ザ・ノース・フェイスはカウンターカルチャーの熱狂から生まれた!時代を変えた名品をプレイバック | アウトドアブランド 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.05.06

ザ・ノース・フェイスはカウンターカルチャーの熱狂から生まれた!時代を変えた名品をプレイバック

ザ・ノース・フェイスはカウンターカルチャーの熱狂から生まれた!時代を変えた名品をプレイバック
ベトナム戦争に反対するアメリカの若者たちは体制へと挑み、またある者は自由を求めて理想のコミューンを作り上げた。1960年代のヒッピームーブメントはカウンターカルチャー(対抗文化)の象徴であり、そこから生まれたものは数知れない。数々の名品を送り出してバックパッキングや野営の快適さを向上させたザ・ノース・フェイスも、そんな時代から始まったのだ。
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アウトドア神ブランド大辞典 ザ・ノース・フェイス

創業 :1966年 
問い合わせ先:ゴールドウインカスタマーサービスセンター TEL:0120-307-560

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1969

シエラパーカがヒット

1975

ジオデシックドーム初登場

1976

バックマジックが完成

1978

ゴールドウイン日本販売開始

2000

サミットシリーズ展開

アメリカのヒッピー文化から登場し、傑作・名作を次々に生み出す

ザ・ノース・フェイスの設立は1966年。’60年代アメリカのヒッピーカルチャー全盛時、その香りに包まれた学生街である西海岸のバークリーが発祥の地だ。のちに社長となるハップ・クロップが、スリーピングバックの試作をしていた2人の学生の会社に資金提供を行ない、共同創業者となってブランドは本格的に始動。クロップもスタンフォード大学を卒業したばかりで、当時ザ・ノース・フェイスには若者の熱気があふれていた。ブランド名はヨーロッパアルプスの“アイガー北壁”など過酷なルートをイメージしている。
 
スリーピングバッグと同じくダウンを使った「シエラパーカ」の登場は早くも1969年。ナイロンとコットンを混紡することで耐水性と強度をともに高めた斬新な素材を表面生地に採用したダウンジャケットは、高い評価を得る。
 
その後、同ブランドはテントの分野へも進出し、バックミンスター・フラー博士による「最小の面積と構造物で、最大の容量と強度を得る」というジオデシック理論をテントに応用するというアイデアを得る。1973年には開発が始まり、2年の歳月を経て、1975年に傑作「オーバルインテンション」が誕生。その強度と耐風性の高さは、既存のテントとは比べ物にならないほどのレベルにあり、ヒマラヤや極地へのエクスペディションに用いられるようになるのは自然な流れだった。
 
このジオデシックドームの設計理念は現在の自立式のドーム型テントに引き継がれている。環境問題に大きな関心を持っていたフラー博士は“宇宙船地球号”という言葉を生み出したことでも知られ、ジオデシックドームは後年のアウトドアカルチャーに多大な影響を与えたテントだったといえるだろう。
 
続いて1976年には当時のバックパッキング文化の象徴にもなった名品「バックマジック」が開発された。これはアルミフレームが外側に露出したエクスターナルフレーム構造を大きな特徴としたバックパックで、フレームがそれまで普通だった長方形ではなく、背面から見ると8の字型。可動域が広いヒップベルトとの連動で体の動きにバックパックが柔軟に対応し、荷物が重くても体への負担が少ない。当時の若者はこれを背負って世界を旅し、自然のなかを歩き回ったのであった。
 
スリーピングバッグ、ウェア類、テント、バックパックと次々に時代を変える名品を生み出してきたザ・ノース・フェイス。いまやシューズの分野でも定評があり、あらゆるアウトドア用具を手がける総合ブランドへと成長した。その歩みはいつまでも止まることはない。

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創業直後に同ブランドに関わり、その後に引き継いで世界的企業に成長させたハップ・クロップ。アウトドア界伝説の人物だ。

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サンフランシスコの一号店。若者たちが列をなした。

バックパック

エクスターナルフレームの名作、バックマジック

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発売年:1976年
当時の価格:80〜120ドル
POINT:荷室が上下左右に分かれたフレームパック

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外側のアルミフレームにバックパック本体を取り付ける、現代の目からはユニークな形状。体の動きとバックパックが切り離され、長時間背負っても疲れないと評判を呼び、当時のバックパッカーに歓迎された。

スノーボーダー高久智基さん使用モデル、チュガチェ

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2000年代のバックカントリーパックをもとに改良を施し、リニューアルされながら現在も販売される名品。写真は初期モデルだ。

バックパックの最新作、ミュアー60

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フロントに大容量ポケットを備えた現代の大型バックパック。日本人の体形にマッチする背面構造とハーネスを持つ。¥50,600。

スリーピングバッグ

1970年代当時のカタログ

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同ブランドが生まれるきっかけとなった重要アイテムがこれ。当時の若者はこんな寝袋をバックパックに詰め込み、各地を放浪した。

ダウンジャケット

1969年誕生の名作ダウン、シエラジャケット

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オレンジ色の裏地で有名なブランド創設直後のダウンジャケット。当時は斬新なデザインでフードは脱着可能。

上下一体の寒冷地仕様、ヒマラヤン・スーツ

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ヒマラヤ8000m峰14座登頂を果たした写真家の石川直樹さんが現地で着用。暖気が逃げないスーツ型だ。

1960年代の代表モデル、シエラパーカ

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「シエラパーカ」。これは後年になって初期モデルを復刻したものだ。

安定した人気の定番品、ヌプシフーディー

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もともとの原型は1992年にエクスペディション用に開発されたもので、現在も評価が高くスタンダード品に。¥43,450。

レインウェア

1985年発売で爆発的ヒット、マウンテンジャケット

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防水透湿素材のゴアテックスを山岳ウェアで初めて使用したジャケット。色を変えた肩の生地の切り替えの意匠など、現在に引き継がれている。

ヒット商品の後継品、マウンテン ライトジャケット

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初期のマウンテンジャケットの面影を濃厚に残す最新型レインジャケット。「ライト」というだけあって、薄手の生地で軽量だ。¥44,000。

テント

バックミンスター・フラー博士考案の傑作、ジオデシックドーム

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いくつもの三角形を組み合わせて球体に近付け、大きなスペースと強度を得るのが、ジオデシックドーム。天才建築家のフラー博士の理論に基づく。

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1990年代版ジオデシックドーム、ヒマラヤン・ホテル

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6本のポールを組み合わせ、強風に耐えうるエクスペディション用。カラーが2トーンなのは、設営のしやすさを考慮した結果だ。

現代のジオデシックドーム、ジオドーム4

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球形の下部を切り取ったような美しいフォルムで周囲の壁が垂直気味に立ち上がり、内部スペースは広々としている。通気性にも優れ、居住性が高い。

発売年:2018年
現行品の価格:220,000円
POINT:球形に近い立体感で、4人眠れるほどのサイズ

※構成/高橋庄太郎

(BE-PAL 2026年4月号より)

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