知り、自分に合ったルートを選ぶことが、富士登山の第一歩となります」(角谷さん)
ちなみに、一番登山者が多いのは吉田ルートで、2025年の夏山シーズンに121,068人が登り、以下富士宮ルート(55,121人)、須走ルート(21,792人)、御殿場ルート(7,119人)となっている(※データは環境省による八合目付近を通過した登山者数調査による。プリンスルートの登山者数は御殿場ルートに含まれる)。
「各ルートの登山者数に大きな違いがありますが、これはまさに特徴の違いが反映された数字です。一方で、すべてのルートに共通する点もあります。それは、頂上が3,700mを超えていて、酸素濃度が平地の3分の2以下だということ。腹式呼吸を意識し、こまめに水分を補給するといった高山病対策をしっかり行ない、安全登山を心がけてください」(角谷さん)

山小屋最多で圧倒的人気ナンバー1
吉田ルート 標高差:1,410m
富士山登山者の約6割が利用する人気ナンバー1ルートで、北面の山梨県側を登る。「山小屋の数がもっとも多いので、ビギナーでも安心して登れる上に、多くの宿泊客を受け入れられること。登りと下りで道が分かれているため、すれ違いがなく歩きやすいこと。交通の便がもっとも良く、五合目に行きやすいこと……などが人気の理由として挙げられます。逆にいえば、登山者が非常に多いことにより、静かな山登りができない、マイペースで登りにくいといったマイナス面もあります。また、吉田口頂上は、剣ヶ峰からもっとも離れています。お鉢巡りをして日本最高点を目指す場合は、計画に余裕を持たせることをおすすめします」(角谷さん)
黄色部分:吉田ルート
標高差:約1,410m
往復距離:約13.8㎞
登り
コースタイム
6時間30分
富士スバルライン
五合目
▼ 50分
六合目
▼ 60分
七合目
▼ 100分
八合目
▼ 90分
本八合目
▼ 50分
九合目
▼ 40分
吉田口頂上
下り
コースタイム
3時間35分
吉田口頂上
▼ 40分
本八合目
▼ 15分
八合目
▼ 90分
七合目
▼ 30分
六合目
▼ 40分
富士スバルライン
五合目

吉田口・須走口の頂上直下。2頭の狛犬が出迎えてくれる。石の階段の先に、最後の鳥居が見える。

吉田ルート七合目付近から見上げる。山小屋が連続して立ち並んでいるのが吉田ルートの特徴。
緑豊かで下山は砂走りが楽しい
須走ルート 標高差:1,710m
富士山をほぼ真東から登るルート。「本六合目までの樹林帯、その後の高山植物など、富士山の植生を楽しむことができます。吉田口や富士宮口より五合目の標高が低いので、登山者は比較的少なめ。ただし、本八合目で吉田ルートと合流して以降は一転して混雑します。下山専用道の"砂走り"は楽しいですよ」(角谷さん)
赤色部分:須走ルート
標高差:約1,710m
往復距離:約13.1㎞
登り
コースタイム
6時間20分
須走口五合目
▼ 90分
新六合目
▼ 35分
本六合目
▼ 70分
七合目
▼ 35分
本七合目
▼ 35分
八合目
▼ 25分
本八合目
▼ 50分
九合目
▼ 40分
須走口頂上
下り
コースタイム
3時間20分
須走口頂上
▼ 50分
八合目
▼ 40分
七合目
▼ 60分
砂払五合目
▼ 50分
須走口五合目
最も距離が長く、標高差も大きい
御殿場ルート 標高差:2,270m
五合目が富士宮口よりもなんと約1,000mも低い位置にあるというロングルート。「個人的にはトレーニングに最適なルートです(笑)。登山者が少なく静かに登れる反面、山小屋が少なく、トイレの数も少ないです。下山では、約5㎞も続く砂礫の"大砂走り"を駆け下るのが、醍醐味となっています」(角谷さん)
緑:御殿場ルート
標高差:約2,270m
往復距離:約18.9㎞
登り
コースタイム
8時間35分
御殿場口
新五合目
▼ 115分
新五合五勺
▼ 130分
新六合目
▼ 50分
六合目
▼ 40分
七合目
▼ 20分
七合五勺
▼ 50分
七合九勺
▼ 110分
御殿場口頂上
下り
コースタイム
3時間35分
御殿場口頂上
▼ 50分
七合九勺
▼ 30分
七合五勺
▼ 10分
七合目
▼ 70分
新五合五勺
▼ 55分
御殿場口
新五合目
頂上まで最短、2番人気
富士宮ルート 標高差:1,320m
南面を登る。全ルート中、五合目の標高がもっとも高い。「頂上までの標高差が最少なので、最短時間で登頂できるルートです。しかも、富士宮口頂上は剣ヶ峰にもっとも近く、約20分で日本最高点に立てます。山小屋の数も吉田ルートに次いで多いので安心。ただ、登山道と下山道が同じなので注意が必要です」(角谷さん)
青:富士宮ルート
標高差:約1,320m
往復距離:約8.6㎞
登り
コースタイム
5時間10分
富士宮口五合目
▼ 25分
六合目
▼ 70分
新七合目
▼ 60分
元祖七合目
▼ 50分
八合目
▼ 35分
九合目
▼ 35分
九合五勺
▼ 35分
富士宮口頂上
下り
コースタイム
2時間40分
富士宮口頂上
▼ 20分
九合五勺
▼ 20分
九合目
▼ 20分
八合目
▼ 25分
元祖七合目
▼ 30分
新七合目
▼ 30分
六合目
▼ 15分
富士宮口五合目
人気上昇中!天皇陛下が登った
プリンスルート 標高差約:1,310m
2008年に当時の皇太子殿下(現在の天皇陛下)が登ったことで命名された。富士宮口五合目から出発し、宝永火口を経由して御殿場ルートに合流するルート。「六合目で富士宮ルートと分かれると、登山者が少なくなり、マイペースで静かな富士山を満喫できます。宝永火口の大迫力の景色が圧巻です」(角谷さん)
紫:プリンスルート
標高差:約1,310m
往復距離:約15㎞
登り
コースタイム
5時間40分
富士宮口五合目
▼ 25分
六合目
(富士宮ルート)
▼ 15分
宝永第一火口
▼ 45分
宝永山馬の背
▼ 15分
下り六合
(御殿場ルート)
▼ 15分
六合目
(御殿場ルート)
▼ 40分
七合目
▼ 20分
七合五勺
▼ 50分
七合九勺
▼ 110分
御殿場口頂上
下り
コースタイム
2時間55分
御殿場口頂上
▼ 50分
七合九勺
▼ 30分
七合五勺
▼ 10分
七合目
▼ 20分
下り六合
(御殿場ルート)
▼ 15分
宝永山馬の背
▼ 30分
宝永第一火口
▼ 20分
六合目
(富士宮ルート)
▼ 15分
富士宮口五合目
※各データの基準は富士登山オフィシャルサイトによる。
※構成/鍋田吉郎 地図:Google Earthより作成
(BE-PAL 2026年8月号より)
*以下、地図内に挿入の方法がわからないので素材だけ置いておきます(矢部)
新六合目
2,400m
須走ルート
登山道
須走口
五合目 2,000m
砂払五合目
2,300m
新五合五勺1,920m
御殿場口新五合目1,440m
御殿場ルート
登山道
富士スバルライン
五合目 2,300m
六合目 2,390m
吉田ルート
登山道
吉田ルート
下山道
七合目 2,700m
七合目 2,700m
八合目 3,100m
本七合目 3,200m
本六合目2,700m
本八合目 3,370m
七合目 3,090m
九合目 3,580m
吉田口・須走口
頂上 3,710m
八合目 3,350m
須走ルート
下山道
御殿場口・プリンスルート
頂上 3,710m
吉田・須走ルート下山口
七合九勺3,300m
七合五勺
3,120m
七合目 3,040m
富士宮口頂上
3,720m
六合目 2,830m
九合五勺 3,590m
新六合目 2,590m
九合目 3,460m
八合目 3,250m
元祖七合目
3,010m
宝永山
新七合目 2,780m
プリンスルート
六合目 2,490m
御殿場ルート
下山道
富士宮口五合目
2,400m
富士宮ルート




