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磯野貴理子の推し鳥DIARY! 第10回 水を守るボランティア活動
磯野貴理子
1985年、お笑いアイドルグループ「チャイルズ」の一員としてデビュー。解散後はタレント、俳優としてマルチに活動。軽やかなトークとユーモアあふれるキャラクターでお茶の間の人気者に。

素敵でしょ」。ジャケット ¥15,180
パンツ ¥11,550
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス TEL:06(6536)5740
皆さんはどんなアニメが好きですか? 私は昔から『風の谷のナウシカ』や『アルプスの少女ハイジ』のような自然の中で生きる物語が大好きでした。そういう物語を好んできたことが、野鳥に惹かれる今の自分につながっているのかも、と思う今日このごろです。
自然に興味があったからか、水のことも常々何となく気になっていました。あるときふと「そういえば私たちが飲んでいる水道水の最初の一滴はどこからくるんだろう」って疑問が頭をよぎって。調べていくうちに知ったのが、東京都の水源のひとつが多摩川で、その源流に広がる森が東京の水を支えているということ。そしてその森を守るために、東京都水道局が運営している多摩川水源森林隊というボランティア活動があることを知ったんです。森を守る活動か……と興味が湧いてさっそく入隊しました。日本野鳥の会に入る以前のことです。
ボランティアの作業内容をひと言でいうならば森林の手入れ。林業の不振などで手入れ不足になってしまった民有の人工林に入って、木の間伐や枝打などを行なうのが主な活動です。
3 月の半ばに、久しぶりに枝打の作業に参加してきました。早朝の電車に揺られて奥多摩の事務所まで行って、ボランティア隊員の皆さんと一緒にラジオ体操から一日を始めます。事務所からバンに乗り合わせて現場へ向かうんですが、隊員の皆さんとのおしゃべりも楽しいひとときなんですよね。
高い高い木に自力で登る
枝打というのは、余分な枝をのこぎりで切り落とす作業のこと。専用の道具に足をひっかけて自力で木に登っていくんですが、慣れた方はすごいんですよ。10m以上の高いところまでスイスイ登っていくんですから。私もはりきって参加するんですけど、実は高所恐怖症で。しかも木は直径わずか20㎝くらいの細さで、登っていくにつれ私の動きと連動して木がぐわんぐわん揺れだすの。いつも宇賀地さん(多摩川水源森林隊指導員)という方を筆頭にプロの方が指導してくれるから安全とわかっていても、怖くて怖くて(笑)。でも、少しでも役に立ちたいじゃないですか。その一心で今回もがんばってきました。
間伐の作業は興奮しますよ。生育の悪い木を手斧などで切り倒す重労働ですが、バキバキバキッと音を立てながら倒れていく光景といったら! 初めて切り倒したとき、宇賀地さんから「縄文人になった気分でしょ?」と投げかけられて、言い得て妙だなと(笑)。野性の血が騒ぐというか、快感。
健康な森が水を浄化してくれる
枝打も間伐も、なんて地道な作業だろうと思います。でも、手入れをしないで放っておかれた針葉樹だけの人工林に入ると、地道な作業の必要性が実感として伝わってくるんです。森の中はうっそうと暗くて、土がカチカチなの。
隊員になった初日の講習会で教えていただいたんですが、枝打や間伐を行なうことで森に光が入り、下草や低い木が育ちやすくなります。地面にすき間が生まれれば、広葉樹が芽吹く余地も広がります。そうして増えた落ち葉はやがて腐葉土になり、保水力の高いふかふかの土壌をつくっていく。健康的な土壌には、雨水が土にすーっと染み込んで、ちりなどの汚れが取り除かれながら、やがてきれいな水となって川に流れていくのだというんです。
つまり、山に降った雨水を森が浄化してくれているということ。森が私たちの水のために役立っているんだ! と知ったときには胸を打たれてしまって。以前、作業帰りの車中で隊員の女性の方ともこんな話をしたことがあるんです。「『湯水のように使う』って言葉があるけれど、森が浄化してくれた水の貴重さを思うと、もうそんなふうにはいえないね」って。
ボランティアに参加するようになってからというもの、以前にも増して水を大事に使うようになったんですよね。家でお皿を洗うときは、菜箸ぐらいに細くちょろちょろ出る量の水道水で洗うようになったし、洗剤も刺激の少ないものに替えるようになりました。
私の植えた木が大木になったら
ボランティア活動のなかで、長く続く楽しみも生まれたんです。昨年の4 月、山に苗木を植える植栽の作業に初めて参加したんですね。ちゃんと芽が出たかずっと気になっていて、今回の枝打作業後に、確認したくて思わず足を延ばしてしまいました。水源林の奥地にある柳沢峠にはまだ雪が積もっていましたが、私の植えた樹からは小さな小さな芽が出ていて。うれしかったなあ。立派な大木になるのは50年後か100年後か。やがて山を守り、鳥たちにも恩恵をもたらす木になってくれるんだろう。そう想像するだけでわくわくします。
枝打、間伐に植栽。ほかに鳥の巣箱づくりなんて作業もあるから鳥好きにもぴったりかもしれません。皆さんもぜひ、参加してみませんか。
そうそう。多摩川最初の一滴は、埼玉県秩父市と山梨県甲州市の県境にある笠取山から流れ出ているんですって。いつかバードウォッチングも兼ねて、最初の一滴をこの目で見に訪れたいと思っています。

まずは安全第一。木の登り方を林業のプロ・宇賀地さんが懇切丁寧にレクチャー。ヘルメットには大きな文字で「磯野」と名前が。

この日は地上から5 、6 mの高さまで登ってのこぎりで枝を切り落としました。枝打して手入れをした森はこんなに明るいんです。

植樹したのは広葉樹のミズナラ。小さな芽がちゃんと出ていました! 食べられないよう、鹿よけのフェンスで囲ってあります。
【出演情報】CSフジテレビTWO「はやく起きた朝は…」(新作エピソード毎月第2日曜日 6:30〜7:00)が放映中。
フジテレビ「ホンマでっかTV」毎週水曜日21:00〜21:54 出演中。
水を育む森づくりに参加しませんか
東京都水道局が運営する多摩川水源森林隊では、森づくりに参加できるボランティアを募集中。四季折々の自然に囲まれながら森林隊の仲間と行なう水源の森づくりは、貴重な体験にもなります。16歳以上から可。関東近県から幅広い世代が参加しています。

※構成/安井洋子 撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2026年6月号より)




