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達人たちの遊びに密着! 遊びグルマ活用術
止まったところが自分の家。旅の道連れは、手のかかるフルサイズバン
フォード/E350 エコノライン 1996年式
フルサイズの商用バンで、7,500㏄の大排気量。これはカナダのビルダーが100台作ったうちの1台で、もともと11人乗り。キッチン、トイレ、発電機、ルーフエアコン、外部シャワーも完備。



モデル・エッセイスト・企業アドバイザー 木村東吉さん
20代にモデルとして雑誌『ポパイ』の顔として活躍。現在は河口湖を拠点とし、カヌーやトレッキングのツアーを開催したり、モデルや執筆活動など幅広く活躍。
木村さんの愛車遍歴
1982 三菱ジープ/J58
1984 ダットサン/トラック
1987 トヨタ/マーク2ワゴン
1990 三菱/デリカ
1997 ランドローバー/ディフェンダー90
2000 ランドローバー/ディフェンダー110
2010 トヨタ/FJクルーザー

木村東吉さんの愛車は、2019年に手に入れた古いフォードのバン。キャンピングカーには見えないフォルムと、目的地に着いたらクルッと運転席を回転させ、3分以内に宴会をはじめられるキャプテンシートが、至極気に入った。
「しばらく放置されていた車だったから、かなり傷んでてね。まず雨漏りを直して、色を塗り替えて。内装も取っ払って、ボイラーや発電機なんかの不要なものは全部取りはずしたよ」
シャンデリアが吊り下がったゴージャスな空間を、DIYでお気に入りのネイティブアメリカン調に。ところが、いざ出発、と思いきや、高速に入る前に“バシバシバシ”っとものすごい音がして緊急停車。
「エンジンルームを見たら、ファンベルトが切れかかっててさ。それ以来、異音がするとビクッとするよ」
と豪快に笑う。その後、ブレーキキャリパーを交換し、エアコンのコンプレッサーの交換も完了。小さな旅を積み重ね、’21年に念願の九州旅に出発した。本州から四国を巡り、最終目的地を熊本県阿蘇にした40日、4,000㎞の旅だ。基本的には道中のRVパーク(使用料金は電源が使えて一泊¥2,000〜¥2,500のところが多かった)を活用し、どうしても見つけられないときは、道の駅にお世話になった。
「バンライフの醍醐味は、気に入った場所を見つけたら、ここに4〜5日居ようか、って気の向くまま決められるところ。まさに〝Home is where we park it(止まったところが自分の家)〟この旅でも、しまなみ街道が面白くて、ついつい長居。旅の途中の面白さを発見できるのも、バンライフの特権かな」
目的地はあってないようなもので、途中で寄り道したところが印象に残ることも多々ある。
帰路は山口県に寄り、秋吉台や萩の古い街並みを散策した。
「雨がすごく降ってね。夜中にかほ(東吉夫人)に、“顔の辺りに雨漏りするんだけど”って起こされて。サランラップでその場しのぎで雨樋を作ってバケツに水を逃すようにしたら、“いままでいろいろ逆らってきたけど、これからはいうことを聞くわ”って褒められ(?)たよ」
バンライフはアウトドアライフと一緒だという。非日常空間に身をおくことで、日常がいかに恵まれているか実感できる。
「とくに古い車と付き合うと、アクシデントはつきもの。いろいろ自分で工夫して、それを克服することで快適になる。手がかかるけど、それが面白いし、それによって自分のテイストが加わるから、愛も深まる。時代に逆行してるのかもしれないけど、それが僕のバンライフ!」
雨漏りの補修から塗装まで大改造

購入当初は白い外装。

雨漏りしていた箇所のシールを補修。

内張りされていたカーペット類を剝がし、床は全面板張りに。

扉の裏側のパネルも板張りに。

ルーフ部分を防水加工もできるRFD塗装のターコイズブルーに塗り替え。

愛称"タコバス"に変身。

’20年に全面オリーブ色に塗装しイメージチェンジ。
EXTERIOR
温故知新を車で体現


オリーブ色に塗装したあと、部分的にサビ加工を施し、味を出した。3色のサビ色を混ぜ、スポンジで色付けしたこだわりのペイント。

発電機をはずし、ポータブル電源を導入。車のルーフに太陽光パネルを取り付け、家電の電気をすべて賄う。
DIY
細部まで自分らしさにこだわる

運転席&助手席ともクルッと回転するキャプテンシート。後部への行き来も楽で、大勢での食事もしやすい。

もともとあったベンチシートの上に土台を作り、コンパネを渡してベッドを製作。

収納棚の扉も塗り替え、ターコイズブルーでアクセント。デイジーチェーンにランタンを。

後部座席の扉は木製に張り替え、自作の収納ラックに。サンダルなどが取り出しやすい。
※構成/大石裕美 撮影/花岡 凌
(BE-PAL 2026年7月号より)




