
今回は海沿い&崖っぷちのウォーキングコースをご紹介。
みなさん、熱帯でウォーキングしたことはありますか? では熱帯都市では? そして熱帯都市の断崖絶壁では?
今日はみなさんにそんな一風変わった場所でのウォーキングを紹介したいと思います。どうも。人生いつも崖っぷち。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
さて、今回訪れているのは「ダーウィン」という人口14万人の街。オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州)の州都で、都市名の由来は「進化論」で有名なあの「チャールズ・ダーウィン」です。ユネスコの世界遺産(複合遺産)でもある「カカドゥ国立公園」や、大自然を身近に楽しめる「リッチフィールド国立公園」などへの玄関口の街です。
ただし、ここはそうした有名観光地の「拠点」とするだけではもったいない。というのは、ホテルやオフィスビルが林立する街一番の「目抜き通り」からたった200mくらいしか離れていない場所に、「海が見渡せる断崖絶壁沿いのウォーキングコース」があるからです! ほんと、街の真ん中のすぐそばですから。

目抜き通りから徒歩3分でこれ。あり得んでしょ? 普通。
そのウォーキングコースは、北西から南東側にのびる細長い「バイセンテニアル公園」の中にあります。全長1kmほどの遊歩道です。絶壁絶景ウォーキングが楽しめるという、おそらく世界的に見ても珍しい場所です。片道およそ1.5km。

クジラのしっぽのオブジェも「海沿い」感を演出しています。
しかも、場所は「熱帯」。というわけで、最初に書いたような「熱帯都市の断崖絶壁ウォーキング」という日本では絶対にできない体験が楽しめるのです。
魚のエサ(やり)につられつつ、断崖絶景公園めぐり
私がスタートしたのは「バイセンテニアル公園」北西の端から。まだ薄暗いときにホテルを出ましたが、日の出から1時間くらいするとかなり暑くなるので頑張って歩かないといけません。
ところが、出発直後に気になる道標を発見!

「Fish Feeding」、つまり「魚のエサやり」。
とはいえ、涼しいうちにホテルに戻ることを考えると、こういうのはサクッと無視…はできないんですよね。エサにつられて、のっけからつい寄り道です。はい、人生は寄り道です。どうでもいいですが「人生は」で始めるとなんでも「名言」っぽくなりますよね。……あっ、これも寄り道か。寄り道してもいいんだよ、人間だもの。
坂を下っていくと、本当に魚にエサをやれる施設がありました。

左に置かれた看板によると「満潮時のみオープン」。きっちりしているんだかアバウトなんだか不明ですが、この営業スタイルには人生で初めて合いました。
あとでウェブサイトを確認したところ、1日のうち1~3時間だけの営業のようです。この日は夕方が満潮だったので立ち寄れず。朝のウォーキングの時間と満潮のタイミングがあえば、覗いてみるのもいいかもしれませんね。その場合は逆側からスタートして、ここを最終目的地にするのがいいでしょう。

なぜか急にたい焼きが食べたくなりました。こういうオブジェを見つけるのも「街なかウォーキング」の楽しみの一つですね。
元のウォーキングコースに戻ります。どうでもいいですが、「1記事の画像はせいぜい15枚くらいに」と編集者に念押しされている私。すでに6枚使っていますが、大丈夫か?
ウォーキングコースの脇には、展望台になっているところもあちこちにあります。

左の電柱には「崖っぷち危険」の看板。

確かにかなりの高度差です。
このウォーキングコース、お伝えしたように公園の中にあるので、途中「プレイグラウンド(子どもの遊び場)」や「路上の筋トレ設備」的なものも出てきます。

こういうところに日差し除けのタープが張られているのが熱帯ダーウィン流。

熱帯なのでコース脇のベンチも庇つきの熱帯仕様。

ベンチの裏はつる植物で陽射しをさえぎっています。日が当たる夕方とかだとインスタ映えしそうですね。
ちなみに、ウォーキングのベストシーズンも5月~10月。この時期は最低気温が20度台前半まで下がるからです。雨もほとんど降らず、湿度も低めです。
そんな中でも、ウォーキングのスタートは涼しい日の出前くらいがベスト。ただし海がきれいなのは、やはり陽射しが明るくなってからですね。

これは昼間に撮った写真。「絶景の展望台」っぽいのに、なぜか立ち入り禁止でした。
ふと足もとを見ると…。

袋に入れて、ゴミ箱に捨てて! 激しく同意。
そんなこんなでウォーキングを終えて、ホテルに戻ろうと思っていたところにひょこっと現れたのが、何やら怪しげな下り坂。頭の中で「君子危うきに」と「虎児を得ず」がバトルを開始しましたが、いつものように「虎児」サイドが秒殺。行ってみましょう。

すぐに「来て大正解」だと思いました。根っこの壁が妙におどろおどろしいです。
さらに下っていくとピーチに到着。ところが砂浜ではなく、石ころがゴロゴロ。「やっぱり来て失敗だったか~」と思ったのですが……。

一つひとつの石が妙にアートしていて飽きないんですよ。

持って帰りたかったけどグッと我慢。
ちなみにですが、このダーウィンのあたりには最大体長7mにもなるという野生のイリエワニや毒クラゲがすんでいるので、ビーチでは遊泳禁止。
ただし、市の中心街からほんの500mの「ダーウィンウォーターフロント」の新規開発エリアには、そうした害獣を防ぐようにネットで囲まれた人工ビーチがあります。
さすがはダーウィン、「進化」していますな。
バイセンテニアル公園(Bicentennial Park)
- ダーウィンの目抜き通り「ミッチェルストリート」から徒歩約3分
- 入場無料

オーストラリア在住ライター(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫