フィンランドの湖で氷上ウォーク!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.10.23

    フィンランドの湖で氷上ウォーク!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    フィンランドの湖で氷上ウォーク!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    みなさん、湖の上を歩いたこと、ありますか? 私はあります!

    なんて書くと「空中浮遊」のような怪しい雰囲気を漂わせてしまいますが…。じつはかのイエス・キリストもイスラエルの北部にあるガラリヤ湖を歩いて渡ったという「奇跡」を起こしたことが聖書で描かれているのです!

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
    Text

    「湖の上」を歩いてる体験をしましたよ(雪遊び王国フィンランド旅・その4)

    前回はこちら↓

    フィンランドで体験できるスノーチューブとは?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    フィンランド旅は2日目を迎え、ヒモスという場所のスキーリゾートからユヴァスキュラ地方の中心地であるユヴァスキュラに移動しました。そこにあるユヴァスキュラ湖畔のレストランでランチを食べていると、とても気になるものが目に入ってきました。なんと湖の上を歩いている人たちがいるのです!

    初っ端に種明かしをすると湖が「凍っていて」、さらにその上に雪が積もっているのでツルツルすべらずに歩けるのです。

    かつてカナダで「馬ぞり」に乗ったときも、近くのホテルに宿泊している人たちが「凍った氷の上につくられたウォーキングコース」を歩いている人を見ました。

    カナダ・アルバータ州の旅で「やっぱ馬だべ」と思った話【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    そして日本でも北海道の湖などで「氷上ウォーキングツアー」などがあったりします。

    ここフィンランドのユヴァスヤルヴィ湖では、観光客ではない住人たちが凍った湖を横切ってこちらの岸に来たり、逆に対岸に向かったり。そして湖の真ん中を両岸に沿うような形でウォーキングしている人もいるんです。

    あとから撮影したものですが、危ないところには「ここに立ち入るべからず」の注意書きがあるので、それに従うことも重要。

    しかもここ、大自然の中ではなく、人口約15万人の中都市のどまんなか! そんなところで「氷上ウォーキング」が楽しめるところにフィンランドの「自然と人との近さ」を感じるのです。大自然の中で自然が楽しめるのはあたりまえ。でも都市でも自然を楽しめるところがすごいなあと。

    てなわけでランチタイムが1時間半取られていたこともあり、早めに切り上げて氷の上に一人で向かいました。ガイド役のパイビさんによると「岸の近くでは氷になっていない部分もある。でも人が通ったあとがあるところならどこを歩いてもだいじょうぶ」とのことです。

    さて湖の入口には柵がありました。

    そこに「自動車・オートバイ乗り入れ禁止」の張り紙。

    …注意しないとやるヤツがいるんでしょうね、どの国にも。笑

    意気揚々、威風堂々と進んで行きます。

    そしていよいよ湖の中央へ向かいます。ところが意気揚々、威風堂々とした気分の反面、「充分分厚いはずなのに氷が突然割れて、氷の下に流れさて戻れなくなったらどうしよう」というネガティブイメージが頭に浮かびます。

    じつはこれ、1978年に公開された名作恐怖映画「オーメン2/ダミアン」の名場面の1つ。アイスホッケー中に湖の氷が突然割れて、主人公のダミアンの敵である人物が氷の下に入ってしまい、そのまま氷の下を流されて溺死していく様子を描くシーンがあるのです。

    氷越しに外は見えるのに逃れられないということに焦り、絶望する人物の表情を、氷の上からの撮影で追った見事なカメラワーク。それで見ている自分も恐怖に陥れられたことを今でも覚えています。

    なんて言いながら湖の中間地点まで来ました。
    橋とは反対側には広大な雪原。でもこれも湖の上。

    雪がおそらく20センチほど積もった氷の上を歩いていると、変な恐怖心も消えていきます。

    左を見るとレストランやホテルが立ち並ぶ街。
    右を見ると7階建てくらいの集合住宅が建ち並ぶこれまた街。

    そんな街中なのに凍った湖の上を歩いている。それがなんだかとてつもなく爽快なのです。

    途中でクロスカントリースキーじゃなくて、クロスレイクスキーをやっている人が私の前を横切りました。
    さらに歩いて対岸に到着。
    対岸からの眺め。
    「出窓」ならぬ「出部屋」という感じの「サンルーム」があるのがユヴァスキュラの集合住宅の特徴。
    ふと横の木を見ると梢に雪が本当に薄~く積もっていて、それがすご~くきれいで、でもうまく写真が撮れなくて、くやしくて。

    なんで相棒のフォトグラファー氏に同行をお願いしなかったのか深く後悔。でも言えませんわな。「氷の上歩きたいからいっしょに来て」とは。笑

    来たときとは別のルートをもどることにしました。ルートと言っても他の人たちが歩いてできた轍(わだち)的なものがあるだけですが。

    まっすぐ伸びているのは動物の足跡ではもちろんなくて、おそらくたぶんファットバイクの車輪のあと。

    ファットバイクとはタイヤの幅が10センチくらいある自転車で、それだけ抵抗も多い分グリップ力もあるため、雪の中でも運転できるというもの。カナダでフィンランドでも体験したかったのだけど、前者は寒さで、後者はスケジュールの都合で泣く泣く断念。

    突然やってみたくなったのは…

    また両岸の中間地点に来ました。ここで突然したくなったのがふかふかの雪の上に寝っ転がること。だって「雪の上」ってだけでなく、「氷の上」、そして「湖の上」。三重の「上」で寝っ転がるなんて、この先の人生でもう二度とできないかもしれないですから。

    で、すぐに実行です。

    写真じゃただ見上げて撮ったのか寝転んでなのかわからないですが。笑

    残念ながら青空は広がっていなかったけれども、「ああ、フィンランドの冬に包まれているんだな」。そんなことを実感しました。

    やっていることがまるでガキンチョです。でもいいんです。大人がちゃんと遊ばないと、子どもたちはちゃんと遊んでいいのわからなくなります。ちゃんと遊ぶのが大人の仕事。ちゃんと人生を楽しんでいることを見せるのが大人の役割です。

    寝っ転がって脚を伸ばしてみました。

    そういえば昔、パリのルーブル美術館の天井画に圧倒されて、他に客がいないのをいいことに大の字に寝そべって眺めていたら、その部屋にはいなかった監視員らしき人がどこからか現れたことがあります。

    てっきり叱られるのかと思ったら「この見方がいちばんよく見られますよね。そこまで満喫してくれて私もうれしいです」と逆に褒められたことを突如思い出しました。

    旅っていうのは刺激が多いからか頭の片隅にたくさんの記憶を貯蔵してくれて、あるときふと思い出すことがあります。それもまた旅の楽しみ。

    出発地点のレストランが見えてきました。
    そして元いた側の岸に帰着。まったくの無料だしいわゆる「アクティビティ」っぽくはないのですが、「ああ、フィンランドに来たな」、いや「ああ、フィンランドにいるな」と思わせてくれた時間でした。

    旅の楽しみはそういうものなのかもしれません。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    Visit Finland
    https://www.visitfinland.com/ja/

    Visit Jyvaskyla Region(ユヴァスキュラ観光公社)
    https://visitjyvaskyla.fi/ja/

    フィンエアー/Finnair
    https://www.finnair.com/jp-ja
    「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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