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山に登る理由は美味しくお酒を飲むため!?
私たちが行ってきました!

ライター 風間(右)
趣味で低山をよく登るが、その動機は下山後の反省会(ただの飲み会)のほうにある。酒処秋田県出身で、お酒はわりと強いと自負。
編集 オーシタ(左)
山の経験は少ないものの、お酒の経験値はかなりのもの。特に日本酒やウイスキーには目がなく、スイッチが入ればトコトンいける口。
COURSE TIME 約3時間
鷲ヶ峰 1,798m

霧ヶ峰高原の北西に位置する。登山口から約1時間で登頂でき、道中の稜線からも絶景を楽しめるのが魅力。眼下の八島ヶ原湿原や諏訪湖、そして雄大な南・中央・北アルプスまで大パノラマが広がる。
遠くにうっすらと富士山の姿も
編集・オーシタとライター・風間が向かったのは、霧ヶ峰高原の名峰・鷲ヶ峰。標高1,798mというと本格的な登山に思えるが、スタート地点がすでに1,630mと高所にあり、じつは全然キツくない。手軽にスケール感のある絶景と稜線歩きを楽しめる超穴場的な存在なのだ。
登り始めて45分、あっという間に視界が開けた。「もう絶景をいただいちゃっていいんでしょうか!」と興奮するふたり。ここからは、本来なら苦労して標高を稼いだ後にしか許されない〝ご褒美〟の稜線歩きが始まる。振り返れば八島ヶ原湿原の全景が広がり、この日は運良く、遠くにうっすらと富士山の姿も拝むことができた。
さらに稜線を進むと、左眼下には鏡のような諏訪湖が出現。進行方向には雄大な北アルプスの山容、そして鋭く尖った槍ヶ岳の穂先が見える。南アルプス、中央アルプスの山々も一望でき、文字どおり360度、日本を代表する名峰たちに囲まれる贅沢な眺め。それを楽しみながら30分ほど歩けば、鷲ヶ峰の頂だ。
ただ、道中の稜線ですでに絶景を堪能し尽くしていたため、頂上で景色を眺める時間は意外なほど短かった。それにしてもこれほどの感動をわずかなハイクで手に入れていいのか。「コスパならぬ〝山パ〟が良すぎる」と、ふたりの意見は一致した。
8:50
「七島八島」看板前スタート

大下「さあ絶景を求めて!」
八島ヶ原湿原の看板がスタート地点。すでに標高1,630m。わずかな登りで雲上の絶景に出会える。我々にとって最高の山歩きだ。
9:00
八島ヶ原を横目に木道をテクテク

八島ヶ原湿原の縁をなぞるように歩きだす。広大な湿原の周遊は後でのお楽しみとし、まずは鷲ヶ峰の頂を目指して歩を進める。

9:45
鷲ヶ峰稜線に出ると視界が一気に開ける

歩き始めてわずか45分。稜線へ躍り出た瞬間に視界が開け、眼下には八島ヶ原湿原の全貌が。この劇的な景色の変化こそ、この山の魅力だ。
稜線歩きは登山の醍醐味!



左手に諏訪湖を望みながらの稜線歩きは、まさに登山のご褒美タイム。空へと続くような開放感に包まれて、足取りも自然と軽くなる。
10:15
鷲ヶ峰山頂到着!

山頂に着いたら、コーヒーと一句

見渡すかぎりの大パノラマは南・中央・北アルプスを一望できる贅沢さ。軽く休憩したら、この高揚感を一句認めたくなるというもの。
10:30
山頂で俳句を詠んでみた



風「絶景よりも下山後のお酒のことが……」

大「ダジャレ重視であえての字余り」
ダブルの掛け言葉にご満悦のオーシタ。一方、風間の心はすでに下山後のアルコールへ飛んでいた。

キレのある辛口から米の旨みを感じる甘口まで(利き酒のコトです)
山頂での絶景タイムもそこそこに、俳句を楽しんだふたりは、再び八島ヶ原湿原へと降り、周遊コースへ。山歩きだけでは少し物足りない脚に、平坦な木道歩きを追加で楽しむ。というのも、あえて体力を削り、万全の状態で次なる目的地に向かいたいからだ。下山後の楽しみを最大化させるためには、ある程度体を酷使したほうがいい。酒造りの工程でいえば〝仕込み〟だ。
上諏訪まで移動して、まず向かったのは諏訪湖湖畔の「足湯」。さらに国指定重要文化財「片倉館」で腹ごしらえ。その後はいよいよ、念願の諏訪五蔵の利き酒巡りだ。わずか500mの間に並ぶ「真澄」「横笛」「本金」「麗人」「舞姫」の5つの蔵は、いずれも霧ヶ峰高原に由来する清らかな水を用いて酒造りを行なっている。同じ水源の水を使っているのに、これだけ味が違うのかという驚き。蔵ごとのこだわりや酵母の違いが、キレのある辛口から米の旨みを感じる甘口まで、見事なまでの個性を生み出している。さっきまで歩いていた山の恵みが、姿を変えて喉を潤していく。五蔵を制覇するころには、仕込み(ハイク)の甲斐あって、気分はもう最高潮だ。だが、ここで終わらないのが上諏訪の夜。むしろエンジンがかかったふたりは、路地裏に灯る「宵々酒店」へ。そしてそこで終わるはずもなく……。
11:30
下山し八島ヶ原湿原を周遊開始

広大な湿原を眺めながら、アップダウンのない木道をゆったり散策。一周は約60分、ゆっくり歩いても90分ほどで回れる極上のコース。

国の天然記念物にも指定されている八島ヶ原湿原。寒さで枯れ草が分解されず、数千年も積み重なってできた貴重な地形だ。
13:30
鷲ヶ峰&八島ヶ原湿原ハイク終了!

ゴール!
スケール感ある絶景ハイクも終了。心地よい疲れとともに、気持ちはもう下山後の祝杯へ。体の仕込みは完了、お酒への準備は万端!
自然の次は街中! 上諏訪へGO
13:30
湖畔公園の足湯で疲労回復

登山靴を脱ぎ、温かな湯が足を包み込む。諏訪湖を眺めながらの足湯は、登山の疲れを癒す特等席。心も体も、これで完全に整った。
足湯
住所:長野県諏訪市湖岸通り2丁目208-307
電話:0266(52)4141
営業時間:4月〜11月 9:00〜18:30、12月〜3月 9:00〜17:30
定休日:無休
なぜか湖畔で戯れるおじさんたち

14:00
重要文化財の片倉館を見学&昼ごはん

昭和初期の名建築、片倉館へ。名物「千人風呂」の誘惑を、次のお酒に急ぐため今回はやむなくスルー。歴史ある空間を見学した後は食堂へ。ハイク後のお腹に、諏訪の滋味が染み渡る。




片倉館
住所:長野県諏訪市湖岸通り4-1-9
電話:0266(52)0604
営業時間:10:00〜20:00(最終受付19:30)
定休日:毎月第2・第4火曜
HP:http://www.katakurakan.or.jp/
15:00
ここから"も"本番! 諏訪五蔵を巡る利き酒ツアー

諏訪五蔵酒蔵めぐり「ごくらくセット」

まずは試飲用のごくらくセットをゲットして、待望の五蔵巡りがスタート。セットはどの蔵でも購入可能(¥4,000)。さあ、至福の飲み比べ!
※2026年5月31日までは¥3,000
1軒目「真澄」
住所:長野県諏訪市元町1-16
電話:0266(57)0303
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水曜・1月1日
HP:https://www.cellamasumi.jp/

銘酒「真澄」を手がける宮坂醸造。洗練されたショップと美しい中庭が迎えてくれる。七号酵母発祥の蔵が誇る、凛として澄んだ一杯が喉を喜ばせる。

八ヶ岳に咲く花々を思わせる純米大吟醸「山花」(¥3,194/720ml)。

2軒目「横笛」
住所:長野県諏訪市諏訪2-3-6
電話:0266(52)0108
営業時間:8:30〜17:00(土日祝10:00〜)
定休日:年末年始
HP:https://www.yokobue.co.jp/

地元で愛される伊東酒造。手仕事で酒本来の香りののった味を追求し、ふくよかな旨みとキレが同居する。毎日の食卓に寄り添う、飽きのこない一杯だ。

米の旨みとキレが光る純米吟醸「横笛 美山錦」(¥2,630/720㎖)。

3軒目「本金」
住所:長野県諏訪市諏訪2-8-21
電話:0266(58)0161
営業時間:9:00〜17:00(土祝10:00〜)
定休日:日曜・不定休
HP:http://honkin.net/

宝暦6年の創業。家族中心の小さな造り酒屋ながら、その名は全国に轟く。米の滋味を丁寧に引き出す手仕事は、派手さよりも心に深く残る本物を追求。

本金といえば「太一」。地元でも愛される旨い辛口(¥1,575/720㎖)。

4軒目
麗人
住所:長野県諏訪市諏訪2-9-21
電話:0266(52)3121
営業時間:9:00〜17:00
定休日:日曜・年末年始
HP:http://www.reijin.com/

寛政元年創業。霧ヶ峰の伏流水と信州産の酒米にこだわり、洗練された酒を醸す。伝統を重んじつつ、地ビールの製造など新たな挑戦も続ける。

華やかな香りとスッキリした後口「純米吟醸 麗人」(¥1,760/720㎖)。

5軒目「舞姫」
住所:長野県諏訪市諏訪2-9-25
電話:0266(52)0078
営業時間:9:30〜17:00
定休日:年末年始
HP:https://maihime.co.jp/

伝統を継承しつつ、時代に合う酒を追求。厳選した信州産の酒米と名水を使い、甘・辛・酸・苦・渋の「五味」が調和した、深みある旨口の酒を醸している。

最高の酒米山田錦を使用した純米大吟醸「翠露」(¥4,290/720㎖)。

すでに足取りが……でもまだまだ!

風間「次行こう、つぎつぎ!」
試飲とはいえ、五蔵を制覇するとほろ酔い以上に。むしろスイッチが入って、次なる酒場を目指して歩きだす。
16:30
せんべろ立ち飲み「宵々酒店」


角打ちが楽しめる人気の酒屋さんへ。店内には通もうなる希少酒がずらり。

その場に居合わせたお客さんたちとも乾杯!
宵々酒店
住所:長野県諏訪市末広8-1
電話:0266(78)6274
営業時間:火〜金15:00〜19:00(土祝13:00〜)
定休日:日曜・月曜
HP:https://www.instagram.com/yoiyoisaketen/

※構成/風間 拓 撮影/花岡 凌 イラスト/吉井汐希 地図/MORISON
(BE-PAL 2026年6月号より)




