スイスアルプスで登山!2つの山頂を吊り橋縦走【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.08.17

スイスアルプスで登山!2つの山頂を吊り橋縦走【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスアルプスで登山!2つの山頂を吊り橋縦走【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
複数の山頂を制覇する縦走ハイキングは好きだけれど、峠まで高度を下げたり上げたりするのは嫌。…それが多くの山好きの本音ではないでしょうか。「理想のコース」はあまり登り下りがなく、かつ周囲に木々もなく左右の景色がずっと楽しめる「尾根筋ハイク」!

…だとばかり思っていたのですが、スイスには「尾根筋ハイク」を超える「絶景&楽勝ルート」がありました。

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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ロープウェイで一気に標高約3000メートルの氷河絶景へ!(スイス旅その1)

「尾根筋ハイク」を超える「絶景&楽勝ルート」。それはなんと「2つの山頂を吊り橋で結ぶルート」です。その名は「ピークウォーク・バイ・ティソ(Peak Walk by Tissot)」ですが、「グレッシャー3000(Glacier 3000)」というロープウェイの名前のほうが有名かもしれません。

ちなみにGlacierの発音はアメリカ英語では「グレイシャー」、イギリス英語では「グラッシア」というカタカナ表記が近いと思うのですが、ここではスイス政府観光局の表記にしたがって「グレッシャー」とします。

この「グレッシャー3000」の意味はあとでお知らせするとして、まずは鉄道駅のある最寄りの街を紹介しましょう。海抜1050メートルのグシュタード(Gstaad)です。

約2キロにわたる街の目抜き通りは朝方の配送時間を除き自動車の乗り入れ禁止です。

田舎町の雰囲気を残しながらも、マイケル・ジャクソンなど世界のセレブに愛された高級高原リゾート。映画『メリー・ポピンズ』や『サウンド・オブ・ミュージック』に主演したジュリーアンドリュースもこの町を愛し、「このクレイジーの世界の中で最後のパラダイス」と称したといいます。

こちらはグシュタードの隣町のザーネン(Saanen)。

丘の上の住宅地に「アルプスと言えば」のあの少女がいました。ちょっとうれしくてテンションが♪ラララリラリホ~と上がります。

別に「日本人が来たぞ~」とおもねってくれたわけではなく、隣国のドイツとかイタリアで放送されていた「アルプスの少女ハイジ」がスイスでも観られたのだとか。

寄り道はこのくらいにして、いよいよ「2つの山頂を結ぶ吊り橋」へと向かいます。

あっという間に標高約3000メートルの山頂駅到着

拠点となるグシュタード駅からバスに乗り、約30分のコル・ドュ・ピヨン(Col du Pillon)で下車。海抜約1500メートルのここで、「グレッシャー3000(Glacier 3000)」というロープウェイに乗り換えます。

さらに海抜2500メートル付近の中間駅で乗り換えて、山頂駅はなんと2965メートルです! はい、「グレッシャー3000」のグレッシャーは「氷河」、3000は「海抜約3000メートル」の意味です。

あっという間に海抜3000メートルの世界へ。

なぜかここで「玄関空けたら2分でごはん」という1990年代のヒットCMを思い出しました。相変わらずたとえが古くてすみません。だけど本当に「気づいたら海抜3000メートルにいた」という感じ。

ちなみに日本のロープウェイで最高所にある駅は、中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅で標高2612メートルですから、それより300メートル近く高い駅です。

この山頂駅から渡り廊下と階段で直結しているのが「ピークウォーク・バイ・ティソ」という吊り橋で所要時間3分くらい。「階段」といっても高度差はせいぜい5メートルとか10メートルだと思うのですが、つい15分くらい前まで海抜1500メートル地点にいたのにいきなり到着した海抜約3000メートル。

登山で徐々に高度を上げる場合よりも高山病になりやすいので、ゆっくりと歩くことをオススメします。

山頂駅を出たところ。画面中央の頂から右の頂に橋が架かっているのが見えますね。
なぜだかわかりませんが、階段の一部だけ屋根と壁とガラス窓で覆われていました。

想像よりも頑丈な吊り橋

手前の山頂に到着です。ここの名称は「ビューポイント(View Point)」。これほど潔いネーミングもむしろ珍しいかもしれないですね。

その先にあるのが長さ107メートル、幅80センチの吊り橋「ピークウォーク・バイ・ティソ」です!

天気がよければモンブランやマッターホルン、ユングフラウなども眺められるそうですが、この日はあいにくの空模様でした。

でもこの「ハレの世界から異世界への通路」という感じもなかなかゾクゾクするもの。
橋から左側は完全に雲がかかっていますね。
でも右側の谷底方面はなかなかの景色です。

ちなみに「吊り橋」というと「揺れたらこわいよね~」と怖がる人がいます(はい、私もそのクチです)が、金属製でなんと一度に150人まで乗れるのだとか。長さ107メートルなので、ほぼ1メートル間隔で人が乗ってもだいじょうぶ。というわけですごくがっしりしていて、揺れはなかったです。

ここで思い出したが「ゾウが踏んでも壊れない」というサンスター文具「アーム筆入」のCM。オンエアスタートは1967年だそうで…どこまで時代をさかのぼるんだ、私・・・。

とにかく頑丈な橋ですが風速が時速70キロメートル、つまり秒速だと約20メートルを超えると通行止めになるようです。

山頂から山頂に渡るという爽快感がたまりません。
難点は幅80センチですれ違うのがちょっと大変なところ。

渡り切ったところの山頂が「Scex Rouge」。標高2971メートルです。

橋の「対岸」の山頂からの眺め。
帰りも絶景を眺めながら。
山頂駅への階段を降ります。

ちなみに山頂駅にはエレベーターのみでも行ける展望スペースがあり、吊り橋を渡るのが怖い人や脚力などの問題で渡れない人でも標高3000メートルの氷河の絶景が楽しめます。

その展望台から「ピークウォーク・バイ・ティソ」を眺めた風景。

そして本日もう一つのメインイベント…と思いきや

ここからリフトで少し降りたところで「アルパインコースター」あります。つまり遊園地などにあるジェットコースターの「山岳版」です。

「こんなんたまらんやろ~」と思わず声がもれました。
こんなふうに滑走していきます。

遊園地の「絶叫系」ではなく、大自然の中の「爽快系」の立ち位置ですかね。

今回は数ヵ国のジャーナリストたちといっしょの国際プレスツアーに参加していて、その初日。事前に渡された6日間の行程表の中でもこの「アルパインコースター」は私にとってのメインイベントの一つでした。ところが…。

なんと時間がなくなり体験できず。涙 でもスイスにはあちこちにこういう「アルパインコースター」があるようなので、いつか絶対に体験する!

というわけで後ろ髪をひかれながら下りのロープウェイに乗ったのですが…。

そこから見えたハイキングコースも心地よさそう。

通常下山というと退屈なことが多いですよね。登頂という大目標を達成してしまったあとなので気が抜けるというか(もちろん「無事に下山する」という最も大切なミッションが残ってはいますが)。

でもこんな見晴らしのいい下りなら歩いても楽しいだろうなと思いました。

サクッと海抜約3000メートルまで行けて、景色も最高。スイスの印象、最初からアルプス級に爆上がりです!

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

スイス政府観光局(「グレッシャー3000」のページ)
https://www.myswiss.jp/experiences/glacier-3000/

グレッシャー3000(Glacier 3000)
https://www.glacier3000.ch/en

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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