どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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【柳沢有紀夫の世界は愉快!山遊び王国チリ・プコン旅・その3】
前回はこちら↓
乗り方を間違わなければです。笑
ところが私と来たらなにせ15年ぶりのサイクリングなので、電動アシスト自転車は初めての経験です。これがもう最高なんです、使い方を間違わなければ。……はい、見事に間違えました。涙
いや、これはもう完全に言い訳になるのですが、チリでのサイクリングは覚えることが多いんです。というのも生まれ育った日本も、もう25年も暮らしているオーストラリアも自動車は「右ハンドルで左レーン走行」。ところがチリでは「左ハンドルで右レーン走行」。まあ、そっちの方が世界の主流です。
そういうわけで自転車も自動車同様に「右レーン走行」。ハードルが高そうなのでずっと欧米でレンタカーを運転するのを避けていたのに、自転車でいきなり右レーン走行を初体験です。
さらにその影響もあってか「前輪のブレーキが左で、後輪のブレーキが右」とこれも日本やオーストラリアと逆!「日本やオーストラリアの感覚で左のブレーキだけ使うと、前輪だけ利いてつんのめるから気をつけてね~」とガイドの一人が注意してくれました。「右を使う」と意識すると逆に混乱しそうなので、「両方同時」に用いることにしましたよ。

次にガイドが電動アシストのパワーの説明をしてくれます。使用する自転車には「ロー、ハイ、ターボ」と3段階切り替えができて、それぞれ「25パーセント、50パーセント、75パーセント」補助してくれるとのこと。つまりターボだと自分が漕ぐ4倍のパワーが出るのです。
でも当然ターボはバッテリーの消費が早いので「すごい急坂以外は使わないように」とのこと。そして下りや平坦なところでも当然アシストを切ります。
次に走行中の注意。「車が追い抜きやすいように道の真ん中ではなく、右側のショルダーのほうを走ってください」。
ん? ショルダー? ショルダーって何? と迷ったのは一瞬だけ。ショルダー→肩と直訳したあと、「ああ、路肩ね~」とすぐに気づきました。ところが……。
ん? なんで右側に路肩? 路肩って左側だろ、普通?
一瞬パニックに陥ったのですが、「ああっ、右側通行だから右側に路肩があるんですね~」。思わずそう声を発したら、同じ左側走行の国オーストラリアから参加していた女性が「ああ、そういうこと!」と目からうろこの表情のち尊敬のまなざしで私のことを見つめてきます。
ちなみに「自転車への乗り降りも路肩がある右側から」とのことで、これも左側からに慣れている日本人には違和感。右足をペダルにかけて、左脚でまたぐもできなくはないですが「颯爽と」という感じにはなりません。
右と左が違うだけで、結構な違和感です。
いざ出発!

最初の6~7キロ下りなのでスピードを出さずにゆっくり行きましょうとのこと。その後2キロくらいの登り坂になりましたが、それほど傾斜が強いわけでありません。
今回の参加者も11名でガイドも含めると17台。それ以外に出発地点まで人と自転車を運んできた車2台が、我々のあとから追いかけたり先回りして待っていてくれたりします。

だから途中で服を着たり脱いだりすることも可能ですし、どうしようもなく疲れたら途中で断念して車に乗せてもらうこともできます。至れり尽くせりです。

ここから先はかなり登りもあるそうです。「だから電動アシストのターボモードを使ってください。それでラクラクなはずです」とガイドの説明。



アップダウンがそれなりにあって、急な登り坂では這う這うの体。ここだけの話ですがじつは私、一箇所だけ漕いでは登り切れず、下りて自転車を手で押しました。
ゴール直後に大失態が発覚!

このあとガイドの一人に「電動アシストがちゃんと利いていないんじゃないのかなあ~」などとちょっと文句を言ったのですが……話の途中でなんと「ギアの存在を忘れていた」という大失態に気づきました。そりゃあ、しんどいわけです。笑 そして文句を言ってすみません!
言い訳になりますが最初に書いた通り自転車に乗るのは15年ぶり。電動アシスト付きも右側通行も初体験と戸惑うことが多く、ギアがあることをすっかり忘れていたのです。
まあとにかく。嫌なことは温泉に入って忘れましょう。

ちなみに温泉に入る前にシャワーをする場所がありません。それが外国人にとって普通というわけではなく、アメリカやイギリスからの参加者も「えっと……入る前にシャワーしなくていいの?」と戸惑っていました。
大きな浴槽が2つあって、多分38度と40度くらいといずれもぬるめです。そして小さいのがもっと低くて36度くらいでしょうか。無色透明であまり匂いもないから単純泉だと思いますが、表示はなし。そのあたりは日本人のように気にはしないようです。

けどごめん、「ポートレートモード」で撮影してたわ。笑
2日目はさらに雨模様に
翌日も自転車ですが、1日中雨模様の天気予報。前日も小雨が降ったときは無茶苦茶寒かったというのに、参加者全員自転車に乗る気満々です。この辺りが狩猟民族と農耕民族の違いかもしれません。
あっ、けど日本でも「雨ニモマケズ」という詩があるか~。いや、あれは実際に「雨なんかに負けない」のではなく「そういう人に私もなりたい」、つまり「今はまだなれていない」という話だよな~。
……はい、余計なことばかり考えるのは雨模様で気持ちが沈みがちだからです。




こんな地味な画像を載せるのは……雨は降ったりやんだりで視界も悪く、ほぼ何も見られないからです。ここでの小休止のあともずっと悪天候が続きます。ところが!
奇跡的に訪れた晴れ間!

……いや、大騒ぎするほどの天候の好転ではないですね。ただこれくらいでも喜びたくなるくらい、ずっと天気が悪かったんです。涙
そこからさらに2キロ走ります。このあたりでは数人いるガイドのうちの1人がマンツーマンで私についていてあれこれ解説してくれていたのですが、「本当ならあっちの方向にラニーニ火山が見えるんだよ」。
ラニーニ火山の標高は3747メートル。3776メートルの富士山とほぼ同じです。山頂への登山もできるそう。ふもととの高低差が約2500メートルで平均所要時間は16時間なので、1泊2日で登るのが一般的。足元は雪になるので、クランポンとアイゼンは必須です。
……なんてあれこれ情報を得たのですが、ガスっていてその方向には何も見えません。それじゃあ絵に描いた餅だと思っていると。

2日間ずっと天気には恵まれませんでしたが、最後の最後に努力が報われました~。
そして感動のゴールイン! ……のはずなのですが、ガイドがポツンとつぶやいた「ちょっと先にアルゼンチンとの国境の検問所があるんだよね~」という言葉にそそのかされて向かうことにします。
ところがこれがなかなかたどりつきません。ようやく到着したときに聞くと「片道2.7キロメートル」ということでした。「ちょっと先」じゃないだろ~。

結構地味。パスポートを持ってきてもいないので国境越えもできず、ただ見に来ただけ。
しかも旗を見てもらえばわかるようにかなりの強風。そして帰りは超逆風。さらには大粒の雨まで降りだしました。涙
2日とも景色がイマイチだったので残念ながら「アンデスの絶景サイクリング」という感じにはなりませんでした。いつか天気がいいときに再チャレンジしたいです。
次回はいよいよ世界のアウトドア好きの聖地の一つ、パタゴニアからお届けします!
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
Amity Tours (今回のプコンでの各アクティビティーのツアー催行会社)
https://www.amity-tours.com/
CHILE TRAVEL(チリ政府観光局の旅行者用サイト)
https://www.chile.travel/en/
ATTA (ADVENTURE TRAVEL TRADE ASSOCIATION。アトベンチャートラベルに関する世界的な業界団体。今回のイベントを主催)
https://www.adventuretravel.biz









