
その島は石垣島よりも台湾のほうが近く、コンビニはないけれど、手付かずの大自然はある。まさに「絶海の孤島」。切り立った断崖が続きアップダウンが激しいとの前情報をゲットし、あえて電動アシスト付きの自転車を2日間借りました。
今回はそんな自転車で2日間かけて島を一周したよというお話です。与那国一周サイクリングの基本情報、注意点、おすすめルートなども紹介しますよ~。
与那国島でサイクリングするための基本情報

- 島一周の距離
→約25~28㎞(ルートにより若干変動)です。 - 島一周の所要時間
→ロードバイク利用や健脚な人は2.5~3時間、平均的な体力でゆっくり観光しながらの場合は3.5~5時間くらい。 - 道路状況
→横道に入らない限りほとんど舗装されています。アップダウンは多い。 - 気候
→亜熱帯海洋性気候に属し一年を通じて温暖です。年間平均気温は24.7度C。海風の影響で夏は東京など都市部よりも涼しく感じることがあるそうです。私が滞在していたGW前は23~28度Cくらい。梅雨前だからか、湿度が高くムンとしていました。
迷わず電動アシスト自転車をレンタルしよう

島には空港内の「JALレンタサイクル(空きがあれば当日でもレンタル可能、ただしアシストなし)」をはじめ、3軒以上のレンタサイクルショップがあります。そのすべてに電話をして、料金、アシストの有無、自転車を宿まで配送してくれるのか、充電器が借りられるかなど、必要な情報を根掘り葉掘り聞きました。
そのなかで選んだお店が「前竹工業」でした。宿泊先まで無料配送してくださり、1泊2日(朝8時30分~翌日17時)で料金は5,000円。
整備もしっかりされており安心して島一周できました。島のレンタサイクルは台数が限られているので旅程が決まったらすぐに抑えましょう。実際に利用してみて、このお店を選んで良かったと思いました!
前竹工業
- 電話:0980-87-3877
- 料金:1時間1,000円、2時間2,000円、3時間以降から日没まで3,000円、1泊2日5,000円、その後、1日追加ごとに+2,000円(1日あたり)
- 支払い方法:現金のみ
- 配送:空港や宿など、島内のお好きな場所まで無料で配送していただけます。

あると便利なスマホフォルダは持参しよう!

事前にスマホフォルダの有無をおたずねしました。なかったので、自分のロードバイク(デローザに乗っています)に付けているフォルダを外して持参し、レンタサイクルに取り付けました。小さい島とはいえ、町なかでは重宝しました。
与那国島一周をどう走る?

島を東西半分ずつ、2日に分けて走りました

今回、与那国島には3泊4日滞在しました。天気は全日、晴れ予報だったので、急ぐ必要もなく、2日かけてじっくり一周しました。宿のスタッフさんや、レンタサイクル屋さんから、「島の東側はアップダウンがキツイよー」と聞いていたので、そちらは2日目に取っておくことに。
初日は島を代表する祖納、比川、久部良という3つの町がある西側を「日本最西端探し」しながら走ることに(端っこ好きの旅人です)。
のちほど1日で一気に周回するルートもご紹介しますね。
ティンダバナ

宿を9時30分くらいに出発して、写真を撮りながらうろうろと祖納を走り「ティンダバナ」に到着。もしかしたら今回のサイクリングで一番急坂だったかも。でもアシスト付きなので勾配は気にならなかったです。ここは与那国島を最初に統治した16世紀初期の女酋長サンアイ・イソバの住みかとされる伝説の地です。
食事処さとや

ランチは、祖納からまっすぐ南下して、比川集落にある八重山そば店「食事処さとや」へ。味噌仕立ての「車えびそば(1,600円)」をオーダー。クルマエビは近くで養殖された新鮮な与那国産。太めの麵は、食べごたえありおいしかったです。
食事処さとや
- 所在地:沖縄県八重山郡与那国町字与那3093
- 電話:090-5294-4445
- 営業時間:11~14時(L.O.13時30分)
- 定休日:木曜
- 支払い方法:現金のみ
Dr.コトー診療所オープンセット


私は映画もドラマも観ていませんが、驚くほどしっかり作り込まれたオープンセットはファンならば大興奮すること間違いなし!エアコンが効いており窓の外には青い海、休憩場所としても気持ちよかったですよー。
Dr.コトー診療所オープンセット
- 所在地:沖縄県八重山郡与那国町与那国3027-1
- 電話:0980-87-2888 (比川共同売店)
- 定休日:無休
- 営業時間:9~18時
- 入館料金:300円(15歳以上)
●プチ情報:道中ではテキサスゲートにご用心を

比川を出ると、さっそく現われたのが「テキサスゲート」。馬や牛など蹄のある動物が、怖がって歩けないように溝が連続して作られています。与那国馬では、自然に近い形で放牧されているため、島内の道路にこうしたゲートが何か所か設けられています。ゲート内では与那国馬がのんびりと草をはんでいましたよ。


西崎(いりざき)

日本で一番最後に沈む夕陽がここから望めます。条件がよければ台湾の島影が見えるそう。
久部良(くぶら)

久部良では、最西端探しを楽しみました。学校、商店、ホテル、居酒屋、スナック、駐在所、郵便局、信号など…。この町にあるモノはたいていが最西端。端っこ好きにはたまらない場所でした。
●プチ情報:ダンヌ浜の映えスポットは全面立ち入り禁止

久部良を出発すると左手にダンヌ浜が見えてきます。そこにある、かつて映えスポットとして知られたトイレは、今は立ち入り禁止です。塩害がひどい与那国島。島のあちこちに崩壊寸前の建物があります。このトイレでも、コンクリートブロックが落ちてくることもあるそうなので、絶対に入らないでくださいね。
■初日の走行データ
- 走行時間→9時40分~14時15分
- 走行距離→約23km
最西端探しでかなり時間が取られましたね(笑)。いやー、ちょー楽しかった!
2日目は、きつい坂がある島の東側へ

東崎(あがりざき)

前日の天気がよすぎたのと、一番日差しが強い時間帯にウロウロしていたため、腕が真っ赤になるほど日焼けしてしまいました…。そこで2日目は長袖を着て、首を日差しから守れるストローハットをかぶって朝早く出発しました。
軍艦岩

上の写真は「サンニヌ台展望台」という場所です。早朝のためか、観光客は宿で朝食中なのか、どこに行っても私ひとりで、ちょっと怖かったです…(笑)。
立神岩

天気は雲が分厚く、景色はどんよりしちゃったけど…。身体的には涼しくてすごくラクでした。
インビ岳展望所

鬱蒼とした急な山道をぐんぐん登った場所にある展望所。この島にはハブもマムシもいないのが、ほんとうにうれしい。

■2日目の走行データ
- 2日目走行時間→7時04分~9時43分
- 走行距離→約18.5km
たくさんの方に「大変だよー」と脅されて(笑)、午前中いっぱいかかると思っていた2日目の東側サイクリング。撮影、寄り道しながらでも2時間30分くらいで完走できました。電動アシストのおかげで体力があり余っています。どうしてくれよう、という気持ちでした(笑)。宿に戻ってちょっと昼寝しました。それもまたいい時間。
1日で島を走れるおすすめ周回ルート

最初に与那国の大自然を感じられる東側を抑えておいて、商店や食堂がある比川か久部良でランチ。素朴な沖縄文化に触れます。その後、西側を走り、一気に祖内に戻るルート。タイミングがよければ飛行機の離発着も見られますね。
しかし島内は南風がやや強く吹きます。あまりにも強烈なときは反時計回りの方が南風を背に受ける区間が多く、走行がラクになりそう。天気予報や風向きをチェックして決めてくださいね。
与那国島サイクリングの注意点
■日差し対策はしっかりと

先日お仕事で出席した某眼鏡メーカーの発表会で、「この10年で紫外線量は倍になっている」と聞きました。目に一番よくないのが紫外線ということでサングラスはかけ、帽子もかぶって対策していたのですが、腕は日焼けに対する下地ができているので大丈夫だろうとノーガード。そうしたら夜中、両腕がブユにでも嚙まれたような猛烈なかゆみに襲われました(原因は日焼けですよ)。
持参したアレグラを口に放り込んで、冷蔵庫から取り出した2Lのペットボトルを両腕で挟んで冷やしたら、やっと朝まで熟睡。日焼けってヤバイですね。いまさらですが…。
皆さんも、日焼け止め(島で売られているのは選択肢が少なく高いので必ず持参で!)、日よけの帽子(キャップではなく首もガードするハット)、薄手ジャケットやパンツなど暑い時期でもマストです。
■水はボトルで多めに用意しよう

島の東側は自然がいっぱい。商店などはみごと皆無です。屋根がある休憩場所も少ないです。木陰などを見つけてはサーターアンダーギー(沖縄県の揚げ菓子、上の写真の右)など口に放り込んでいました。2Lの水は水筒に注ぎつつ飲みましたが、半日くらいで飲み干しましたよ。
島は坂道がいっぱい。だから電動アシスト自転車がおすすめ

与那国島は起伏が多いといわれています。でもアシスト付きならまったく問題なかったです。すごいな電動!と感動しました。気になるバッテリーは、条件にもよりますが、1回の充電で十分周回できると思います。
アラフィフになって思うこと…

ロードバイクなど自分の体力で楽しむ趣味を20~30代と同じようにやるって、なかなか難しいと思うんです。キープできる人ってほんと一握りだと思います。私も自転車にはずいぶんハマりまして、30代前半にはロードバイクで佐渡島周回210kmを1日で漕ぎました。
もちろん素晴らしい思い出として残っていますが、がんばりどころである”Z坂”の苦しさもを身体や脳がすごく覚えていて…。でも今、このアシストがあれば、余裕で走れちゃうんじゃないかなと。ロードバイクよりアシスト付きのチャリのほうがスイスイいけるって(笑)!
まさに自転車にアシストしてもらいながら、趣味を「あきらめない」。また違うよろこびや楽しみが生まれそうだと思った、与那国一周サイクリング旅でした。