クロアチアのカリニックという小さな村を散策。古城のすぐ横の岩場を上ったり、ハイキングしたり | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2025.04.07

クロアチアのカリニックという小さな村を散策。古城のすぐ横の岩場を上ったり、ハイキングしたり

クロアチアのカリニックという小さな村を散策。古城のすぐ横の岩場を上ったり、ハイキングしたり
私が住んでいるハンガリーの町からクルマで約3時間。隣国クロアチアのカリニックという村で2泊3日のクライミングツアーに参加しました。費用はレンタル料や交通費を含めて1万円ポッキリ。「ツアーのガイドさんについて行くだけだから」とあえて下調べをせずに行ってみたら、意外な岩場が待っていました。
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カリニックという村にある古城を望むクライミングエリア

古城を望むキャンプ地

クライマー御用達のキャンプ地は、なんと古城の足元です。

「ここがキャンプ地です」とクルマを下ろされてビックリ。目の前に古いお城がそびえ立っていました。

ほんとうに、こんな遺跡みたいな場所でテントを張っちゃっていいの?やや不安な気持ちになってしまったのは私だけのようで、ツアー客もそうじゃない人も、どんどんテントを組み立てていきます。地面には、歴代のキャンパーが使ったらしい焚火の跡が2つあったので、ここがキャンプ地で間違いありません。

お城の入り口にあったクロアチア語の看板と、その下の英語表記の看板には、「クライミング禁止」と書いてありました。どうやら「城壁を登るのは禁止」という意味らしく、お城にほぼ隣接している岩肌には、スポーツクライミング用のボルトがたくさん打ってあり、クライマーがどんどん集まってきまsた。

お城を背景にクライム

お城を背景にレッツ・クライム!

岩場がどれだけお城に近いかというと、こんな感じ。休憩している人が腰かけているのは、城下町のチャペルの外壁部分です。お城の周囲に登れるエリアがいくつもあって、なかにはゴールまで登りきったらお城の頂上に出るルートもあります。

小さな村で、観光地としてもマイナーなカリニック。しかし週末ともなればハイカーが多く集まり、入り口の案内板曰くその歴史は1243年に遡ります。

中央アジアから東ヨーロッパまで進出していった遊牧民族タタール人との闘いの記録が残っていて、当時、そのタタール人と戦ったベラ4世に食べ物を与えて支えた地元の人たちのことを「桃の貴族」と呼んでいたとか。

クライミングエリア

カリニックのクライミングエリア。

高度はそこそこですが、かなり傾斜がある岩もありました。ヨーロッパなのでクライミングのグレーディングシステムはフレンチグレードで、写真の中学生が登っているのは「Blazar (7a)」のルートでした。日本のスポーツクライミングで使われているグレードに換算すると「5.11c」だそう。

私も一緒に完登し、男の子からこんなことを聞かれました。

「君はジムと外岩、どっちで登ることが多いの?」

クライミングはハンガリーやクロアチアではマイナースポーツで、首都などを除くとジムも少なく、岩場で登る機会のほうが多いという人も少なくないそうです。

スラブもあり

少し奥へ進むとスラブもありました。

ボルトの間隔は遠すぎず、あまり外岩に慣れていない人でも恐怖心は少な目。今回のツアーでビレイを練習する初心者もいました。

おやつは手作りケーキをシェア

おやつの手作りケーキ

おやつにいただいた手作りケーキ。

クライミングって、実際に登っている時間よりダラダラしている時間のほうが長い気がするのは私だけでしょうか?そんなときは、手作りのおやつを持ち寄って、みんなで交換します。

これはチェリーの砂糖煮が入ったケーキ。甘酸っぱさがちょうど良くて、もっと食べたくなる味。

リンゴチップスと筆者

リンゴチップスも美味。

乾燥リンゴのチップスは、ハチミツみたいな香りがして、すごく美味しかったです!

雨の朝はハイキングへ

ハイキングコース入り口の看板

ハイキングコース入り口の看板。

薄暗い早朝、雨が降る音で目が覚めました。うーん、これは今日は、もしかしたらロッククライミングはできないかもなあ。というわけで、ギリギリ雨が止んだタイミングを見計らい、みんなが起きるより前にテントを抜け出しハイキングをすることにしました。

看板はあるけど、クロアチア語だからなにもわからない。とりあえず、トレイルの目印らしいものを辿って進みます。

山頂を示す看板

「山頂はこちら」という看板。

「1h」と書いてあるので、きっと山頂まで1時間という意味でしょう。

ツルツルの岩を前に、撤退を考える筆者

ツルツルの岩を前に、撤退を考えました…。

軽い気持ちで歩き始めたものの、すぐにちょっと不安になるものと出会ってしまいました。

トレイルの目印が二手に分かれて、どちらへ行っても目の前には岩。しかも雨が降ったあとでちょっと滑るのです。

ほんとうに、これで合っているのか…。

1ZUBと書かれた目印

「1 ZUB」と書かれた目印。これはどういう意味だろう?

やや不安になりつつも、短い間隔で目印のペンキが岩に塗ってあるから、多分大丈夫。ところで「1 ZUB」ってどういう意味だろう?

岩の上から見下ろすお城と岩

岩の上から見下ろすお城と、歯のように突き出たいくつもの岩。

このときは知らなかったのですが「ZUB」とはクロアチア語で「歯」を意味するそう。

岩だらけの道を登りきると、先ほどのお城からほぼ一直線にたくさんの岩が出ているのが見えます。まさに、歯みたいです。昔の人は、この自然の地形を城壁のようにして防衛に活かしたのでしょう。

登り切って少し意外だったのは、山頂はまだまだ先ということ。ZUBは全部で7つあり、私は3つまで登ったけれどツルツルの岩に心が折れ、岩を避けるまき道を進みました。

手すりは電気ケーブル

手すりをよく見たら、それは電気ケーブルでした。

7つのZUBをすべて繋ぐトレイルと、それを避けて山頂を目指す林道など、複数のトレイルがありました。

山頂の景色

山頂の景色。急に晴れたので逆光になってしまいました。

無事に山頂に到着すると、朝の天気が嘘みたいに太陽が出てきました。気持ちの良い眺望ですが、山頂の標識を見てまたまたビックリ。なんと、標高は643mしかないのです。意外と低い!

意外なところで”ヴィア・フェラータ”を発見

絶壁に張られたワイヤー

絶壁に張られたワイヤーを発見!

山頂直下の最後のZUBの絶壁に、ワイヤーが張られているのを見つけました。

ヨーロッパでたまに見られる「ヴィア・フェラータ」と呼ばれるもので、ハーネスを使って絶壁を歩けるみたい。これがあると知っていたら、ハーネスをテントの中に置いてけぼりになんてしなかったのに(涙)。残念ながら今回は挑戦できず、残念です。

ハーネスの使い方を示す看板

ハーネスの使い方を示す看板。

印刷がだいぶ薄くなってしまったけれど、ヴィア・フェラータを使用するにあたり正しいハーネスの使い方をレクチャーする看板もありました。

ツリー・ネット・クロアチアが手がけた森のネットでリラックス

森の中のネット

森の中に謎のネットを発見!

カリニックの山頂からの下山途中でも、おもしろいものを発見しました。森の中にネットが張られていて、トランポリンのようになっていました。

「Tree Net Croatia (ツリー・ネット・クロアチア)」という団体の作品で、各地にこのようなネットを設置しているそうです。

ネットを設置した団体の看板

ツリー・ネット・クロアチアという団体がネットを設置したことが記されています。

看板を翻訳アプリにかけると、「勇気ある6人が乗って試しました。あなたもどうぞ」と書いてあり、私も遠慮なく乗ってみました。

ネットに寝転ぶ筆者

クライミング以外でも大満足の旅でした。

ネットの乗り心地は最高で、テント無しでこのまま眠ってしまいたいくらい。

クライミングも楽しいけれど、それ以外にも意外な楽しみが満載のカリニック。また行きたいクロアチアのおすすめスポットです。

私が書きました!
建築学生
佐藤ジョアナ玲子
フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーの山の中で、電気・ガス・水道なしのオフグリッド生活をしている。

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