塩を運ぶためにできた南フランスの「中世の村」。フレンチアルプスの麓を歩く | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.06.16

塩を運ぶためにできた南フランスの「中世の村」。フレンチアルプスの麓を歩く

塩を運ぶためにできた南フランスの「中世の村」。フレンチアルプスの麓を歩く
ヨーロッパっていうとロンドンとかパリとかベルリンとかの大都会をついつい連想しがち。でも私は思うんですよね。「本当のヨーロッパは田舎にある」と。

というわけで今回も南フランスのニースから内陸に入った「中世の村」をハイキングしてきました。

どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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前回はこちら↓

南フランスの「城塞村」をプチハイクしてみた! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

【柳沢有紀夫の世界は愉快!南仏・ニース旅編2】

さきほど「本当のヨーロッパは田舎にある」と書きましたが、これは日本にも当てはまりますよね。つまり「本当の日本も田舎にある」です。

東京や大阪といった大都会だと「日本らしさ」はどうしても薄れてきます。それで最近は訪日も何度目かになるインバウンド客なんかは、田舎を目指したりしています。

てなわけでみなさんがヨーロッパに行く際も田舎を歩いてみることを絶対にオススメします。有名な観光地でなくてもいいです。

むしろ「ここに来た日本人ってどれだけいるんだろ?」という感じの知られざる場所のほうが、自分の想い出には残ったりするものです。

さてこの日向かったのはサン・マルタン・ヴェジュビーという中世の村。滞在していたニース中心部から車なら1時間強、バスを乗り継いだら約2時間、北に向かった内陸部にあります。前回紹介したサン・ジャネよりもさらに内陸部、フレンチアルプスの麓です。

というわけで道中も雪をかぶった峰々がしっかり見えました。
そしてコンクリートとかで固められていなくて、石灰岩の岩肌がくりぬいたままむき出しになっているトンネルも。

この道幅なので大型バスが来ると対向車の乗用車はすれ違うことができません。で、どうなったかというとしばらくはクラクションの鳴らしあいが続いたのですが、大きさで勝る大型バスがオラオラ系で乗用車をバックさせていました。まあ、向こう側の出口が近いからという理由もあると思いますが。

さてこんなトンネルや崖に沿ったくねくね道を通っていたら、ふと思い出したのがかつて一時帰国したときに参加した白川郷や飛騨高山に向かうバスツアー。で、「こういう道の脇に突然ひなびた温泉宿への脇道が出てきたりしたなあ」と望郷の念に浸っていたら…。

見事に温泉の看板出現! ひなびた感は皆無ですが。笑

まずは川沿いをプチハイク!

前回の記事のサン・ジャネ城塞村の中をハイキングしたあと山歩きをしましたが、今回はまずは川を挟んで村の反対側をプチハイクします。

雪をかぶった峰々は標高2000メートル級だそう。

このあたりの山岳リゾートでは夏にはハイキングやロッククライミングやキャニオンリング、冬にはスキーやクロスカントリースキー、スノーシューイングを楽しめるそうです。

コートダジュールやニースというと海のイメージが強いのですが、本当にアルプスはすぐそこ。なんなら夏の午前中に氷河の上でスキーをして、午後はニースのビーチで泳ぐこともできるのだそう。

黄色い花の名前は「フォーセシア」とのこと。日本でいう「レンギョウ」の仲間のようです。

さてハイキングスタートです。一見のどかな風景なのですが…。

川沿いに大きな岩がゴロゴロ落ちているのが見えるでしょうか。

じつはこの川、2020年に大量の鉄砲水が発生して15人が犠牲になったのだそう。岩はそのときに流れてきたものです。

本当にのどかな風景なのですが自然の力はすごいですね。
そして橋を渡って「中世の村」へ向かいます。

塩を運ぶためにできた中世の村

さて前回の記事を読まれた読者の中には「なんでサン・ジャネは要塞村で、今回のサン・マルタン・ヴェジュビーは中世の村って呼ぶんだ?」と疑問に思われている方も多いはず。

こたえは簡単でこっちは要塞とか城ではなくてただの「街道の村」だからです。

村のメインストリート。
サン・マルタン・ヴェジュビー村の歴史は14世紀までさかのぼれるのだとか。

この村は海岸で作った塩を山越えでイタリア方面に運ぶためにできました。日本でいう宿場町みたいなものですね。

どこを切り取っても味があります。
この村もまた迷路のようなワクワク感を味わえます。

門は敵の襲来を防ぐためのものではなく…

さてそんなふうに散策をしていると…。

城門跡あるじゃん! 城塞ではないって言ってたのに。

ガイドによると確かにここは門があった場所とのこと。でも敵の軍隊から守るための城門ではない。ではなにかというと「オオカミが来たときに村を守るためにつくられたんです」とのこと。

「オオカミが来た~」というセリフで有名なイソップ童話「オオカミ少年」のようなことが本当にあったんですね。
ここは本当に中世の姿がそのまま残りタイムスリップ感が味わえる村です。ところが…。

段の上のほうを見てください。この風情のある村の小道にピンクの足跡のしるし。

なんという景観破壊! とちょっとビックリしたのですが、夜になっても街灯が多いわけではなさそうなので「段差注意」のためのものなのかもしれないですね。

そしてここにも小さいけれども素晴らしい教会がありました。
写真を撮った建物の名前はバーベルハウスと呼ばれているそう。

で、私は「ああ、バベルの塔みたいだからね~」と勝手に納得しました。はい、天まで届くほどの塔を建てようとした人間の傲慢さが神の怒りにふれ、それまで一つだった人間の言葉をバラバラにして通じなくさせたという話です。英語では「タワーオブバーベル」です。

で~も。よくよく考えたらウェイトリフティングなどでバーベルを持ち上げている姿に似ているという話なのかもしれません。汗

最後に一つ問題です!

ちなみにこの村に定住している人の数は1000人くらいだそう。10歳までの小学校はあるけれども、それから先は別の街に通うと言います。

自然は豊かだし通りには風情があるし、「こんな場所に住むのもいいなあ」と思ったのですが、住んだら住んだで大変なこともありますよね。

さて最後に問題です。

村の建物の壁についていたこの金具、さてなんでしょう?

この村の成り立ちと関係しますが、正解はあとで。

ちなみに村からもアルプスを眺めることができます。…やっぱり住みたい。笑

さて先ほどのクイズに関して。この村は塩を運ぶ人たちのための宿場町のような感じで生まれたことはお伝えしました。

そして塩を運ぶのは…もちろん自動車なんてない時代ですし、人間ではそう多くは背負えません。
はい、そうです。塩を運ばせる「ロバ」をつなぎ留めておくための金具です!

これも道。

わざと子どもたちや、子どもの心を持った大人たちを楽しませようとしているとしか思えない。笑 そして…。はい、子どもの精神年齢を持った大人は存分に楽しみましたよ!

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

フランス観光開発機構
www.france.fr/ja

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局
www.provence-alpes-cotedazur.com

ニース・コートダジュール観光会議局
www.explorenicecotedazur.com

エールフランス航空
www.airfrance.co.jp

著者画像

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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