給水をして、電気の残量を気にし、洗濯にスーパーでの買い出しと、普通の暮らしと変わらない“日常”を過ごす日々もあります。ただ、一見なんでもない日常の作業も、キャンピングカーでの暮らしでは少しずつ勝手が違ってきます。
今回はヨーロッパを旅しながら、3年以上キャンピングカー生活をしている私たち夫婦の、“リアルな1日ルーティーン”をご紹介します。ちょっと不便で、でもワクワクする、そんなバンライフの裏側をのぞいてみませんか?
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7:00【起床・朝食】どこで目覚めるかも日によって違う

バンライフの朝は、毎日同じ場所とは限りません。湖のほとりで目覚める日もあれば、山の上や小さな町の一角で朝を迎えることもあります。
この日は、イタリア北部の小さな町、Maniago(マニアゴ)にある無料のRVパークで目覚めました。イタリアには、こうした無料で利用できるキャンピングカー専用の駐車スペースが各地にあり、旅をするうえでとても心強い存在です。

私たちは気に入った場所を見つけると、3〜5日ほど滞在し、仕事をしたり、ゆっくり過ごしたりと、“暮らすように旅する”時間を大切にしています。

朝はだいたい7時ごろに起床。コーヒーを淹れて、フルーツとグラノーラなど簡単な朝食をとるのがいつものスタイルです。ただ、この日はやることが盛りだくさん。ゆっくりする間もなく、少し早めに身支度を整えて、次の目的地へと出発します。

キャンピングカーでは、走行中に物の出しっぱなしは禁物。ちょっとした揺れで物が動いてしまったり、扉が開いて中身が飛び出したりすることもあるため、出発前の“片付け”に意外と時間がかかります。

9:00【給水・排水】出発前に必ず行う作業です

キャンピングカーでの出発前に、私たちが必ず行うのが、給水・排水・トイレ処理の作業です。次の場所で必ず水が使えるとは限りません。ときには給水場が故障していたり、特に冬は凍結していて使えないなんてことも。「水がない…」と慌てないためにも、出発前に水を満タンにしておくようにしています。

作業時間は、水圧やタンクの容量にもよりますが、給水・排水・トイレ処理すべてで20~30分ほどかかることもあります。地味に時間がかかる作業なので、私たちは常に時間に余裕を持って行動するようにしています。
10:00【スーパーで買い出し】

私たちは、だいたい1週間〜10日に1回の頻度で買い物をするようにしています。よく利用するのが、Lidl(リドル)というドイツ発祥のディスカウントスーパーです。ヨーロッパ各国に店舗があり、食材から日用品まで品揃えが豊富で、価格もお手頃。そして何より、駐車場が広いので、大型キャンピングカーでも楽々停められるので、ストレスなくお買い物ができます。

ついあれこれ手に取ってしまって、気づいたら1時間近く経っていたこともよくあります。

車内の冷蔵庫は150Lと車にしては大容量なので、ついついまとめ買いしがち。その分、あとで全部を限られた収納スペースに収めるのがなかなか大変で、毎回ちょっとしたパズルのようです。
11:15【キャンピングカーの洗車】
ヨーロッパでは、ガソリンスタンドに自動洗車機やコイン洗車場が併設されていることが多く、気軽に立ち寄れるのが便利です。

ただし、キャンピングカーとなると話は別。車体が高いため、どこでも洗えるわけではなく、毎回「高さ3m以上OK」の場所を探さなければなりません。
しかも、手洗いの洗車はとても大変で、本当はメンテナンスのためにも定期的に洗車したいところですが、つい後回しにしてしまいがち。
でも今回はそうもいきません。先日訪れた雪山でかなり汚れてしまったうえに、道路に撒かれていた“凍結防止用の塩(融雪剤)”が車体の下に付着している状態。これを放置するとサビの原因にもなるため、さすがに見過ごせません。
高さの関係で自動洗車機は使えないので、いつもコイン洗車場で手洗いしています。料金はだいたい1回5〜10ユーロほど。
最初の頃は洗車作業にすごく時間がかかっていましたが、3年も続けているとさすが慣れて、手際もよくなり、今では30分ほどで終わるようになりました。それでもやっぱり、車体が大きい分、洗う範囲も広くてなかなかの重労働。終わる頃には、どっと疲れています(笑)。
12:00【洗濯】

この日の用事は、まだまだ終わりません。こうした、たまにだけど地味に時間のかかる作業は、まとめて1日で一気にこなすようにしています。
実は、バンライフでの洗濯は結構大変な作業なのです。いつもコインランドリーを利用しているのですが、街の中心部にあることが多く、キャンピングカーで近づきにくかったり、駐車スペースが見つからなかったりと、ひと苦労です。
でも今回は、コインランドリーのすぐ隣に駐車場がある場所を見つけることができ、ちょっとラッキー。しかも小さな町だったので、落ち着いて洗濯をすることができました。

洗濯は小さいものは手洗いし、大きい衣類は月に2回ほどまとめて洗濯することが多いです。1回あたり10~18ユーロほどかかります。洗濯+乾燥で2時間ほどかかります。
12:30【昼食】

洗濯の待ち時間はのんびり…とはいかず、隣に停めた車に戻って、そのまま昼食を済ませてしまいます。普段私たちは時短も兼ねて、前日の夜ごはんを多めに作って、残りを翌日のお昼に回すのが定番スタイルです。こうしておくと、忙しい日でもサッと食べられて助かります。
昨夜はメキシコ料理のブリトーとナチョスを作っていたので、お昼はそれを軽く温め直すだけです。手の込んだことはしていなくても、好きなものを気軽に食べられるのは、車内キッチンのいいところです。
外食もいいけれど、こうして自分たちのペースでごはんを食べられるのは、バンライフならではの心地よさかもしれません。
お昼を食べ終わる頃には、ちょうど洗濯も完了。乾いた洗濯物をすべて畳んで収納し、ひと息つく間もなく、次は今日の車中泊スポットへ向けて出発します。
15:00【新しい車中泊スポットに到着/午後は仕事】

午前中はあちこち動き回り、なかなかの忙しさでした。なので、この日はあまり遠出はせず、30分ほどの場所にあるRVパークへ向かうことにしました。
到着したのは、公園の目の前にある静かな駐車スペース。周りにはほかのキャンピングカーの姿もなく、ゆっくり過ごせそうな雰囲気です。
こうしてその日の拠点が決まると、少しほっとひと安心。バンライフでは、「どこに泊まるか」で1日の過ごしやすさが大きく変わります。

この日は特に予定もなかったので、そのまま車内でパソコンを広げて仕事タイム。午前中の慌ただしさとは打って変わって、午後はぐっと落ち着いた時間が流れます。
旅だけじゃない、これがバンライフのリアル
バンライフというと、毎日が旅で、絶景の中を自由に移動する。そんなキラキラしたイメージを持たれることが多いかもしれません。
でも実際は、今回のように洗濯や買い出しに追われる“普通の日”もたくさんあります。場所が変わっても、日々の生活や仕事をこなしていくことに変わりはありません。
それでも、不思議とこの暮らしが心地よく感じるのは、旅のワクワクと、日常のルーティーンが、ちょうどよく混ざり合っているからかもしれません。
特別な景色の中で過ごす日もあれば、こうして“日常”の一日を過ごす日もある。そんな“旅と暮らしが重なり合う時間”こそが、バンライフの魅力なのだと感じています。






