※古い時代の商品を紹介している関係で、一部見づらい写真があります。ご了承ください。
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アウトドア神ブランド大辞典 「ギア編」中編
何世代にもわたって愛用される米国のファミリートレジャー

1896年、米テネシー州でジョセフ・ロッジが創業。以来5世代にわたり家族経営を貫く。当初は砂型を用いて、手作りでスキレットやダッチオーブンを製造。1930年の世界恐慌時には、動物の置物を作ることで従業員の雇用を守り抜いた。その誠実なモノづくりと伝統は、今も鉄鋼の街で脈々と息づいている。
創業 :1896年
問い合わせ先:エイ アンド エフ TEL:03(3209)7575


100年以上前のスキレット(エイ アンド エフ所蔵)。アメリカでは「ファミリートレジャー(家宝)」として、親から子へ受け継がれるのが当たり前となっている。

1964年に米国初の自動鋳型製造プロセスを導入。伝統を守りつつ、環境保全と技術革新でテネシー州知事賞を受賞するなど、常に業界をリードしてきた。

ロッジの鋳鉄で料理を作ると格別に美味しく、鉄分も摂取できることから、熱狂的なファンからはブラックマジックと称えられている。
自然の中で人が美しく住むための構造を意識する

創業者ビル・モスは、テントを「自然の中に生まれる最小単位の建築」であると考える。軽さや価格よりも人が中でどう感じるのか、構造の美しさを優先。代表作品である「スターゲイザー」には天窓があり、テントの中にいながら外の様子が観察できる。その自然と切り離さない住空間作りがモスの最大の魅力。
創業 :1975年
問い合わせ先:モスジャパン shop@mosstents.net
アンコール
¥343,200

モスの代表作であるスターゲイザーをスケールアップしたモデル。サイドウォールをアーチ型に設計し、居住スペースを拡大。最大4人まで快適に過ごせる。
スターゲイザー
¥233,200

1983年よりニューヨークの近代美術館(MoMA)の永久展示品に選ばれた伝説のテント。どこを切り取っても美しい構造は唯一無二だ。
研究室の「ピペット容器」がブランドの原点

1949年、米ニューヨーク州で科学者エマニュエル・ゴールドバーグが、世界初のプラスチック製研究装備品を開発したのが始まり。ブランド名は妻ナタリーの頭文字に由来する。かつて科学の主流言語がドイツ語だった名残から、日本では英語読みの「ナルジン」ではなく「ナルゲン」の名で親しまれている。
創業 :1949年
問い合わせ先:ハイマウント TEL:03(3667)4545

登山好きの社員が研究用ボトルを山で使い、その実力を確信。ループ付き栓などアウトドア専用の設計へつながった。

ブランドの原点ともいえる研究用ピペットジャー。液漏れが許されないラボの技術が、今の気密性を支えている。
ボトルシリーズ
¥2,420〜

定番の「広口0.5L Tritan Renew」をはじめ、サイズやカラーも多彩なラインナップ。飲料から行動食まで、あらゆる用途に応えるラボ生まれの自信作だ。
国内屈指のダウンメーカーが作る最高峰の寝袋

布団、寝具の縫製会社だった横田縫製が、1988年に国内大手ブランドの寝袋OEM生産をきっかけにアウトドアの世界へ。’95年に社名を「ナンガ」に変更し、高品質寝袋を生み出していく。大量生産、海外移転が主流になる中、あえて日本製にこだわって"品質に正直"な姿勢を貫き、多くの登山家から信頼を獲得。「命を預けられる寝袋」として日本屈指のダウンメーカーに。
創業 :1993年
問い合わせ先:ナンガ TEL:0749(55)1016

本社がある滋賀県米原市は近江真綿を使用した布団製造の生産地として有名。その土地に「ナンガ」が誕生した際の旧社屋。
オーロラテックスライト
¥47,300〜

ナンガを代表する寝袋。独自の防水透湿生地を採用し、防水カバーの必要なし。4シーズンモデルから厳冬期用までバリエーションを選べ、用途や好みにフレキシブルに対応。
今までにない新しい体験を提供し続ける妥協のないモノづくり

宇宙服開発プロジェクトに参加していた創業者のカム・ブレンシンガーは、その高度な科学技術とデザイン哲学をアウトドアに応用。金属ポールの代わりに「エアビーム(空気の梁)」で自立する革新的なテントを発表すると、一躍世界中から注目を集めるブランドに。「今までにない新しい体験」をユーザーに提供できない場合は製品化しないという創業理念を徹底する。
創業 :2002年
問い合わせ先:ストライド TEL:03(6833)1336
タニ オズモ 1P
¥88,000

日本の過酷な山岳環境のためにデザインされたテント。高温多湿な夏に対応する大型のベンチレーションと、狭いテント場にも張りやすいサイズ感が特徴。設営もしやすい。
フィッロ エリート
¥7,480

空気の層の上に薄いフォームを重ね、それを肌触りの良いカバーで包む三層構造。「軽さ」と「家の枕のような安眠」を両立させた最高の枕。重量わずか85g。
スペックより時間の質。北欧のヒュッゲを形に

1901年創業の北欧発ブランド、ノルディスク。寝具メーカーをルーツに持ち、デンマーク語で「心地よい時間」を指す「ヒュッゲ」を追求し続けている。あえて重厚なコットンテントにこだわるのは、通気性はもちろん、光や音を柔らかく遮り、暮らしのような空間を作るため。スペックを超えた圧倒的な居心地が、自然の中での贅沢を叶えてくれる。
創業 :1901年
問い合わせ先:ノルディスクジャパン https://japan.nordisk.eu

125年の歴史を刻むデンマークの本拠地。北欧の豊かな暮らしから生まれる「ヒュッゲ」の思想と、洗練されたデザインの源泉だ。

羽毛布団作りで培った技術が、スリーピングバッグやテント開発の礎に。125年の歴史の根底には、良質な眠りと休息への追求がある。

テントは修理して長く使うものという考えを徹底。国内にサービスセンターを構え、経年変化を愛しみながら一生物の道具を育てる文化を、ユーザーと共に築き続けている。
道具を超え世代を繋ぐ工芸品ナイフ

フランスの鍛冶一家に生まれたジョセフ・オピネル。父の反対を押し切り機械化を断行した彼の情熱が、高品質なナイフの普及を実現し、フランスの庶民文化に深く根付かせた。象徴的な「王冠を戴く手」の刻印は、地域の歴史と誠実な手仕事への敬意の証。130年以上変わらないジョセフの哲学こそが、今も世界中で愛される理由だ。
創業 :1890年
問い合わせ先:ハイマウント TEL:03(3667)4545

カメラを自作するほど多才な、創業者のジョセフ。彼のそんな遊び心と独創性が名品を生んだ。

熟練の技を重んじながら製造工程を近代化。この品質への徹底したこだわりが今に続いている。

ジョセフが初めてトリノ万博(1911年)に出展した際に持ち込んだ刃物のコレクション(ショーケース)。上部には「王冠を戴く手」の紋章が彫られている。
ステンレススチール No.08
¥2,640

数あるサイズ展開の中でもっとも汎用性が高いと言われる不動のベストセラー。サビに強く手入れが容易なステンレス刃と、手に馴染む天然木のハンドルが特徴だ。

初期のオピネル。130年以上前に設計されたシンプル極まる機能美は、今も変わることなく、一切の色褪せを感じさせない完成された形だ。
※構成/風間 拓、中山夏美
(BE-PAL 2026年4月号より)




